エピローグ
―1―
俺は雑踏の中を歩く。森人族、猫人族、普人族、多くの人々が歩いている。そう、人だ。この世界の人だ。
今も変わらないごちゃごちゃとした剣や鎧などの武具が並んでいる鍛冶屋の前を抜ける。鍛冶屋の奥からは、鍛冶作業が行われているであろう音が小さいながらも聞こえていた。懐かしい音だ。
そして、俺は目的の場所に到着する。
そこでは店主であろう普人族の老婆がゴザの上に座っていた。いや、これは老婆でも普人族でもない。そう作られた機械人形だ。
『もし?』
俺は天啓で話しかけるが老婆に無視される。
『もし!』
「何か言いましたかな? あいにくと耳が遠くてのぉ」
老婆からは機械的な返事しか返ってこない。そりゃまぁ、機械人形なんだから、正しいのかもしれないけどさ。
『この店の主に用があるのだが、呼んでもらえないか?』
「はいはい、聞こえていますよ」
老婆からの返事は相変わらず機械的だ。それでも俺は待つ。この老婆を通じて俺の来訪がその主に伝わっているはずだからな。
「あ、お客さん?」
置物のような老婆の前でしばらく待っていると俺の後ろから声がかけられた。やれやれ、その場に急に生まれたかのように、気配を感じさせないな。
「あ、星獣様だ。懐かしいよねー。お婆ちゃん、お客様だよー」
俺の後ろに居たのは、そばかすのついた幼い顔の赤髪ポニーテールの少女だった。アラビアンなだぶだぶのズボンを履いている。うん、いかにも普人族です、という容姿の少女だな。
「お婆ちゃん、ごめんねー、僕がお客様の相手をするから奥で休んでてねー」
「はいはい」
老婆が魔法具店の奥へと消える。
「はーい、ランさん、今日はどのようなご用かな?」
そして、少女が振り返り、こちらへと笑いかける。
用件?
決まっている。
俺は目の前の存在に天啓を飛ばす。
『蛇に足を描きに来たのさ』
そう、俺はここに来る必要があった。
「へー、そうなんだね」
目の前の存在――クノエは、よく分からないといった感じで首を傾げている。
『これは誰の話だったか、もし、自分でゲームのような世界を作ったとしたら、その中の一人として生きてみたいと思うんじゃないか、とな、そんな話があったんだよ』
クノエは表情を変えず、俺を見ている。
『俺は、それが葉月だと思っていた。そう女神セラだ。しかし、あいつは余りにも小者で、そしてこの世界での上位者過ぎた。そうだろう? 普通、楽しむなら、どうとでもなる力を隠し持ちながら、一般人を楽しむはずだ。ゲームで楽しいのは弱いうち、はじめの方だもんな』
目の前のクノエが口を開く。
「女神さまは頑張っていたと思いますよー」
そう、葉月は葉月なりに頑張っていたと思うさ。突然、世界を創造するような力を与えられて、それで、こんな世界を創造して……。
ああ、そうさ、認めたくはないが、そこだけは、あいつは、あいつなりに頑張っていたと思う。俺を、俺たちをこんな風にしたあいつを認めたくないけどな。まぁ、でも、だからこそ皆と出会うことが出来た。八大迷宮に封じられた仲間たち、この体になってから出会ったみんな――全て葉月が居なければ無かった出会いだ。
いや、それは良いさ。今は終わったことだ。
そして、だ。
クノエの言葉、『女神さまは――』か。重要なのはここだ。
このクノエは当たり前のように女神を、いや、葉月の存在を知っていた。予想通りだが改めてそうだと突きつけられると少しショックだな。
『クノエ、あんたの正体は何なんだ?』
俺は聞く。そう、これを聞かなければならない。ある程度は予想できているが、それでも本人から答えを聞かなければならない。
「んー。僕? 扱い的にはゲームクリア後に現れる隠しボスなのかなー?」
クノエは楽しそうに笑っている。そう、こいつは色々とおかしかったんだ。にしても、言うに事欠いて隠しボスと来たか。確かにそうだな。見ようによっては、そういう立場にしか見えないよな。
「でも、どうして、僕を?」
クノエは腕を組んでうーんうーんと体を揺らしながら唸っている。
『叡智のモノクルを手に入れた時に、な、最初だけメッセージが表示されたんだよ』
