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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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エレナへオリバー殿へメモ程度の手紙を預け、テッドへの確認をして頂くこととし、お返事が来るまでは会議の準備や局の日誌に目を通す。


毎日各局での1日の振り返りとして検討事項や活動報告、トラブルなどの特記事項、他局と共有したい情報・事項を記載したものを提出してもらい、私が確認してから返却している。

もし私の返事が必要なものは返書を用意している。

報告書兼日誌の情報の整理や処理を行い、必要時現局長として活動する領会議メンバーへ聞き取りなどやり取りをする。

他局との共有事項も当該局へ文書を回している。

ある程度各局での見解をまとめた上で、領議会へ持ち込んでいくこととしている。

毎日何だかんだとせわしない。


「クレア様。お茶をお持ちしました。失礼します。」


エレナがお茶を運んでくれた。

お茶菓子は焼き菓子で、パールミントの実がトッピングされていてかわいらしい。


「オリバー様からお返事を頂きました。『エドワードのけじめとして2人で行くべきです。』とのことでした。」


エレナの報告を聞いて納得する私を見て、エレナは何か聞きたそうにしている。

エレナはまだ仕事モードであるため必要以上に口を挟まない。

おそらく『けじめ』とは、と疑問に思っているのだろう。

休職し療養中ということでのけじめとしてエレナが受け止めてくれれば良いが、私たちの婚約破棄のことだと気付いたらどうなるやら。

今はまだそこには触れないでほしい。

そんな気配を察してかお茶を淹れはじめる。


「ありがとう。下がって良いわ。ハーブ園移転の準備もあるでしょうから、少し時間が早いけれど早めにそちらの仕事に入ってもらえるかしら?このパールミントの実、とても美しいわね。素敵だわ。ありがとう。」


私の言葉に何かを感じたようだ。

特に反論なくワゴンを整理していく。


「承知致しました。では庭へ参ります。お茶のおかわりの際はこのままお湯を入れていただければ。茶葉は入れてあります。焼き菓子もまだございますので、必要であれば代わりのものにお申しつけください。失礼いたします。」


少し怒っているようにも感じるエレナの様子に、ドキッとする。

婚約破棄までは想像していないだろうが、私が口出し無用とばかりにエレナへ隠し事をすることに怒っているのだろう。


今はまだ。

誰にも知らせない。


テッドが適当な時期を見極める。

それを待つのだ。

それまでは誰にも知らせず、悟らせず、隠し通すのだ。


婚約パーティーをしているからには破棄の際も陛下へご報告するつもりだ。

そのけじめは2人でつけよとオリバー殿はおっしゃるのだ。

テッドが歩けさえすれば、会場では椅子に座っていれば良いし、ご報告の際のみ移動して跪ければ良いのだ。

室内の移動は問題なく出来るくらいには回復している。

だからこそのオリバー殿のお考え。

義理堅いテッドのことだ。オリバー殿のご意向にも了承するだろう。

2人で王城へ行く準備も進めねば。

衣装や馬車、付き人、護衛、手土産など手配していこう。

特にテッドは介添えが必要だろう。

オリバー殿には留守を頼み、混乱の無いようにせねば。

おそらく婚約破棄の発表は領へ戻ってからすぐだろう。

国王陛下へご報告してから、戻り次第領内外へ発表するだろう。


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