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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
8  二重螺旋攻略
730/999

8-78 二重螺旋第一選択

―1―


 さて、情報も手に入れた。白蛇のクエストも達成、と。


 と、なると、だ。後は八大迷宮『二重螺旋』の見学に行ってみるか。とりあえず下調べだな。


『それでは、明日にでも八大迷宮『二重螺旋』に行ってみようと思う』

『わかっ、た』

 白蛇は舌をチロチロと覗かせて答える。


 さて、では明日は八大迷宮『二重螺旋』に向かってみるか。さすがにマンイーターの巣とここへの往復で日が暮れそうだしな。今回、マンイーターの巣が近かったから良かったけどさ、この島、結構、大きいもんなぁ。


『休ませて貰っても良いか?』

 俺の天啓に白蛇が嬉しそうに頭を動かす。


 じゃ、お言葉に甘えて、今日は白蛇が作った宿泊施設で一泊するか。ぼろの中、14型が用意したお弁当を食べ、就寝する。食事時に白蛇を呼んでみたが、反応はなかった。独自の食事形態があるのかもしれないな。うん、無理強いはよくない。


 翌朝、すぐに動き出す。密林を抜け、南東へ、島の中央部へと向かう。翌朝になってもクロアが戻ってくる気配はなかった。やはり、迷宮攻略に向かったか。


「やあ、旅人さん」

 途中、何度かマンイーターに出会うが無視をする。これ、この個体を倒しても、本体を倒さないと意味が無いだろうからな。何という鬱陶しい魔獣だ。他にも本体がいるってことだよなぁ。にしても、だ。俺はてっきりヘルクロウラーと一緒に居たから、ヘルクロウラーの進化形かと思ったが、本体の姿を見ると別の魔獣みたいだな。となると、何で協力していたんだろうって疑問が出てくるんだが、まぁ、そこは俺が考えても答えが出ることじゃないな。


 野営を一度挟み、密林を進み続けると、それらが急に開けた。


 大きく開けた舞台の中央には巨大な石の塊が佇んでいる。ここが、そうか? 近寄れば、見上げるような、この端も見えないような巨大な大きな一つの石が、いや岩と言うべきなのか? が八大迷宮『二重螺旋』なのか?


 ま、まずは中に入る道を見つけないとな。にしても、だ。1日かけてここまで通うのは大変だよなぁ。次からは《飛翔》スキルを使って飛んでいこう。素直に密林を歩き続ける必要は無いしな。


 とりあえず岩壁にそって一周まわってみる。一周が、大体、三十分もかからないくらいか。それでも、結構、大きいなぁ。


 で、だ。外周には入り口らしきモノが見えなかったから、入り口は岩の上か。


――《飛翔》――


 俺は《飛翔》スキルを使い岩の上に向かう。14型は新しく獲得したジャンプ力を駆使して岩を上っていく。

「マスター、私の善意で、私が持ち上げて運んだ方が早かったと思うのです」

『不要だ』

 あんな恐ろしい真似は、もう結構だ。


 岩の上部に降り立つ。そこには降りる階段が二つと、何かの絵が描かれていた。何かの文様か? ○や×? うーむ、掠れていて読むことが出来ないな。


 とりあえず階段を降りてみるか。右と左、どっちにするか、だよなぁ。


 ま、右か。普通に降りよう。




―2―


 岩をくり抜かれて作られた階段を降りていく。


 階段を降りていくと少しだけ広めの広間に出た。灯りは――ちゃんとあるな。ここは、もう迷宮内かな。


 広間の中央まで進んだところで視界上部が赤く染まった。上か!?


――《飛翔》――


 俺は《飛翔》スキルを使い、後方へと飛ぶ。その、先程まで俺が居た場所へ天井から魔石を本体としたカブトガニのような姿をした魔獣が降ってくる。これがマナイーター?


 マナイーターは1匹だけではなく、次々と天井から落ちてくる。4、5……8匹ほどか。こんな魔石が剥き出しの魔獣が居たとはなぁ。これ、弱点が剥き出しってコトだよな。


 まずは14型が動く。14型が、マナイーターの、その剥き出しの魔石へと凶悪な拳を叩き付ける。しかし、マナイーターは、その拳をするりと躱し、その腕へと巻き付く。

『14型!』

 14型の腕に巻き付いたマナイーターが、その鋭い尾っぽを14型の体へと突き刺す。しかし、その鋭い尻尾は14型の体に弾かれていた。14型が空いたもう片方の手でマナイーターの魔石を叩き潰す。14型の攻撃を回避するとか、意外と素早い魔獣だな。

「マスター、お気をつけください。この魔獣はマスターが体内にため込んだ魔素を吸い取るようです」

 俺が体内に溜めた魔素を吸い取る? まさか、いや、試してみるか? いやいや、試してみるまでもないな。この世界の人は、魔石に魔素をため込んで成長しているんだよな? つまりレベルドレインか!


 捕まらないように気をつけて倒さないとな!


――[アイスウォール]――


 俺へと飛びかかってきたマナイーターが氷の壁に跳ね返される。


――[アイスコフィン]――


 そのマナイーターが氷の棺に閉じ込められていく。まずは1匹! いやはや、魔法が使える場所で良かったよ!


 いくら素早くても氷の壁を抜けられるほど力があるわけでも無し。このまま、壁越しに処理してしまうか。


――[アイスコフィン]――

――[アイスコフィン]――

――[アイスコフィン]――


 強力な魔法をぱぱんと連発だぜ。まぁ、入ってすぐの場所で大量のMPを消費しまくって、後が不安だけどさ。まだまだ、ここには魔素が大量に満ちているし、ゆっくり進めば大丈夫だろう。


 いやぁ、怖い魔獣だったよ。俺じゃなかったらレベルを下げられて大変なことになっていたね。


「マスター」

 何かね、14型君。

「いえ、マスターが私を信頼しての行動だと考えておきます」

 いや、まぁ、アイスウォールの向こう側に14型を置いたまま、俺は安全な位置で魔法を連発していたからな、うん。

「にゃ」

 頭の上の羽猫は俺の頭を叩いて笑っているようだ。存外に羽猫も性格が悪いよなぁ。


 俺たちがマナイーターを全て倒したからか部屋の奥の壁が開いた。おー、これで進めるのか。


 奥の壁の先は階段になっていた。さらに下へと降りる、か。

2018年3月10日修正

この固体を倒しても → この個体を倒しても

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