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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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反対派が居た場合にその方々を納得させるという方法を見出せない。

なぜなら、私自身がこのままこの地位に居座ることへ罪悪感もあり、そして納得できていないからだ。

領主として適任ではない・相応しくないと私自身が自分を信じられない。


所詮子どもが突然領主として担ぎ上げられた程度に過ぎないのだ。

幼少期からそういった教育を施されたわけでも、幼少期からコネクションを着々と作り上げたわけでも、何か秀でたものがあるわけでもない。

後ろ盾も何も無い。


辞めろと言われれば適任者に領主の座を譲るだろう。

吹けば飛ぶようなその程度でしかない自分の価値。

よほどオリバー殿やテッドの方が適任なのだから。


もう成り行きに任せよう。


やれることをやろう。


せめて譲れないのはエレナとのハーブ園をやっていくことだ。


親友との約束であり、協同作業であり、やりがい、生きがいだ。


他のことは引き継いで任せられても、こればかりは私がエレナと行いたい事業なのだ。


できるだけのことを進めていこう。

周りに甘えてばかりではダメだ。

エレナや殿下からは周りに頼れ、甘えろと言われるが、かなり頼って甘えていると自覚している。

丸投げに近いのではないかとすら思うほどに。


心もからだも知識も経験も、全てが未熟だから、早く大人になりたい。一人前と認められたい。

そういう欲が強い。


みんなのためと言いながら、自分の承認欲求のために行なっているのだ。


色々とネガティブな気持ちに沈みはじめたことを自覚し、考えるのを止める。


今日の幸せを探そう。


そして寝よう。


今日は無事に合否の発表や、配属先発表、そして初の各局の運営会議、全てうまくいき安堵した。

エレナのハーブティーも美味しかったし、皆からも好評であったのも嬉しい限り。


などと1日を振り返り、良かったことや嬉しかったことなどをピックアップする。

毎日寝る前にこれをやるのだが、やらずに寝ると朝にモヤモヤした感じが残るのだ。

これをやると少しずつ自己肯定感や多幸感などの良い感情が自分の中に残る気がしている。


一時は情緒不安定過ぎて、幸せすら誰かの不幸に置き換えて絶望してしまったが。


これも周りの方々の支えあったのことだ。

本当に私は恵まれている。


1つ幸せを知ると、どんどん欲が深くなる。

私だけでなく周りのみんなにも幸せを1つでも多く感じて欲しいし、私自身ももっと幸せを感じたい。

1つ物事が上手くいくと、また次も上手くやっていきたい。

1つ良いことがあると、ありがとうと感謝を伝えたい。そして、私も誰かに何か良いことをしたい。

1つ学びがあると、もっと様々なことを知り、理解し、活かせるようになりたい。


こうして段々とポジティブな感情が芽生え、根を張り出す。


テッドのことを支えて行くことはできなかったけれど、その分誰かを支え、幸せにできる日が来るだろうか。

いや、そうできるようになろう。


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