その時の文章は確か、『ああ、うん、初めましてだよ。ようこそ、最果ての地へ。よくもまぁ、こんなところまでたどり着きやがったモノだよね、糞虫ども。あー、私は迷宮王と呼ばれている存在だよ。ここまで辿り着けた君らなら聞いたこともあるよね。君らが手にしたそれは叡智のモノクルと私が名付けたモノだよ。まぁ、君らにその価値も意味も理解出来るとは思いにくいが、もしそれが理解出来るというのならば、残りの迷宮も攻略してみると良いよ。全ての迷宮を攻略した先にこの世界の本当の意味を置いてきたよ。まぁ、出来るモノならば頑張れば良いんじゃ無いかな』だったかな。まぁ、一字一句間違いないはずだ。
って、何故、俺が、あの時に一瞬流れただけの文字を正確に覚えているかって? これは、うん、そういう感じのスキルを創って当時の記憶を掘り起こしたからな。間違いない。俺の記憶力はゴミ同然だから、思い出すのもスキル依存だぜ! これは葉月が使っていた外部記憶ってスキルを参考にさせて貰った。
と、話を戻そう。
「と、突然、どうしたのー? それが何?」
『その時のメッセージなんだが、これを全て改行して、ひらがなだけの列を抜き出すと「あうくーこらぁてぁ」という文字列になる。そして、それをアルファベットに直す』
a u ku - ko ra a te a
『そのアルファベットを並べ替えるとku-ko a et a ra a u になるんだよ。つまり九個逢えたら逢うになるんだ! つまり九重って訳だ』
「なんだってー……とでも言えばいいのかなー。すっごいこじつけな気がするかな」
そりゃそうだ。こじつけだからな。一度やってみたかっただけで意味は無い。ただ、そう、ただな、そのメッセージが葉月以外の人物の存在を、俺に確信させることになったのさ。
ようこそ? 誰に対してようこそなんだ? 世界に自分しか存在しないのなら、それは誰に対しての言葉だったんだ?
まぁ、続けよう。
『クノエという名前は、葉月――つまり八だな。その八の上の存在って意味で名付けたのか?』
葉月って八月の別名だったよな。だから、あいつはその名前にあやかって週を八日にしたり、八大迷宮なんてものを創ったりしたんだろうな。
「いあいあ、それはたまたまだよー」
クノエは肩を竦めている。って、あれー?
「むかーし、むかーし……いあ、そうだね、今回は昔話をするよ」
今回? 何のことだ?
「ずーっと昔、この地が生まれるよりも昔。マナと呼ばれる力を持った魔法世界があったと言ったら信じる?」
この地? この世界のコトじゃないよな? 元の世界のことだよな? 魔法があったということか? 確かに巴やユエイン、二夜子のような特殊な力を持ったものたちは居た。
『それはどういう……?』
「空からやってきた神が創った魔法世界。僕の親……あー、うん、それは伝えなくても良いかな。とにかく、遙か昔に、その魔法世界を元の魔法が消えた神の居ない世界に創り直す戦いがあったんですよ。そして、生まれたこの地には、この地って意味はランさんなら分かるよねー。そう、この地で九つの首を持った龍と呼ばれた、八つに分かれた川の支川、命の起源、作るものの象徴、そういった概念、新しく創られた世界で生まれた――それが僕なんだよー」
『葉月が言っていた上位存在ではないのか?』
クノエは手を横に振る。
「違う、違うよー。僕は、元から、この地で眠っていただけなんだよー。フォローしていただけなんですー。それどころかせっかく神の干渉を消したのに、再びちょっかいをかけてきたそれに対処しようと頑張っていた側なんですー」
あれ? 何だろう、俺が予想していたのとちょっと違う。ドヤ顔で格好つけたのに、ちょっと思っていたのと違う。
それに何だ? 魔法世界が存在していた? 良く分からないことを言い出したぞ。ま、まぁ、クノエのことは良い。今はクノエがどういった存在かは重要じゃない。重要だけど重要じゃない。
「でも、ランさんはお見事ですよねー。全ての世界を同じ結末に収束させることで先の世界に進めたんだから、うん、凄いですよー」
そう、クノエが言うとおり、あの戦いは、ただ葉月を打倒すれば良いというものではなかった。葉月が言っていた『過去は変えられても未来は変えられない』という言葉、これはその通りだ。その通りだったのだ。未来は変えられない。これが重要かつ大前提だ。だから、葉月が赤ん坊に戻るという世界に全てを収束させる必要があった。全ての世界で、重なっている世界で、俺が繰り返してきたであろう世界で――そうすることで世界を欺き乗り越えた。
