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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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「はい、今ゴールドガーデンはクレア様へ代替わりし改革が進められています。家柄などよりも実力主義で能力を判断し、より能力を発揮できる場を提供してくださることでしょう。1番必要なものはクレア様ですと言うとゴマをするようですが、よりゴールドガーデンが適材適所で人材を活かして発展できる制度づくりをなさるあなた様は必要不可欠です。制度が整ってきたらば今度は教育が必要になるでしょう。領民の暮らしが豊かになってきたら、教育の場を整えて頂けると、益々適材適所に人を配置でき、選択肢が増えていくことでしょう。」


概ね私の考えとずれていない考えの持ち主だ。

是非筆記試験の結果が良いことを祈るばかりだ。


「ありがとうございます。お疲れ様でした。では広場でお待ちください。合格発表について担当者から説明があります。」


面接終了を告げると、ネロリさんは深々とお辞儀をして退室した。


「ありがとうございました。」


次々に面接が進んでいく。

ネロリさんが中々評価が高かったため、以降も期待していたのだが、しばらくは質問への最低限の答えのみという状態だった。


そして、初の女性受験者がきた。


「アマンダ・クラークと申します。よろしくお願い致します。」


ゴールドガーデン城下町の水質学者のご息女らしい。

20歳で、今はお父様と共に水質と地質について調査・研究を進めているそうだ。


「ではあなたの性格・人間性を説明してください。」


女だてらにというと自身も女性なので全く偏見はないが、男社会でなぜ受験しようと思ったのかは気になる。


「私は今、父と共に領内の水質と地質を研究しております。元々幼い頃よりそれらの本に囲まれ、自然について関心が高まったのです。私の興味関心のあることについての探求心はとても強いのですが、年頃の娘の興味を引くようなオシャレや色恋についてなどは全く興味がございません。自然のことを更に調査したり、治水や開墾など様々な事業に関わり、自然と共存する環境を作っていきたいのです。こういったことにしか関心のないものですので、堅物ですとか、いき遅れですとか、気の強い生意気な女ですとか、その他にも色々と揶揄されますが、自分では真面目で少し神経質なだけだと思っております。」


少し私と似ているのかもしれない。

とにかく、真面目であり、探求心があるのは良いことだ。


「あなたにとって幸せとはなんでしょうか。」


真面目で堅物な女性ということでかなり親近感を抱いているのだが、アマンダさんはなんと答えるのだろうか。


「そうですね、男だとか女だとか、この自然の中でそんなちっぽけなことにとらわれずにやりたいことをやれることでしょうか。私は自然と共に生きることが幸せであると思うのですが、固定観念の強い世の中で生きづらさを感じております。固定観念にとらわれずに堂々とやりたいことを成し遂げられたら幸せです。」


「ではあなたが今までに取り組んだ物事において、何か実を結んだものと言いますか、成功体験について教えてください。」


「私は父と水質などの調査をしているのですが、川ですとかが時々干上がってしまうこともございますね。流れの緩やかなところで堰を作り、川の水が一旦そこで堰き止められるようにして、それ以上に流れる水だけが続けて流れることができるようにと父に助言したのです。それが11歳の頃でしたわ。それからは治水についてそれがほかの川でも採用されつつありますわね。他にもありますが、それが1番人々の生活の役に立っていると思います。」


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