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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
75/999

2-67 護衛

-1-


『何か奥の手のような必殺の一撃が欲しいのだが、何か思いつくことがあるだろうか?』

 ちびっ娘に聞いてみる。いやね、ちびっ娘がこういう質問を嫌がるのは分かるんだよ。でもさ、冒険者ギルドに居るならそういう情報も知っているんじゃないかなぁーっと。

「むぅ。聞きたがり……。うーむ、まぁいい。特別」

 お。教えてくれるのか。

「一撃の威力を求めるなら侍のクラスが一番」

 侍か……確かフウキョウの里だったな。行ってみようかなぁ。となると猫馬車の日程を確認しに行かないとな。

「そしてちょうどEランクになった虫にオススメのクエストがある」

 ん?

「Dランククエスト、フウキョウの里への隊商の護衛」

 お? 狙ったかのようなタイミングだな。

「ちょうど明日出発する。今ならまだ受注出来る」

 って、明日かよ。急だなぁ。

「護衛は1日につき20GP、4日の護衛だから80GP」

 ほう、護衛は1日単位でGPが貰えるのか。

「受けるか?」



 Dランク

 護衛クエスト

 フウキョウの里へ向かう隊商の護衛

 4日掛けてフウキョウの里に向かう隊商の護衛をお願いします。


 クエスト保証金:無し

 報酬:163840円(小金貨4枚)

 獲得GP:80



 どうしようかな、タイミングが良いのは確かだが、明日というのはなぁ。急過ぎるよね。後さ、護衛の金額が163840円(小金貨4枚)ってどうなんだろうか。多いのか少ないのか……。リアルで考えたら命がけの護衛がその金額って安すぎるような。宿泊料金が1万円の世界で16万円ですぜ。4日間も拘束されて、コレかぁ。……うん? でも1日4万円と考えたら割と多い気がしてきた。うーむ。


 俺は熟考して答える。


『クエストを受けよう』

 まぁ、なんだかんだ言ってこれは受けるしか無いよな。

「ステータスプレート」

 はいはい、っと。俺はステータスプレート(銀)をちびっ娘に渡す。ちびっ娘がステータスプレート(銀)に手をかざす。これ、何かを書き込んでいるのかなぁ。

「明日の朝10時、里の外すぐ」

 朝出発か。となると今日の内に準備しておかないとな。使った鉄の矢の補給に鉄の槍と切断のナイフの購入……っと、後は食事か。前回、猫馬車に乗った時は食事無しだったもんな――いやまぁ、苦い思い出だけどさ。

 よし、保存食を買っておこう。


 宿はついに引き払うことになりそうだな。さすがに片道4日、往復で8日(一週間)はなぁ……。名残惜しいが仕方ない。まずは買い物に行こう。




-2-


 大通りの露店から保存食を購入する。保存食はパンのような物4個と干し肉沢山である。とりあえずショルダーバッグに入れる。後、忘れずに皮の水袋も購入。まぁ、水袋を複数購入しなくても、水の補給はアクアポンドで大丈夫でしょ。魚醤も1瓶あれば当分持つしな――これ1個で1月分くらいか。次は……武器かな。



『頼もう』

 俺はいつものように挨拶をしてホワイトさんの鍛冶屋に入る。

「あー、誰かと思ったらランかよぉ」

 奥からのっそりと出てくる犬頭のおっさん。犬の頭も見慣れた物である。そういえばホワイトさんって既婚者だったよな。奥さんも犬頭なのかなぁ。

『いつものように鉄の槍を貰いたい。それと切断のナイフに鉄の矢を2本ほど貰えるかな?』

「……」

 あのー、無言が怖いです。

「ナイフもかよ、ナイフもかよ!」

 2回も言うなんて大事なことですか?

「いや、分かってる、分かってるよ。うちの武器が壊れるほどの激戦を繰り返しているからってぇのは分かる。それでもなぁ、壊れてしまうってのは俺の力不足にしか思えなくて不甲斐ねぇのよ」

 まぁ、そうは言っても俺の扱いが乱暴だからってのはあるよなぁ。今回、切断のナイフを壊してしまったのだって、ナイフの上から槍を思いっきり叩き付けたからだし……。それでも、それがあったからこそ、勝ちを拾えたんだしなぁ。ま、戦いだから仕方ない。

「くそ、槍は専門じゃねえんだが、お前のためにもっと良い槍の作成を考えてみるぜ」

 あー、でもメイン武器は風槍レッドアイで事足りているんだよなぁ。それに侍のクラスを得たら必要無くなるんじゃね? 俺のために頑張ってくれるのは嬉しいけど、無駄になっちゃうんじゃね?

「あん? お前、侍のクラスを取りにフウキョウの里まで行くのかよぉ」

 はい、なので当分はスイロウの里に戻りません。と言っても転移を使えば一瞬で戻ってこれるんだけどね。

「まぁ、侍は刀と槍と弓の扱いに長けたクラスだから、槍も無駄にはならねぇだろうよ」

 あ、そうなの? と言うか刀と言いましたな。刀ですかッ! 浪漫武器ですなぁ。

「あん? 刀に興味があるのか。うちにもあるぞ。うちの刀を求めて侍のクラスを持った冒険者の娘っ子(むすめっこ)が通ってくれてたしな」

 へぇ。そうなのか、会ってみたかったな。俺も結構、この鍛冶屋を利用していたつもりだったんだが、すれ違いもしなかったなぁ。

「まぁ、その()もフウアの里の俺の師匠から恐ろしい武器を作って貰ったみたいだからな、もうここに来ることも余りないだろうぜ」

 あ、そうなのか。残念だ。これから俺も侍のクラスを取得するんだから、会ったときにでも先輩侍としての意見を聞いてみたかったんだがなぁ。ま、仕方ない。

 というか、ホワイトさんの師匠がフウアの里にいるのか。そういえば鑑定したときの名前がホワイト・フウアになっていたもんな。フウアの里生まれって事なんだろうな。


 俺は鉄の槍と切断のナイフ、鉄の矢を購入し鍛冶屋を後にした。


 後は宿の女将さんに挨拶か。



【夢幻のスカーフ】

【上質なミーティアラットの毛皮から作られたスカーフ。物理に対して非常に強い耐性を持つ】


【ウッドゴーレムの動力核】

【ウッドゴーレムを動かしている核。固形燃料として使用することが出来る】


【ステータスプレート(銀)】

【上質な汎用ステータスプレート。サブクラス1とサブスキル1を解放する】

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