表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
117/398

117


テッドとの今後の話し合いから数日。


いよいよ合格発表・配属先発表日を迎えた。

1つずつ確実に進んでいく。

部署の運用開始を行い、議会選挙をすれば領地の運営はある程度安定するはず。

残り約3週間で叙爵式もあり、スケジュールをきちんと組まねばオーバーワークで仕事に支障が出てしまう。

ハーブ園はエレナにほとんど任せているが、たまに草むしりや水やりに庭へ行っている。

パールミントはもさもさと繁っているため、エレナの言う通り、初摘みできそうだ。

今日早速ハーブティーにして皆へ振る舞う予定だ。


いよいよ合格発表。

受験者たちが城へ集まった。

オリバー殿たち男性陣で掲示板を掲げる。


合格者は喜び、近くの合格者たちと抱き合っている。

合格者は大体が涙を流し喜んでいる。

人生をかけている者もいるのだ。当然といえば当然と言える。

不合格者の反応は様々だ。

悔し泣きで動けずにいる者、落ちて元々と諦めて去っていく者、合格者へ想いを託し激励する者。

オリバー殿が受験者たちへ声をかける。


「合格者は担当部署を発表するため残るように。残念ながら不合格であった者たち。今回は残念であった。また来年以降も毎年採用試験を行うこととしている。諦めずに勉学に励み、やりたいことをやり遂げられる力を付けてくれると期待している。合格者も優秀であることは間違い無いが、合否は僅差である。この結果に満足せず、更に自己研鑽に励むことを誓うのだ。皆ご苦労だった。それではこれにて合格発表は終了だ。合格者は残り、他の者は更なる研鑽に励むべく、本日は帰宅したまえ。」


不合格者の悔しがっている者たちは、オリバー殿の激励にいたく感動したようで、来年へ向けて気持ちを切り替えたようだ。

まっすぐな眼差しでオリバー殿を見つめ、深々と礼をして帰って行く。


悔しさを忘れず、それをバネに頑張って欲しいものだ。

ダメ元で受験できる余裕のある者は本業で十分生きていける。

この試験に人生を賭けている者たちは、本気で何かを成したいか、今の仕事では暮らしていけないかなのだろう。

残念ながら合格者の中にもあまり公務員として本気でやりたいという気概の無い者も数名いるようだ。

そういう者は筆記試験が良くとも、面接での得点が

低く、不合格となっている方が多い。

悔しがりもせず、そそくさと帰宅した者たちがそれらだ。

面接の得点が低くとも、筆記でカバーできる者が数名おり、審議を重ねるも基準に則り合格とした。


個人的には志が高い者を採用したかった。

しかし、今回は受験者側にも準備期間が短く、学問などが追いつかなかったのだろう。

来年こそはあの者たちも合格できるはずだ。

人事部も目を光らせ、『何となく合格した者』を適切に対処していくよう申し伝えよう。適切な部署への移動でも良し、どうしても就労態度が悪ければ懲戒だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