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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
8  二重螺旋攻略
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二重螺旋攻略編エピローグ

―1―


 矢を放つ。


 光線を回避し矢を放つ。


 矢を放つ。


 次々と放たれる光線を回避し矢を放つ。


 矢を……、矢を……、矢がない!


 矢筒の矢が、矢が切れた!


 これは、どうするんだ?


 どうする、どうする?


 これさ、豚顔のゴリラを倒す時に矢を使いまくった弊害だよなぁ。その時にさ、壊れていない矢は回収したけどさ、それでも結構な本数を消費したからなぁ。持ってきた矢の本数に限りがあるもんなぁ。


 俺が光線を回避しながら、どうしようかと考えていると、矢筒に矢が復活していた。アレ? 矢が生えてきた、何でだ?


 ……。


 あ!


 魔法の真銀の矢!


 最近、まともに弓を使っていなかったから忘れていたよ。そうか、そうだよな。こういう便利な矢があったよな!


 となれば、魔法の真銀の矢が戻ってくるまで、気合で回避し続ければ、何とかなるな!


 これはもう、勝ったも同然だぜ!




―2―


 魔法の真銀の矢を放ち、四角い金属の箱の数を減らしていく。


 箱の数が減れば減るほど、光線の数は減り、回避するのも楽になっていく。こういうのってさ、数が減るほど攻撃が激しくなるとかしそうなのにな。


 時間をかけ、ゆっくりと着実に四角い金属の箱の数を減らしていく。


 そして、ついに箱は最後の1個となった。何だか、余裕だったな。


 最後の箱へと魔法の真銀の矢を放つ。矢が四角い箱の中に収まっている橙色の球体に当たり、跳ね返されていた。へ? 効かない?

 魔法の真銀の矢が光に包まれ消える。ま、まぁ、さすがにこれで終わりってコトは無かったか。


 最後に残った四角い金属の箱がこちらへと迫ってくる。でかい、コレ凄く大きいぞ。小さく見えていたのは距離があったからか? 足下を抜けて行く光だけで、《暗視》スキルも効果が無いから、距離感を見誤っていたのか? それとも金属の箱が拡大しているのか? これ、小さな家くらいはありそうなサイズだぞ。

 巨大な四角い箱は、こちらの足場と隣接し連結する。そして、向こうが近寄ってきたことで、中の球体の姿がよく見えるようになった。人型? おいおい、コレ、何か人型が丸まっているのか? か、鑑定だ!


【名前:大空坊円緋】

【種族:マスターゴーレム】


 何だよ、また和風な名前かよ! にしても、この丸まった人型、ゴーレムなんだな。


 丸まったゴーレムが発光し始める。何だ、何かやってくるつもりか?


 そして、ゴーレムが左から右へなぎ払うように大きな光線を放つ。お、おい、マジかよ。ここ、飛んだり跳ねたり出来ないんだぞ? そんななぎ払うような攻撃、どうやって回避するんだよッ!


 ……。


 ウォーターミラーの魔法を使うか? いや、跳ね返せなかった時が危険すぎる。ならばッ!


――[アイスウォール]――

――[アイスウォール]――

――[アイスウォール]――


 氷の壁を三枚張る。巨大な光線が舐めるように氷の壁を壊していく。


――[アイスウォール]――


 俺は、氷の壁が壊れる度に、すぐに新しい氷の壁を作り、光線が通り過ぎるのを待つ。左から右へ、光線が抜けて行く。耐えきったか!?


 よし、今がチャンス!


――《スイッチ》――


 《スイッチ》スキルを使い、水天一碧の弓とスターダストを入れ替える。俺は丸まったゴーレムの元へと駆けながら、スターダストを振り払い槍形態へと変化させる。


 俺は光線を放ち終えたゴーレムの眼前へと立つ。俺の攻撃が届く範囲に隣接したのが間違いだったなッ!


――《Wインフィニティスラスト》――


 真紅妃とスターダストが無限の螺旋を描き、丸まった巨大なゴーレムを貫き、大きな風穴を開ける。


 一撃だぜッ!


 大きな穴が穿たれたゴーレムは、そのまま動かなくなる。そして、連結していた金属の箱が外れ、浮力でも失ったかのように暗闇へと吸い込まれていく。


 勝った……?


 これで終わりか?


 本当に終わり?


 いや、だって、俺、まだ《変身》スキルも《変異》スキルも残しているんだぞ。まだ2回も強化を残しているのに、終わりなんて……。


 それだけ、俺が強くなったってことか。


 マスターゴーレムを倒したからか、足下の振動がゆっくりになっていく。そして、ガコンという大きな音を立てて、動きが止まった。


 空中に光が現れ、せり出すように扉が生まれる。いや、元からあった扉が光によって見えるようになったのか?


 扉を開け、中に入ると、そこは苔むした洞窟になっていた。


 俺たちが洞窟を進み続けると光が差し込む広間に出た。天井に隙間でも空いているのだろうか?


 そして、その部屋の中央には台座があり、その上に小さな指輪が置かれていた。前回がマントで、今回は指輪か。とりあえず鑑定だな。


【コーデックスリング】

【迷宮王製】


 はい、いつものヤツですな。とりあえず貰っておくか。


 その広間の奥にはいつものように真っ黒な直方体が置かれている。さあて、今回はどんなスキルかな。


 俺が真っ黒な直方体に近寄ろうとした時だった。


【エミリオがランクアップ条件をクリアしました】

【エミリオが大神獣にランクアップします】


 いつもの謎のシステムメッセージが流れる。おー、今回もランクアップしたのか。でも、俺の頭の上で大きくなるなよ?

「にゃうぅ」


【エミリオがスキル《ライトウィング》を獲得しました】


 またスキルが増えたな。


「お前はそろそろ、私のマスターの頭の上から降りるのです」

「にゃ、にゃ!」

 相変わらず14型とエミリオが何やら言い争っている。争いからは何も生まない!


 さ、スキルを獲得するか。




――エピローグ――


 俺がスキルを獲得すると、いつものようにスキルモノリスは崩れ去った。そして、それに合わせたかのように左手側の石壁が大きく動き開いていく。石壁が動くとか、大げさな仕掛けだな。


 ここが出口かな?


 開いた扉の先は塩水の流れる通路だった。もしかして海に繋がっている?


 俺と14型、エミリオは外へと向かう為、潮風の漂う方へ、海水をつたって歩いて行く。


 やがて、外の光が見えてきた。


 そこは、岩壁に囲まれた海の上に浮かぶ洞窟だった。まさか、ここはクロアさんが言っていた洞窟か?


 つまり、ここなら《転移チェック》も《転移》も使えるわけだ。


 よし、これで八大迷宮『二重螺旋』も攻略か。


 残るは後一つ。


 ナハン大森林にあるという『名を封じられし霊峰』か。ただ、迷宮に入るには雨期まで待たないと駄目なんだったよな?

 となると、しばらく時間が空くのかな?


 ま、その間に色々と片付けるか。


 さあ、俺たちの国に帰ろう。





 八大迷宮・二重螺旋クリア

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