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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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色々と気を揉んでいるとヴァノア様がご到着されたようだ。


あまりすぐに私が応接間へ行くと、お客様が慌しくなってしまいくつろげないとエレナに重ねてアドバイスを受け、そわそわと執務室を歩き回っているとエレナに呼ばれた。


「クレア様、テオドール・ヴァノア様が応接間でお待ちです。」


応接間へ移動し、中へ入る。


「お待たせいたしました。お初にお目にかかります。ゴールドガーデン領主のクレア・ディアスでございます。わざわざご足労頂きましてありがとうございます。」


ご挨拶すると、ヴァノア様は笑顔で応じてくださった。


「こちらこそ今の今までご挨拶に出向かずに大変な失礼を致しました。お招きありがとうございます。」


ヴァノア様の席にはふきんにしては肌触りの良さそうなタオルのようなものが置かれている。

そして、その横にハーブティーが。


「ヴァノア様、早速なのですがご相談がございまして。ゴールドガーデンは初の試みといたしまして民主的な選挙ということで議会の議員を立候補と投票によって決める予定です。身分によらず立候補可能と致しております。つきましてはヴァノア様にも立候補をご検討頂けたらと考えまして。人の上に立つというご経験から、きっと良きリーダーとなって部下を導いてくださることと思っております。ヴァノア様もご自身のお仕事がお忙しいでしょうが、いかがでしょう?」


私が問うと、少し考え込まれた。

沈黙の時を破るようにエレナが新しくお茶とお茶菓子を持ってきてくれた。


「失礼いたします。お茶をお持ち致しました。ゴールドガーデン産のブレンドティーと、お茶菓子はクッキーとマドレーヌ、お茶菓子にもゴールドガーデン産のハーブを使用いたしました。ごゆっくりお召し上がりくださいませ。」


ヴァノア様へそう説明するとエレナは退室した。


「優秀なメイドですね。」


突然ヴァノア様からお褒めの言葉を頂いた。


「はい。お褒め頂き嬉しく思います。彼女はメイドというか、侍女長のような執事のような、私の身の回りだけでなく、仕事面でもサポートをしてくれます。何より、私の親友なのです。」


「そうでしたか。私がこの部屋にご案内頂いて、まず出てきたのは冷たく冷やした濡れたタオルです。汗ばんだ手や顔を拭かせて頂き、さっぱりと清々しい気持ちになれました。お茶も冷やしたものを一杯目に出してくれたのです。美味しく頂き、程よく体の火照りも落ち着いて気持ちよくクレア様をお待ちすることができました。それから二杯目はクレア様と共に頂くとともに、お茶菓子もお茶に合うよう同じハーブを使用したものなのですね。このようなすてきなおもてなしを受けたのは初めてです。ありがとうございます。」


私の知らないところでエレナがそこまで気も手も回してくれていたとは。


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