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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
7  二つの塔攻略
621/999

7-53 謎の装置なのだ

―1―


 ミカンと共に玉座のあった謁見の間へと戻る。さてと、玉座に座りますか。


 背もたれの大きな玉座へ近寄り、そのまま丸まるように座る。まぁ、座るというか乗っかるというのが正しいな。


 前回と同じように床が開き、玉座が下へと降りていく。


 エラー、エラー、

 環境に異常あり、

 エラー、エラー、

 システムをリセットしてください、


 表示されている文字に変化はないか。


 よし、とりあえず適当に四角いボタンを押してみよう。


 ボタンを押そうと玉座から飛び降りる。すると玉座が上へとせり上がり、天井が閉まった。


 ……。


 あれ?


 と、と、と、閉じ込められたーッ!


 マジですか。俺はやってしまったのか……。ま、まぁ、最悪、コンパクトを使えば屋上に戻ることは出来るから、余り深く考え込まないようにしよう。そうしよう。


 さて、目の前の四角いボタンだな。天井が閉まったことで室内は浮かび上がった文字の灯りだけだが、《暗視》スキルがあるから、押し間違えることは無さそうだ。


 ボタンの数は8×8の64個か。一個あたりのサイズが大きいから沢山あるように見えたが、数えてみると、そうでもないな。


 まずは左上から順番に押していくか。


 ポチッとな。


 俺の小さく伸びたまん丸お手々でスイッチを押す。すると浮かび上がっていた文字の内容が変わった。


 防御システムを起動しますか?

 Y/N


 それに合わせて4段目、中央二つのボタンが青く光る。え? これ、どちらかがイエスで、どちらかがノーってこと? うーむ。どちらを押すべきか?


 しかし、俺が悩みすぎたのが悪かったのか、表示は先程のエラー表示に戻ってしまった。何だろう、他のことをするにしても、まずはエラーを消せってコトか?


 いや、とりあえず、もう一度、左上のボタンを押してみよう。すぐに青いボタンのどちらかを押せば反応があるかもしれないからな。それに防御システムなら何かが起こったとしても、余り問題はないはずだ。これで、どちらがイエスかノーかを調べておけば、他のボタンを押して選択を迫られた時に困らないはずだ。


 もう一度、左上のボタンを押す。


 防御システムを起動しますか?

 Y/N


 表示が変わり、中央のボタンが青く光る。


 俺はすぐさま右の青いボタンを押す。すると文字表示が変わった。


 起動をキャンセルします、

 キャンセルしています……、


 エラー、エラー、

 環境に異常あり、

 エラー、エラー、

 システムをリセットしてください、


 で、結局、最初に戻るのかよ。ま、まぁ、でもさ、これで右側のボタンがノーだってことが分かったな。つまり、左側がイエスか。


 今度はどのボタンを押そうかな。左上から順番に押していくか?


 ……。


 いや、四隅から攻めていこう。次は左下だな。


 左下のボタンを押してみる。またも表示が変わる。


 自爆シークエンスに移動します、

 ルーム破壊の準備をしています……、


 ……へ?

 おいおい、イエスノーも出ないじゃないか。自爆って何だ? 何で、そんなボタンが普通に押せる場所にあるんだよ。コレを作ったヤツは頭がおかしいのか? 何が自爆するんだ? ルーム破壊って何だ?


 エラー、エラー、

 環境に異常あり、

 エラー、エラー、

 システムをリセットしてください、


 しかし、表示はすぐに元へと戻った。


 ……危ねぇ。エラーが出ている状況じゃなかったら、普通に自爆していたのか? 何だコレ……。冗談じゃないぞ。


 ふぅ……気を取り直して、次は右上を押してみるか。右上を押すと、またも表示が変わった。


 システムの初期化を行いますか?

 Y/N


 これは……当たりか? とりあえず青く光っている左のボタンを押してみた。文字の表示が変わる。


 システムを再起動しています……、

 システムを再起動しています……、


 再起動の文字が次々と流れていく。さあ、これでどうなる?


 しばらく待っていると文字が消えた。へ? 何で消えるんだ? あ、ああ、電源の入れ直しかな?


 ……。


 それから少し待ってみたが、何も起こらない。どういうことだ?


 仕方ないので、俺はとりあえずもう一度右上のボタンを押してみた。しかし、何も起こらない。アレ? 文字すら出なくなったぞ。

 適当に他のボタンを押してみる。やはり反応がない。全てのボタンを押してみたが反応は何も無かった。も、も、もしかして壊れた?


 う、うーむ。


 仕方ない、一度戻るか。


 コンパクトを開ける。すると周囲の風景が変化した。一瞬、闇に閉ざされ、それが晴れた先は城の屋上だった。しかし、周囲の様子が変わっている。先程までこの城の周囲を覆っていた氷の嵐が止んでいるのだ。もしかして、さっきの装置の効果か?


 これで帰れるようになったワケだが、何だろう、ちょっともやもやするなぁ。

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