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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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早速会議後に執務室へ戻ると、件の貴族の方々へ面会の申し入れの便りを出す。


お返事が来次第で議会選挙の立候補についてや、今後のゴールドガーデンの展望についての意見交換、今後ご助力頂けないかなど色々と交流を深めていきたいと思う。

そこまで話しをすすめられなくても、交流を持つことは有益なはずだ。


今まで社交性についておざなりにしてしまったが為に、今更感は否めない。

正式に叙爵され、晴れてゴールドガーデンの領主として国内に認められた今だからこそ、挽回のチャンスとして領内外で外交的なところもやっていくつもりだ。


夕方になり、マーティン殿下より返書が届いた。

こんなに早くお返事を頂けるとは。

そして何より驚くことに、殿下のお手紙とともに、国王陛下からのお手紙も同封されていたのだ。


『ゴールドガーデン伯クレア・ディアス卿

ハイガーデン王国王位継承権第1位、マーティン王太子より、貴殿を正妃に迎えたい。

国王はこれを認め、王家より正式に縁談を申し込むこととする。

何卒ご了承の上、その後の対応をよろしくお願い申し上げる。

ハイガーデン王国国王 ギデオン・ハイガーデン』


公開プロポーズだったのだから王家としても正式に縁談を進めざるを得ないのだろう。


小さなメモ紙が重なっており、そこにも陛下からのお言葉があった。


『クレア嬢、愚息が貴女のことも考えず迷惑をかけてすまない。私も妃もそなたを気に入っておるぞ。』


お気持ちは有り難いのだが…何をお伝えになりたいのだろうか?


殿下からのお返事も確認する。


『愛するクレアへ

早速の返事を感謝する。私はチャンスさえもらえるならばいつまででもそなたの気持ちが私に向くまで待つつもりだ。それこそ老いるまででもな。

婚姻を強いるつもりはないが、私の人となりを知った上で判断をして欲しい。

私のわがままに付き合ってくれて有り難く思う。

見合いとして改めて王城へ来てもらうようスケジュールを調整して欲しい。

できれば早いと有難い。

無理をさせてすまないが、どうかよろしく頼む。

貴女を想うマーティン・ハイガーデン」


ツッコミどころしかない。

そもそも『愛する〇〇へ』って恋人に宛てるものではないのか?

まぁ内容的には殿下の意気込みが強いことが伝わって来るのだが。

殿下って意外と恋に恋する的なタイプなのだろうか?

私よりだいぶ乙女な思考でいらっしゃるようにも思う。花が舞っている気すらする。


まぁそこまで思って頂けるのは有難いことなのだろう。

領内の貴族との面談や、選挙の準備、同時進行で各局の事業の承認などもしつつ、エレナともハーブ園移転や規模拡大を進め、殿下との縁談。


目が回りそうだ。

でもどれも後回しに出来ない。

できるならば選挙が落ち着いてから縁談は進めていきたいが、そこまで待って頂けるやら。

きっと殿下は以前の私のように『1年で成果を出さねば』と焦っておいでだろう。

1年の期限の中での1ヶ月はかなり大きい。

やはり同時進行だ。


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