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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
8  二重螺旋攻略
652/999

8-4  色々お片付けする

―1―


――《変身》――


 とりあえず《変身》する。長々とした《変身》も、自室なら何かを気にすることなく使うことが出来るのである。


 さてと、用事を済ませて、ちゃちゃっと魔法学院に行くか。


 まずは簡単な鑑定から。


 謎の小瓶はなんでしょう。


【エルポーション】

【傷を癒やし情報から欠損も回復してくれるポーション】


 おー、何だか凄いな。で、情報って何だ? また謎な単語が出てきたな。あー、もう、この世界は謎だらけー。

 で、次の小瓶は何だろうな。


【エルポーション】

【傷を癒やし情報から欠損も回復してくれるポーション】


 ……。


 こっちも同じかよ! うーむ、エリクサーを期待していたんだけどなぁ。確かに凄い効果なんだろうけどさ、それでも微妙というか、なんというか。だってさ、俺なら回復魔法が使えるわけじゃん。必要無いよな、コレ。


 ハズレではないけど、微妙だなぁ。売れるようなら売るか。


 と、次はインゴットを作らないとな。フルールにはさ、散々、待って貰ったからなぁ。さあて、精霊銀の塊からインゴットに作り変えますかッ!


――[エルクリエイトインゴット]――


 精霊銀の塊が光に包まれ金属の塊として再生していく。そして透き通った色のない長方形の塊が5つほど作られる。おー、大成功ぽいな。さて、出来たのは何だろう。


【精霊の宴】

【全ての属性を受け入れる精製された究極の精霊銀】


 何だか凄そうな凄く無さそうな、そんなインゴットだな。にしてもインゴットではなく、名前が付いたのは初めてじゃないか?

 よし、これで完成だな。フルールに会ったら、その時にでも渡しておくか。作ってもらう物は――今は、別段、作って欲しい物も無いし、適当にお任せでお願いするかな。


 後は……アレだな!


 俺は魔法のウェストポーチXLからレッドカノンが使っていたルビードラゴンの変化した剣を取り出す。そして、取り出した瞬間に重さが生まれる。俺の手が抜けそうなほどの重みが走る。俺はすぐさまサイドアーム・ナラカで持ち直す。


 あ、あぶね。


 俺の体ごと剣の重さで床を突き抜けるところだったぜ。って、む? 重さに関係無く持ち運べるサイドアーム・ナラカに持たせたワケだけどさ、剣の重さ自体が無くなったわけじゃないよな? なら、その分の重みが増えているから、床が抜けてもおかしくないんじゃないか? 俺が自分の手で持っていた時は床がミシミシ言っていたのにさ。どういうことだ?

 サイドアーム・ナラカは重さに関係無く持つことが出来るって認識していたけどさ、そうじゃないのか?

 まぁ、これもよく分からないスキルだよな。


 ととと、考え込んでいる場合か。これもインゴットに変えてしまわないとな!


 さあ、新しく生まれ変わるがよいッ!


――[エルクリエイトインゴット]――


 ……。


 あれ?


 何も起こらない。魔法は発動したよ……な?


 ととと、この剣を鑑定してなかったな。それで理由が分かるかもしれない。赤い瞳を走らせ、剣を調べる。


【ルビードラゴン】

【ルビードラゴンが竜言語魔法ドラゴンファングによって剣へと変わったもの】


 うーん。よく分からない。


 竜言語魔法って確かブラックプリズムが言っていたヤツだよな。魔族だけが使う、この世界の法則外の魔法というか、そんなのだよな? 多分だけどさ。

 確か、青が古代語魔法、赤が竜言語魔法、黒が始原魔法か。今更ながらだけど、白は何も受け継いでないんだな。

 赤って竜言語魔法とやらを受け継いだって割には、この魔法しか使ってなかったよな。それとも日属性の魔法とやらが、その竜言語魔法なんだろうか? ホント、よくわからないな。


 まぁ、これは魔法のウェストポーチXLの肥やしにするのも勿体ないし、《スイッチ》スキルの亜空間に収納しておくか。インゴットにならなかったのは残念だなぁ。竜という生物だからインゴットにならなかったのかな。ま、そのうち機会があれば使うかもしれないしな、うんうん。


 さて、これであらかた本社でやるべきコトは終わったかな。じゃ、魔法学院に行きますか。このノアルジの姿なら、堂々と中に入れるしな!




―2―


――《転移》――


 《転移》スキルを使い魔法学院の裏側に降り立つ。


 ……?


 アレ? 何かがおかしい。何だ?


――[ハイスピード]――


 俺は嫌な予感にかられ、急ぎ学院の正面へと走る。


 !


 学院の壁が壊れ、中が見えている。ど、どういうことだ?


 俺は学院の中へ入ろうと手をのばす――結界の感触がない。結界が壊れている!?


 門の先は、何者かの襲撃を受けたのか、至るところに破壊の跡が見えた。ただ、正面の学院の建物だけは崩壊を免れている。誰かが学院を守ったのか?


 にしても、これはどういうことだ?


 学院は結界に守られて安全だったんじゃないか? それが、こんな風になるなんて……。それに、この学院には紫炎の魔女がいたはずだろ? あの凶暴で最悪な紫炎の魔女がいる学院に襲撃をかけて何か出来るはずがない。どういうことだよ!


 本当に何が起こったんだ?


「の、ノアルジーさん!」

 俺がさまようように学院の中を歩いていると声がかけられた。

「もう! 心配したんですのよ!」

 そこにいたのは豪華な髪型の少女だった。


「エミリオ……じゃない、エミリア、無事なのか? これはいったい何が?」

 俺の言葉にエミリアは大きなため息を吐いていた。

「もう! それを聞きたいのは私の方ですわ。まさか魔族の襲撃に気付かず寮で寝ていたとは言わせないですわ!」

 あ……。俺、寮に引き籠もっていることになっていたんだった。


 って、魔族の襲撃!?

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