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10 渉とユーニスの秘密 上

「リズ、そっちにかなり向かってる。繰り返す、敵が動き出した。こちらも行動を開始する」

「了解、こちらも動きを確認した」


 広場の正面が騒がしくなってくる。エズリーズ達が広場のそばまで来ていた。


「ユーニス、行きますよ」


 渉が合図をして広場に乗り込む。近場で寝ていたゴブリン達を、起こさないように始末した。

 オークとゴブリンの集団が異変に気づいた。ゴブリンは渉達を見るなり走り出してくる。ゴブリンの群れは素早い。フルオートに切り替えて連射した。


「M4じゃ足りないな」


 渉はマガジンを撃ち終えたところで、スリングを使ってM4を背負う。工房である黒い球体を作り出し、土埃つちぼこりを拝借して錬金術を開始する。作り出したのは、ミニミ軽機関銃(M249)だ。弾帯がセットされた状態で作り出した。ずっしりとした重さに顔を苦めたが、身体強化ストレングスを使用して腰だめで持ち直す。


 渉は引き金を引き、そのまま射撃を開始した。弾幕でゴブリンを薙ぎ払う。それでも彼らは突進を続ける。ゴブリンの群れは次々と地面に倒れた。


 ゴブリン達は倒れた仲間たちを飛び越えて、笑顔にも見える表情で走り続ける。渉は魔力によって感覚を強化し、少しだけゆっくりになった時の中でゴブリンの顔つきを理解しようとした。しかし確信が持てたのは、殺戮に喜びを感じるゴブリン達への嫌悪という自分自身の感情だけだった。数体に接近を許したが、ユーニスの投げナイフが脳天に突き刺さる。


 ゴブリンが数体になったところで、ミニミを解体し、腰につけていたサイドアームであるアラスカン(リボルバー)に切り替えて射撃する。今にも襲いかかろうとするゴブリンをユーニスと一体ずつ仕留める。側面から回り込まれたが、身体強化をかけて蹴りを繰り出す。向って来るゴブリンを倒し、先ほど蹴飛ばしたゴブリンが最後の一体となった。飛びかかるゴブリンの上半身を454カスールが勢いよく貫いて行く。渉は歩み寄って瀕死のゴブリンに止めを刺そうと引き金を引くが、出てこない。ゴブリンは静かに息を引き取っていた。


 オーク達はゴブリンたちが死ぬのを見てから動き出した。やはり突っ込んで来る。サイドアームを腰のホルスターに戻し、M4を装填して構え直す。


「ユーニス、ナイフはまだありますか?」

「生憎ですが、残り三本です」


 向って来るオークは三体。渉は問題ないと判断して射撃を開始した。膝撃ちの体勢で淡々と射撃していく。手早くオークを片づけた。








 広場の正面ではエズリーズ達が魔族の総攻撃を受けていた。無線からは何も報告がないが、激しい戦闘音がする。魔族の鬨の声と、魔法の炸裂音、物がはじけ飛ぶ音、ステファンの喊声かんせい。ゴブリンやオークの雪崩に飲み込まれても、屈強なオーガ達が割って入ってきても、正面で戦う七人は持ちこたえている。時折聞こえるステファンの咆哮はむしろ歓喜の叫びだった。渉はアラスカンの入ったホルスターに手を当て、錬金術で薬室内の弾を新しいものに作り替えた。それをホルスターから取り出して、シリンダー内を軽く確認する。


「ユーニスは使い方解る?」

「リボルバーですね。勿論、心得ております」

「反動が強いから気を付けて。発射時にガスが出るから、こんな風に持ってね」


 渉は簡単な説明だけしてユーニスに手渡す。ユーニスは手慣れた様子でシリンダーを外して、弾丸を手のひらに乗せて転がしている。その後シリンダー内に弾丸を戻し、何やら試し撃ちしたかったのか、遠くの壁に向けて発砲した。


「どう?大丈夫そうかな。使いづらそうなら他の精霊を呼ぶけど」

「こちらで大丈夫ですよ。ありがとうございます。やはり、大精霊様は物体を自在に作り出せるのですね」


 ユーニスの突然の一言に渉はなにか引っかかるところがあった。だが笑顔を見せるユーニスを見つめても疑問の答えは出てこない。

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