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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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次は騎士爵のテオドール・ヴァノア様。

『明日ならいつでもお会いできます。お時間をお知らせくだされば馳せ参じます。』


もう1人の騎士爵、レオン・ヨーク様。

『いつでもご連絡くだされば大歓迎でございます。』


元子爵、ハワード家当主、ヘンリー様。

『3日後の午後でよろしければ伺います。』


準男爵のキース・マクレガー様。

『2、3日中に改めてお返事させて頂きます。当方よりお伺い致したく思っております。』


それぞれそのようなお返事だった。


まず明日はテオドール・ヴァノア様に午前中にお越し頂く。それからスチュワート家を午後訪ねる。

明後日レオン・ヨーク様を訪問し、明々後日ヘンリー・ハワード様をお招きする。

キース・マクレガー様はお返事を確認次第予定を組む。


さて、あとは殿下とのお約束だが、取り急ぎお返事だけ明日出そう。

文をしたためる。

挨拶や宛名は明日考えよう。

とりあえず空白にしておく。

内容だけ先に書いておく。


『来週でしたらお会い出来る日を調整できそうです。つきましては私の後見は特にありませんので、私のみのご訪問でよろしいでしょうか?お日にちとお時間を改めてご連絡くださいませ。』


中々に事務的だ。

私と接する度に殿下の熱も冷めるのではなかろうか。

それならそれで良いし、仕方ない。


私自身を取り繕う必要はない。

ありのままの私という状態を知って頂き、その上で殿下がどのように思われるかなのだ。

逆もまた然りだ。

素の殿下のお人柄や国を背負う立場での殿下の思いを知りたい。

他の方々への接し方なども。


多くのことを知り、何か思うことはあるのだろうか。


恋や愛を知ることは。


気持ちだけだはどうにもならない立場の方であることも忘れてはいない。

その隣に立つには、相応の能力と覚悟が必要だ。

私にはどう考えても力不足だ。


殿下とのことは申し訳ないとは思うが、今は私の中で優先順位は高くない。

領内でのやるべきことを最優先に考え、動きたい。

元々私にはもったいないお方なのだから、熱心にアピールして王太子妃の座を得ようとははなから思っていない。

やっつけ仕事のようではあるが、私の仕事が落ち着くまで何も動かないよりはましなはずだ。


明日は朝からご挨拶文を悩もう。

くれぐれも失礼のないように、くれぐれも誤解を招かないように、宛名などを考えよう。

間違っても『愛を込めて』とは書かない。

誤解しか生まれない。


貴族の皆様へのお返事もしたため、今日はもう休むことにした。


あとは明日。

何とかなるさと思って無理をしない。


以前はサボっているような気がして明日に仕事を回すなんて恐ろしくて出来なかった。

程よく力を抜くことが何となく出来るようになってきたと思う。

オリバー殿やエレナ、共に働くみんなのおかげだ。


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