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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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不合格者にも植物の栽培や研究をしたいという者もいた。

もし彼らが応じてくれるなら、ハーブ園の職員として働いてもらえないかとも考えている。

彼らがどうしても公務員としての仕事を希望するのなら、また来年に期待するのみ。

まずはハーブ園の計画をしっかり承認を得てから彼らに声をかけるつもりだ。


合格者たちを整列させ、オリバー殿が部署名とその所属者名を読み上げる。


「まずは財政局8名。エルム村アイリス、アザレア村スパイク………」


続々と名前を呼ばれた者たちが新たに列に並び直す。

全員の名前が呼ばれ、各局の専任者となった。


「領主のクレア・ディアスです。皆様、これからどうぞよろしくお願い致します。配属部署にご不満のある方はいらっしゃいますか?特に不満のないようでしたら早速今後の運営方針などを皆様で取り決めて頂きたいと思います。ここでまずは仕事の時間などについてのみ先に確認致します。まず勤務日数は週5日。1日の就労時間は朝8時から夕方5時までとし、間に昼休みを1時間とします。従って1日8時間です。体調不良で休む場合は部署へ連絡を。休んだ場合は振替で休みの日に働いて頂きます。何か事情により勤務時間の開始と終了を調整する必要がある場合は部署内で相談して決めてください。また、遠方からいらっしゃる方には寮を用意いたしました。30名の受け入れが可能です。希望者は各局の打ち合わせ後にオリバー殿まで申し出るように。もちろん寮は寝泊まりするということで休日に実家へ帰られるなどは自由にどうぞ。あくまでも翌日の出勤の際の不便を解消する目的です。食事も朝夕出ます。ただし、有事の際には休日であっても城へ招集致します。何かご質問は?」


私が共通事項の説明を行い、不明な点がないか確認する。


「あの、寮に入るにあたり、費用などはどのようになりますか?メリットとデメリットは理解しました。あとは費用についてを確認させて頂きたいのですが。」


1人の男性が手を挙げた。質問内容も想定内。


「もちろん無料としたいところなのですが、管理・維持費などの問題がございますので毎月1アスターずつ頂きます。定員ならば30アスター。それで食費、人件費、その他管理に関わる費用として運用します。費用が余るなどということがあれば、食事などで還元していけるように致します。あまりにも費用があまりすぎる場合は費用を減額致します。他に質問のある方は?」


可愛らしい女性が遠慮がちに手を挙げる。


「あの、突発的なお休みを頂く場合は部署へ連絡をということですが、連絡手段はどのようにしたら良いのでしょうか?」


それも想定内の質問だ。


「寮にお住いの方は寮母へお伝え頂ければ問題ございません。ご実家から通われる場合は2通り。ご家族から直接ご連絡を頂くか、鳩を飛ばしてくださいませ。どの家にも鳩がおりますでしょう?鳩の場合は具体的に理由や、病欠であれば詳しい症状を書いてください。」


そう、この国では伝書鳩が連絡手段として貴族だけでなく庶民まで広く使われているのだ。


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