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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
8  二重螺旋攻略
727/999

8-75 クエストを受ける

―1―


 そうだ、とりあえず、この白蛇も鑑定しておくか。


【名前:クリス】

【種族:ホワイトナーガ(サーペント神種)】


 神種? 神種って何だ? これ、今回、初めてだよな。それに名前が、何々の主とか王とか、そんな名前付き(ネームドモンスター)みたいな感じになっていないな。


 いや、まずは迷宮か。そうだよな、この地に住んでいた星獣なんだ。八大迷宮『二重螺旋』について知っているよな?

『八大迷宮『二重螺旋』について何か知っているだろうか?』

 俺の天啓を聞いた白蛇が頭を傾け、そして動き出す。白蛇は手作りのクエストボードが置かれた場所まで動き、そこに作られた小さな丸太の向こう側でとぐろを巻く。

 そこへ来いってコトか?


 丸太の前まで歩いて行く。

『よく、来た』

 よく来たって、さっきから居たんですが、それってどうなんだ。


 白蛇はとぐろを巻いたまま、ちろちろと舌を出し、何かを待っている。えーっと、何を、って、ああ、そうか。

『八大迷宮『二重螺旋』の情報が欲しい』

 俺の天啓を受けた白蛇が嬉しそうに頷く。

『ここより、南東』

 に迷宮は存在している、か。ここが島の北西だから、やはり、八大迷宮『二重螺旋』は島の中央にあるのか。

『入り口、二つ。中で、交わる、のだ』

 ふむ。入り口が二つ、だから二重の螺旋なのか?

『最初、階層、マナイーター』

 マナイーター?

『次、罠』

 罠?

『罠、選択、間違う、強力な魔獣、最初、使えない』

 選択? 何だろう、選択式のトラップがあって、間違うと魔獣が出るとか、そんな感じなのか?

『後、降りる、だ』

 降りる? まぁ、後は降りるだけって感じか。まぁ、簡単にだけど情報は得られたな。まさか、現地に冒険者ギルドがあるとは思わなかったよ、うん。


 さて、と。後は、一応、クエストボードも見ておくか。



 Dランク

 討伐クエスト

 マンイーターの討伐

 マンイーター倒す


 クエスト保証金:無し

 報酬:無し

 獲得GP:0



 何だ、コレ? クエストを受ける必要があるのか? にしても、マンイーターか。あの妖精みたいな魔獣だよな? 倒すべき魔獣だったのか? でも、何かを伝えるように喋っていたのが気にかかるんだよなぁ。

 他は?


 同じ内容が数枚、か。この周囲には魔獣がマンイーターしか居ないってコトは無いだろうから、この白蛇は、マンイーターを倒して欲しいのかもしれないな。


 ん?


 Bランク

 討伐クエスト

 マンイーターの討伐

 マンイーター倒す


 クエスト保証金:無し

 報酬:きらきら光る石

 獲得GP:1080


 こっちはGPが貰えるのか。しかも、だ、報酬もある。きらきら光る石って何だろうな? 八大迷宮『二重螺旋』には行きたいが、このクエストを受けて、この白蛇に恩を売っておくのも悪く無いか。Bランクなら、俺でも受けることが出来るしな。


『14型』

 俺の天啓を受け、14型がクエストボードから札を取り、丸太の上に置く。

『そのクエストを受けよう』

『分か、った』

 白蛇が丸太の下へとその頭を降ろす。そして、上げた顔には、先端が黒くなっている木の枝が咥えられていた。白蛇は器用に頭を動かし、黒い木の枝を使って札に円を描く。これでクエストを受領したって、コトか? ステータスプレートは必要としないんだな。




―2―


 とりあえずマンイーターの討伐へと繰り出す。


 集落の跡地から外れ、密林に入る。すると、すぐに妖精の姿をした魔獣が現れた。

「大変、大変、助けて欲しい。着いてきて」

 何というか、魔獣なんだろうけど、可愛らしい少女の姿をしているからさ、倒すのに抵抗があるなぁ。

「マスター?」

 殺すか、殺さないかの確認か。多分だけどさ、俺が注意したから事前に確認するようにしたのかな?


『とりあえず様子見だ』

 俺の天啓を受け、14型が呆れた雰囲気を纏いながらも綺麗なお辞儀を返す。


「こっち、こっちだよ」

 妖精の姿をした魔獣が、こちらへと手招きをする。こいつを殺したらクエストクリアって、ワケにはいかないよなぁ。多分、倒すべきなのは、この子じゃないんだろうな。

 着いていった先に何があるか、かな。


 俺たちが近寄ると、妖精の姿をした魔獣が動き出す。ぴょんぴょんと跳ねるように木々の間を抜けて行く。大変という割には陽気だな。


『何処へ向かうつもりだ』

 天啓を飛ばしてみるが、妖精の姿をした魔獣は理解出来なかったのか、それを無視して進んでいく。


「こっち、こっちだよ」

 まぁ、追いかけるしかないか。


 妖精の姿をした魔獣は密林の奥へ、奥へ、深い場所へと俺を案内する。


「こっち、こっちだよ」

 妖精の姿をした魔獣の言葉。


「こっち、こっちだよ」

「こっち、こっちだよ」

 周囲に同じ言葉が増えていく。見れば、同じような愛らしい少女の姿が増えていた。


「こっち、こっちだよ」

 沢山の愛らしい少女たちに囲まれながら密林を進んでいく。ああ、もうすぐ集落なのかな?


「こっち、こっちだよ」

 にしても、だ。


 はぁ、これは14型が正しかったのかもしれないなぁ。


「こっち、こっちだよ」

 同じ顔、同じ姿、人にしか見えない――なるほどなぁ。


「こっち、こっちだよ」

 俺には鑑定スキルがあるからなぁ。ホント、あれネタバレだよな。まぁ、クエストボードの名前でも分かるワケだけどさ。


 愛らしい少女たちに囲まれて到着したのは、巨大な木々が絡みつき、穴が穿たれた洞窟だった。ここが目的地か。


 さあ、何が出てくるやら……。

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