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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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そんなこんなで有意義な1日を過ごし、その日は良い気分であった。


エレナのハーブティーも各局の会議中に振る舞い、初摘みでまだ香りが十分でないが、それでもエレナのオリジナルブレンドで他のハーブの邪魔をせずにかなり好評であった。


ファシリテーターの役割を終えたメンバーが報告書を携えて戻ると、私もハーブ園の企画について書類を渡し、皆からの承認を得られた。


これからはエレナと移転について話を進めていこう。


来週にはまた領内の会議を行う予定だったが、局の運営状況を見ながら会議は行なったほうが良いのではないかということで会議は再来週となった。


ハーブ園はまず移転について動いていこう。

会議で進捗状況を報告し、どんどん進めていく。


議会選挙についての準備もせねば。

人数はおそらく20名のままで良いだろう。

部署をまとめたりなどの関係でその割り振りをどうするかを検討せねば。

もしそこまで人数が必要ないならば席を減らすか、その分別の役割を考えるか。

スケジュールを具体的にし、候補者を集めていく。

基本的には現行のメンバーが立候補することになるのだろうが、他にも立候補する者も居るだろう。


もしも現行メンバーが落選した場合、その方々のポジションをどうするか。

私とオリバー殿は立候補せず、あくまで領主と副官として職務を継続する。

テッドの席も空く。

3人分の余裕はあるが、どうなることやら。

貴族が立候補する場合、金銭や力に頼るのではないかと危惧している。

その予防も検討が必要だ。

もちろん貴族とて志も人徳もあるかただっているのはわかっているが。


ある程度の検討事項は事前にオリバー殿とも打ち合わせしていく必要がある。

ある程度話し合う内容をまとめて会議にに臨むのが私のスタイルなのだ。

何でも準備が出来ず『また次回の検討事案としましょう』と結論を引き延ばすのが好きではない。

私の領内の施政計画でも1年でやり遂げることを前提として検討していることも理由の1つだ。

私たちの仕事は領民からの血税で行う以上、可及的速やかに対応していき、税を無駄にすることの無いような成果を上げねばならない。

もちろん検討を重ねて慎重に進めていく必要のあるものはすぐに結論を出すことはできないが。


婚儀が破談となり、1年以内に全てを進めていく必要もなくなったようにも感じる。

このまま領民たちがテッドと私の処遇に不服が無ければという前提のもとである。

私のことを不適任と評価された場合は婚約破棄の発表と同時に領主としての立場を失うわけで、下手をすると私の残された時間はあと2ヶ月程度なのかもしれない。

テッドやオリバー殿の方が適任と判断されれば、それまでなのだ。


皆は優しい。

テッドの気持ちも汲みつつ、私の続投に納得していただけるのだろう。

私への評価以前の問題なのだ。


ただ、貴族を嫌う改革派の人々は反対する可能性がある。


結局成り行きに任せ、今できることを進めていくしかできないのだ。


こういう時に実感する。

所詮たかが15歳の子どもでしかないということを。


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