未来を重ねることで先へと進めた。
そして、それが分かっているクノエなら、
そう、このクノエなら、何とか出来るはずだ。
『これから起こる女神の休息日をなんとかしたい。参考までに、このまま放置しているとどうなるか教えて貰っても良いだろうか?』
「そりゃあ、世界が再構築されなくて終わると思いますよねー」
やはり、そうか。葉月の心を折り、重なった世界の事象を一つにまとめて世界を乗り越える。ここまでは、やりきった。だが、その問題が残っているんだよな。葉月が赤ん坊に戻ったことで世界をまっさらにした後、再起動をかける人間がいなくなったって事なんだろうな。
ホント、この世界は問題ばかりだ。いや、来栖二夜子が言うには元の世界は続いているはずだから、間に合わせの世界だからこその問題、か。そう考えると、その世界に付き合ってくれているクノエは面倒見が良いというか……まぁ、俺は世界がこうなった原因の一人? だと思ってたから、遊び感覚でニヤニヤと楽しんでいると思っていたからさ。
『で、どうにか出来ないのか?』
「ランさんが神になって、この世界の核になればいいんじゃないかなー」
『却下だ』
女神からの世界の解放を目指して戦ったのに、その俺が、その地位に収まったら何の意味もないだろ。
『上位存在的な力で何とか出来ないのか?』
もう一度聞いてみる。聞いてみるのは重要だ。
「この世界を認識出来るように存在としての格を落としてますもん。ちょっと難しいかなぁ」
むぅ。凄く、凄く、とても凄く、それをアテにしてここまで来たんだけどなぁ。場合によっては一戦交えるくらいの覚悟でここに来たんだけどなぁ。それこそ、クノエ自身が言っていたようにラスボスを倒した後の隠しボスを倒しに来るくらいの覚悟でさ。まぁ、それは良いさ。
で、だ。
『そもそも女神の休息日とは何なんだ?』
そう、それだ。それが分かれば、他の対処法が思い浮かぶかもしれない。神頼みから何かの対処法が……。
「知っていると思うんですけどー、この世界は魔素で作られた架空世界ですよね。魔素も有限なんでー、使っていない魔素ダマリが出来ないように一度全部まっさらにして、確認して手を加えて元に戻しているんだと思いますよー」
予想していた通り初期化か。女神の休息日という名前なのに、一番女神が忙しい日だったんだな。にしても、うーむ。
『だとすると、何故、迷宮内は初期化されないんだ?』
住民が迷宮に逃げ込んでいたのは……誰かがその知識を教えたから、だよな。それは誰だったんだろうな。予想は出来るけどさ。
「迷宮の中はまた別の世界だからですよねー。ゲーム的に言うとサーバーが別とか、マップ切り替え式で別情報を呼び出しているとか、そんな感じだと予想しますよー。迷宮の広さに対して、地上部分が明らかにおかしいことがあったと思うんですけど、違いますかねー」
なるほど。別の場所、別の次元だから、地上の初期化に巻き込まれないのか。
「このままだと迷宮の中だけが存在して、地上が存在しない、外に出た瞬間に虚無と化すような世界になると、うん、僕は思うんです」
『それならば初期化を行わなければどうだ?』
「さっきも言ったと思うんですけど、魔素は有限ですからね。ここは仮想的に創られた、いずれ終わる世界、つまり無限のエネルギーじゃないみたいですもん。最初はいいと思いますけど、どんどんゴミがたまって大変なことになるんじゃないかなぁ。極端に言えば人や動物が生まれないとかですよね」
むむー。一時しのぎ的には有りなのか。でも、そうか。そうなると子どもが生まれなくなる弊害があるのか。それは問題だよな。大問題だよ。本当に終わりに向かっている世界なんだな。そう考えると葉月は、そんな世界でよく頑張っていたな、抗っていたな。だからこそ、他からの、こんな世界を創った連中がやって来るのを待っていたのだろうか。
『迷宮から魔素を調達したらどうだろうか?』
別の世界ってことならいけるんじゃないか? そういうものじゃないのか?
