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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
80/999

2-71 転移

-1-


 周囲を見回しても、魔獣の存在は――線は見えない。よし状況クリアだーぜー。

 あらかた素材の回収も終わったので、俺が隊商を呼びに行く。


 洞窟の中に戻る。

「どうなりました?」

『全て倒した』

「おお、それは素晴らしい」

 褒めて褒めて……っと、インフェルノツリーの素材を運んで貰えないか交渉しないと駄目だったな。

『ところで、もし良ければ倒した魔獣の素材を一つだけで良いので運んで貰えないだろうか?』

 コーディさんは俺のお願いに苦い顔をする。

「ううむ、運んで差し上げたいのは山々なのですが、こちらもぎりぎりまで荷物を載せているので少し難しいですね」

 ま、マジで。さっきの好感触が嘘のような断られ方ッ!

 どうするどうする!?


 俺はステータスプレート(銀)を見る……チッ、レベルは上がっていないか。ミカンさんとパーティを組んでいるから経験値が半分になっているもんなぁ。それが効いているな、って、それよりも重要なのはMSPだ。数値はっと。


 ――159。マジかよ、1足りない。ここでも妖怪1足りないが出没するとは……。はぁ、仕方ない。ホントは砕きたくなかったんだけどなぁ。

 俺はフィーンドダックの魔石を取り出す。そして、そのまま砕いた。


 う、が……。フィーンドダックの魔石を砕いた瞬間、心臓に衝撃が奔る。な、なんだ、コレ……。魔石に貯まっているMSP量が多いからか? はぁはぁはぁ。

 俺は息を整え、ステータスプレート(銀)を見る。数値は167になっていた。良し、これでイケル。ってフィーンドダックのMSPって8しか無かったのかよッ!


 俺はさっそくMSPを160消費して転移のレベルを2に上げる。


【<転移>スキルがレベルアップ】

【最大チェック数2 最大転移人数2】


 よっし、予想通り。これで準備は整った。

『コーディ殿、すまないが出発を30分ほど遅らせて貰えないだろうか?』

「ああ、はい。それくらいならば」

 よし、許可は貰った。


 俺は洞窟の外へ出て、周囲の警戒をしていたミカンさんに声を掛ける。

『すまないが、トレントを全て換金しても良いだろうか?』


――<転移チェック2>――


 よし、外でチェックが出来たな。

「え、あ、はい。私は間違いなく半分の金額が貰えるのならば、それで……」

『分かった』


――<転移>――


 俺の体が空高くへと舞い上がる。って、よく見たら一緒にミカンさんも上昇している。あ、そういえば転移人数が2に増えているんだった。ミカンさんが猫目を大きく見開いて驚いている。

「え? あ? は?」

 うんうん、気持ちは良くわかる。これ最初はびっくりするよねー。


 ある程度まで上昇したところで一旦止まる。お? 俺が視点を動かすと落下地点が変えられるみたいだ。今は二カ所しか無いけど視点で落下地点変更が出来る訳ね。と、スイロウの里はっと。かなり北だな。結構歩いてきたんだなぁ。


 視点が定まると高速での落下が始まる。


 そして、そのままスイロウの里近くに着地。


 ……ミカンさんを見るとすっごいまっすぐに尻尾を立ててた。尻尾の毛がメチャクチャ逆立っている。

「死ぬかと思った、死ぬかと思った」

 と、驚いているところ申し訳ないが急いで換金所に向かうぞ。

『歩けるかな?』

「え? ああ、はい。え、ここってスイロウの里? エ? ナンデ?」


 茫然自失のミカンさんを連れて換金所へ。

「あれ? ランさん、フウキョウの里へ向かったのでは?」

『うむ。そうなのだが、ちょっと換金して貰いたくてな。悪いが急いで換金して貰えないだろうか? 数が多いので奥の部屋に案内して欲しい』

「え、ええ。わかりました」


 俺は奥の部屋でトレントの木片を取り出す。その数、実に20。

「こ、これは凄いですね……」


 すぐに鑑定して貰い、そのまま換金して貰う。


 トレントの木片:

 10240円(銀貨2枚)×20=204800円(小金貨5枚)


 お、割と良い金額。ちゃんとミカンさんと半分こにしないとな。小金貨2枚に銀貨4枚の儲けか。


 と、急いで帰らないと。


 未だ夢遊病患者のようなミカンさんに小金貨2枚と銀貨4枚を握らせる。そのまま連れて里の外へ。さあ、帰ろう。


――<転移>――


 俺たちの体が空高くへと舞い上がる。

「ぎょええええええぇぇ」

 あ、気がついたのか。なんだか女の子らしくない悲鳴が聞こえるな。

「ちょ、ちょっとランさん……」

『ああー、すぐに落下が始まるぞ』

 そのまま先程の洞窟を抜けた先のチェックポイントに到着っと。


 ミカンさんを見ると肩で息をしていた。こうしてみるとホント、猫だなあ。

「あ、あの……」

『これでファイアトレントの素材も回収出来るな』

 ミカンさんがコクコクと頷く。

「し、しかし……、ランさ、ん……、ラン殿は、恐ろしいスキルを持っていますね……」

 うーん、やはり転移は珍しいスキルなのかな。っと、インフェルノツリーを回収しないと。インフェルノツリーを魔法のウェストポーチXL(1)に収納する。よし、これで大丈夫だ。っと、転移チェックも解除しておかないとな。


――<転移チェック2解除>――


 よし、普通に解除できた。ふぅ、これ、解除できなかったらどうしようかと思ったぜぃ。


 さあ、改めて出発だ。

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