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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
96/999

2-86 金貨

―1―


 さあ、冒険者ギルドだ。居るのはちびっ娘かなー、眼帯のおっちゃんかなー。


「虫」

 中に居たのはちびっ娘だった。眼帯のおっちゃんよりは話しやすいか。

『すまない。クエストの報酬を貰いたいのだが』

 ちびっ娘がカウンター越しにこちらへと手を伸ばす。

「ステータスプレート」

 俺はステータスプレート(銀)を首から外しちびっ娘に渡す。

 受け取ったちびっ娘がステータスプレート(銀)の上に手をかざす。

「うむ。返す」

 俺はちびっ娘からステータスプレート(銀)を返して貰う。

「持っていけ」

 ちびっ娘がカウンター下から完了札に似た札を出してくる。これで換金所からお金が貰えるのかな。俺はちびっ娘から札を受け取り換金所へ。お金大事。


 冒険者ギルドの目の前にある換金所へ。

 中に居たのは妹さんの方のお姉さんだった。ふむ、まだこの時間だと妹さんの方か。

「お久しぶりですね」

 う、うむ。

『こちらの札を』

 お姉さんに札を渡す。

「ええ、換金ですね」

『こちらも頼む』

 更に皮の背負い袋に入れていたブルーバットの死骸とアクアスライムの核を渡す。

「こ、これはスライムの核ですか! 初めて見ました」

 あれ、セフィロスライムの核を換金したことがあるはずなんだけど……って、あれはお姉さんのお姉さんの時だったか。

「で、では少々お待ちください」

 妹なお姉さんが奥の部屋へ。アイテムを鑑定してくれているのかなー。


 さて、お楽しみの換金結果は、と。


 クエスト報酬:180480円(小金貨4枚、銀貨3枚、銅貨2枚)


 ファイアトレントの上質な木片:

 81920円(小金貨2枚)÷2=40960円(小金貨1枚)

 ブルーバット1匹丸ごと:3840円(銅貨6枚)

 解体代:▲640円(銅貨1枚)

 アクアスライムの核:163840円(小金貨4枚)


 獲得GP:+100(総計120)


 合計:388480円(金貨1枚、小金貨1枚、銀貨3枚、銅貨7枚)



 大金だ。金貨ですよ、金貨。一気にお金持ちだな。うはうは。

 とりあえず、このお金はどうしようかなぁ。アレが欲しい、コレが欲しいみたいなモノはあるんだけれど、それがどれも高価だったからなぁ。今のところ『目標を決めてそれを買うためにお金を貯める』みたいな欲しい物が無いんだよなぁ。よし、高級すぎて買えねぇって諦めていた物のどれかを目標に設定してお金を貯めるか。その方が頑張れるしな。


 まぁ、とりあえずは夜も遅いし、道場の方に帰るかな。




―2-


 らんらんと輝く双月の中、俺は道場への帰路につく。


 道場には、ちゃんと灯りが点っていた。あー、そういえば灯りで思い出したけれど、ランタンを買わないと。このスイロウの里ならちょっとした物もあるだろう。クノエさんの所で聞いてみるかな。

「あ、お帰り」

 道場の中ではユウノウさんが待っていた。

「ご飯にする?」

 お、ご飯も貰えるのか、有り難いなぁ。一度、道場に顔を出した後、食堂にでも行こうと思っていたからな。と、それもだけれど、ミカンさんはどうしたんだろうか。

「あー、お嬢なら寝てますね。今日は本当に疲れていたみたいだから」

 なるほど。そりゃまぁ、里が壊滅するようなコトが起きた後だもんな。


 よし、有り難くご飯をいただこう。

「はいな」

 ユウノウさんの案内で奥の部屋へ。大きめのテーブルに空いた席が6個ほどあるので、ここがこの道場の食事室なのかな。


 空いている席の一つに座る……って、芋虫体型だと座りにくいな。内側に丸まるように椅子に乗っかる。

「じゃじゃーん」

 ユウノウさんがテーブルの上、俺の席の前に料理と箸を置いてくれる。字幕にじゃじゃーんって出ているぞ。本当に言葉でも言っているのだろうか。

「残念ながら焼き魚はありません」

 いや、俺は別に焼き魚が好きな訳では……。


 置かれたのは、芋のような物を蒸しただけの食べ物だった。……というか、これだけ?

「門下生も居ないような貧乏道場だと、これが精一杯なのです」

 マジカ。今ならお金もあるし、資金援助をしたい。お金ならあるんだッ! 俺は食事改善を要求するッ! って、とりあえずお芋を食べよう。


 はむはむ、もしゃもしゃ。


 筋っぽくて粉っぽい。ほんのりと甘くて薄味なサツマイモ風味。コレ、蒸すよりゆでたり、焼いたりした方が美味しくなりそう。いや、油で揚げるのが一番美味しくなりそうだな。この芋ぽいものを油で揚げた物を売り出すのはどうだろうか。……これ、ナイスアイディアじゃね? ふむ、このサツマイモもどき、ユウノウさんは何処で買ったんだろう。

「へ? 普通に露店で買いましたよ」

 えー、大通りの露店を結構見ているけど、見かけたこと無いよー。

「大通りは正規のお店が多いですからねー。ちょっとお値段が……」

 そ、そうなのか?

「貧乏道場は裏通りのお店でしか買えないのです……うるうる」

 は、はぁ。そうなのか。

「少しは同情してくださいよー。そして門下生を増やしてください」

 は、はぁ。一応、善処します。というか、お金を入れます。食事を改善してください。

『少ないが、これで食事を改善して貰えないだろうか?』

 俺はユウノウさんに小金貨を1枚渡す。

「あ、ありがとうございまーす。これで木刀の一本でも買いますね」

 いや、木刀じゃなくて食事を改善……、ま、いいか。俺は食堂に通うことにしよう。


 まぁ、泊めさせて貰う関係上、お金は入れるということで。


 さ、食事もしたし、俺は用意して貰った自分の部屋に行くかな。今日は俺も疲れたし、ゆっくり眠りたいです。

4月28日修正


誤字修正

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