「迷宮が枯れたら終わりですねー。今は新しい迷宮と繋げる人も居ないんで、偶発的に繋がるのを待つのは難しいんじゃないかなぁ、と僕は思うんですよねー」
迷宮を作っていたのは葉月だもんな。魔素がなくなれば迷宮は死ぬ。新しい迷宮から補給する必要が出てくる訳か。なるほど、そういうところでもあいつの存在が必要になってくるのか。
『詰み、か』
「だから、ランさんが神になればいいんですよー」
『却下だ』
いやまぁ、ここまで来ると俺のわがままみたいだけどさ。でもさ、俺が神になったからって変わるか? クノエはそれで何か何とかなる確信があるみたいだけどさ、今の俺と何も変わってない気がするんだけどなぁ。
『ある程度、自動的に迷宮を繋げるような事は出来ないのか? そうすれば迷宮から魔素の補給が出来るだろう? そもそも何処から新しい迷宮を引っ張ってきているんだ? 女神の休息日も、葉月がやっていたように手を加える形ではなく機械的に初期化する感じで』
「無茶言いますねー」
『難しいか?』
そこでクノエは、わざとらしいくらい大きなため息を吐いた。
「ランさん、魔導書は使いました?」
『いや、使ってないな。開くとチェックが入って発狂しそうだったからな』
「貸してください」
俺は何も無い空間から魔導書を呼び出す。
『これだ』
俺はクノエに魔導書を渡す。
「まぁ、僕も、この世界は割と楽しませて貰いましたからね。ランさんの言う方法をとってみますよ。でも忘れないでくださいね、この世界の魔素は有限なんですからね」
『もちろんだ。新しく冒険者ギルドを作って迷宮から魔素を持ち帰るように働きかけるつもりだ』
クノエが魔導書を開く。すると表紙に大きな目玉が生まれる。そして、すぐに本自体が消えた。
「はい、工事完了です。これで魔導書が魔素のある世界との橋渡し的な道具になりましたよー。あれが核となって起動している限りは大丈夫かな」
『助かった』
「本当は出来ない事なんですからね」
さすがは上位存在。
『ああ、感謝している』
「それで、この後、ランさんはどうするんですか?」
『クノエという存在が居ることが分かったからな。クノエが本来居る世界に行ってみるのも面白いかと思っている』
「また、難しいことをって感じですね。それは元の世界に戻るって意味じゃないですよね」
『この世界は救われたんだ。新しいことをやってみるのも楽しそうだろ? 迷宮の元となっている魔素のある世界を見てみるのも良いな』
「ほんと、芋虫が神になる――いえ、神を超える物語ですね」
そうだ。
まだまだ、世界は、広い。
どうせ、こんな姿になったんだ、行き着くところまで行ってみるのも楽しいだろう。
さあて、まずは、どうしようかな。
まずは美味しい食事でもしゃもしゃしようか。
むいむいたん 完
◇◇◇
くぅ~疲れました。これにてむいむいたん完結です!
実はゲームの実況動画を見て、それを物語にしたら面白いんじゃないかなと思ったのが始まりでした。
と、冗談はこれくらいにして、本当に完結です。
アフターストーリーのようなものや、サイドストーリーのようなものを書く予定は今のところありません。
打ち切りに怯えることもなく、設定を押しつけられることもなく、好き放題に書ける、と最後まで楽しんで物語を作ることが出来ました。といっても、毎日更新はキツかったです。本当にキツかったです。一応、書き溜め無しの、実際に毎日書いて更新していたわけですが、頭がおかしくなりそうでした。毎日更新とか狂人の所業ぞ。これが出来る人、絶対、おかしいわ。そりゃあ、書こうと思えば、一日に3万字から6万字くらいは書けると思うんですよ。でも、出来るかどうかと、実際に出来るかは違いますよね。やれって言われたら、無理だと思うのです。犠牲にするものが多過ぎですよね。缶詰にされるようであれば、また別ですが。
引き延ばしではなく、話のネタも考えて、ぶつ切りにならないように構成も考えて、盛り上がりも入れて、それを毎日行うとか、狂ってる!
