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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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「私の未来は考えてないわ。この先どうなるかもわからないもの。ただ、ゴールドガーデンが発展して、皆が幸せであることを願ってる。私も幸せになれたら良いなとは思ってる。」


「クレアの幸せってどういうものなの?」


漠然としたものでしかない。

私の幸せとは何だろう。


「生きがいをもって、日々充実していること。あとは、私には家族がいないから、自分の家族が欲しいわね。そこで色んな形の愛を知りたい。恋愛だったり、家族愛だったり。それに、独りぼっちはもう嫌だから、信頼できるたくさんの方々に囲まれて暮らしたいわ。友だちについてはエレナがいるから1つ夢が叶ったの。あとは皆も、私も、笑顔で居られること。色んな感情を知り、それを素直に表現できるようになりたい。今思いつくのはそんなところ。」


考えつくことを羅列してみたが、やはり漠然としていて、しかも何だか稚拙な気がする。


「じゃあ今の生活でなくても、それらが叶えばクレアはきっと幸せなのね。あなたの幸せのゴールは一つかもしれないけど、ルートはいくつもあると思うの。あるいはゴールも複数あるかもしれない。」


たしかにそうかもしれない。

現状のままで幸せを求めるのも、違う生活から幸せを求めるのも、選択できるならば選択して決めていけば良い。

選択肢がないわけじゃない。


殿下とのご縁談を受けるのも、断るのも、私の選択肢。

どちらを選んでも、私の努力次第で私は幸せになれる。

でも、私1人の問題でない選択において、相手の幸せはどうなのだろうか。


「エレナ、私の選択によって、誰かを不幸にしてしまうこともあるんじゃない?そうすると私は選択肢があってもその選択を間違うことができないわ。」


「クレア、あなたの幸せはあなた次第。同じよ。相手の幸せは相手次第よ。いつまでも1つの不幸あるいは失敗を引きずって、それに囚われては幸せを放棄するようなものよ。エドワード様に婚約解消を告げられて、あなたはどうだった?不幸なの?別の道を模索して、互いの幸せを願っていた。そうでしょう?同じことよ。相手が結果不幸でも、その後を切り開けるのは相手次第よ。その後全てをあなたが背負うことない。」


そうかもしれない。

私が誤って選択しても、致命的なことでさえなければ私や相手のその後の努力次第だ。

不幸を誰かのせいにすることは簡単だけど、それに囚われて前に進めないのはある意味自己責任か。

こういう件に関してのみでのはなしだが。


「ありがとうエレナ。何となく色々と答えを出す上での整理ができそうよ。結論はまだ出せないけれど、あまり深く考えすぎないようにするわ。」


「それが良いわ。クレアは選択のその後まで色々考えすぎなのよ。あなたにできることは意外とそれほどないものよ。相手のことをいくら考えてたって、できないことの方が多いのだから。」


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