元ネタがゲームの実況動画というのは本当です。実況動画って大抵、実況者の人が、余りゲームが上手くないですよね。大抵、自分だったらこうするのに、なんでこう動かないんだってなるじゃないですか。でも、だからこそ、自分が考えているよりも上手く動いたり、鋭い推理をしたり、成長したりするのを見ると、おおぅっと思ってしまう訳で、それを物語に詰め込めないかな、と。だから、主人公のランはお馬鹿になってしまったのです。
なろうの小説の多くが一人称です。多分、その方が物語にのめり込める、没入感が違うからだと思います。ただ、そうなってくると、物語でよくある、裏ではこうなっていたんだー、といった第三者視点では説明しやすいことが難しくなります。だから、サイド視点の章を入れるのが流行っているのかな、なんて思っています。でも、だからこそ、逆に考えたんですよ。分かんなくても、説明しなくてもいいんじゃないかなぁって。逆に考えるんだ、主人公の知らないことは知らないままでもいいんじゃないかって。ただ、それだとさすがに無理がある場所も出てくるので、ある程度は、匂わす程度に入れるようにだけはしました。
今回、章ごとのやるべき事や設定などは全てデータ保存をして、最初に作り、それを追いかけるように話を作りました。この章では、人化イベント、敵の将軍と戦うとか、そういうやるべき事を決めておくわけですね。ただ、毎日更新ですと、うっかり忘れたり、間違えて繰り返してしまったりすることもあり、頭がおかしくなりそうでした。全体を見てから修正するわけではないので、後の修正が効きにくい、一発勝負に近いってのも毎日更新の難易度を上げていると思います。その分、やり応えはあったんですけどね。
よく聞かれる『むいむいたん』というタイトルについてですが、これはタイトルの勝利ですよね。今後、同じようなセンスのタイトルを思いつくのは我ながら難しいと思っています。思いついたきっかけは、ゼ○ダの伝説時のオカ○ナで「むいむい」と喋っている謎の人物を見たことでした。なんて心に響く変な単語なんだと思った覚えがあります。そして、みかみてれんさんの『勇者イサギの魔王譚』というタイトルを見て、最後に○○ちゃん、みたいな感じで『たん』をつけたら面白そうだと思ったのがタイトルの由来です。つまり、○○ちゃん的にむいむいたんと呼ぶのも正解ですし、冒険譚的にむいむいたんと呼ぶのも正解です。はい、どうでもいいですね。
にしても999話、2,650,000字です。ステータスや人物紹介も入っているので正確な数字ではありませんが、それでも書籍20冊分です。頭がおかしくなるような大長編です。これでも話を削ったんですけどね……。建国編や内政編は削ってます。その辺りの感想でダイジェストを見ているようだと書かれましたが、まさにその通りでした。本当に申し訳ない。いや、でもね、普通に考えたら200万字ですよ、途中で物語が二転三転しているとか、例えば、ラブコメから異世界に行くとか、そんな無理をして引き伸ばしていると思うじゃないですか、200万字も書くことがある方が、本当にストーリーが続いていて進んでいるなんて異常じゃないですか! いや、まぁ、世の中には100冊を超えても続いていた物語もあるわけですが……。なろうにはそういった作品がごろごろしているわけですがっ! そこまで入れると300万字クラスになってしまうので、書く方も本当に辛い、とそういう感じで削りました。他の部分を肉付けした方が面白くなりそうだと思ったのもあります。
長くなりましたが、むいむいたんは本当に、これで完結です。余り余韻のないエピローグですが、終わりです。ランの冒険はこれからだ、ですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。皆様の応援がなければ最後まで書き切ることは出来なかったと思います。
そして、次回作にも付き合っていただけたなら幸いです。