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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
7  二つの塔攻略
619/999

7-51 氷の城を探索だ

―1―


 とりあえずミカンと共に炎の犬が湧いていた入り口へと進む。氷の壁だからさ、陽射しをそのまま取り込めそうなのに、中は暗いんだな。いや、外は陽の光が見えないくらい吹雪いているもんな、暗くて当然か。


 羽猫に灯りを……って、今、エミリオがいないじゃん! ま、まぁ、俺には《暗視》スキルがあるから、移動には困らないけどさ。


 ふむ。中は螺旋階段か。


――《剣の瞳》――


 しかし、何の反応も返ってこなかった。近くに魔獣の気配は無さそうだな。よし、降りていこう。


「主殿」

 そこでミカンが話しかけてきた。うん、ミカンちゃん、どったの?

「灯りを付けても良いだろうか?」

 あー、そうか。ミカンは《暗視》スキルを持っていないもんな。暗いからか瞳孔が縦に伸びてて、見るからに夜目が利きそうなんだけどなぁ。まぁ、俺はどちらでも困らないから、どうぞどうぞ。

 ミカンは自身の魔法のポーチから魔法のランタンを取り出し、魔石を入れて明かりを灯す。ランタンの明かりが周囲の氷に反射して眩しいくらいだ。にしても、見るからに氷で、透き通っているようなのにさ、向こう側まで見通せないんだな。何だろう、これも魔法的な不思議物質だからだろうか。


 螺旋階段を降りきると二手に分かれた通路に出た。右と正面か。まずは右から進むか。


 右の通路を進む。すると通路はすぐに右へと折れ曲がった。


 もしゃもしゃ。


 そこで謎の音が聞こえた。思わず振り返ると……そこには歩きながら干し魚に齧り付いているミカンの姿があった。ミカンちゃん、歩きながら食べ物を食べたらダメですよ。


 通路の先は大きな広間になっており、いくつか扉が見えている。部屋の中に入り、扉を開けていく。扉の中はそこそこの広さの個室になっていた。客室か何かだろうか? まぁ、こっちは外れか。


 にしても魔獣の姿を見ないな。もっとわんさか現れるかと思ったんだがな。




―2―


 来た道を戻り、城の中を探索していく。


 途中、大きな扉を見つける。ここが怪しいな。


 大きな扉をミカンに開けて貰い、中に入る。中は絨毯の敷き詰められた豪華な部屋になっており、その奥に巨大な玉座が見えた。おー、王様との謁見の間って感じだな。ここにレッドカノンが偉そうにふんぞり返っていたのかな。


 にしても、こんなにも寒そうな氷の城なのにさ、その主は炎の化身みたいな魔族って皮肉がきいているよな。レッドカノンが頭を冷やしたい時とかに戻ってきていた!?


 ふむ。玉座の後ろには謎の旗がかかっているな。描かれている紋章は竜の頭かな。レッドカノンの家紋とか、そういう感じなんだろうか。


 まぁ、色々、探索だな。とりあえず玉座に近寄って見る。椅子の背もたれ部分が非常に大きいな。天井に届きそうだ。

 よし、とりあえず座ってみよう。


 体を丸め、無理矢理椅子に座ってみる。これで足が組めたらなぁ。今はこんな事をしている場合ではない。


 と、その瞬間だった。


 足下の床が開き、俺は椅子ごと落下する。

「主殿!」

 ミカンの叫び声が聞こえる。どうする? とりあえず《魔法糸》で……。


 しかし、落下はすぐに止まった。


 下の隠し部屋に移動した――のか?


 小さな狭い部屋の中には無数のキーボードのような四角いボタンが並んでおり、その上の空間に見たことのない文字が次々と浮かび上がっていた。


 《異能言語理解》スキルが浮かび上がっている文字に字幕を入れてくれる。えーっと、何々?


 エラー、エラー、

 環境に異常あり、

 エラー、エラー、

 システムをリセットしてください、


 かな?


 同じ文字を繰り返しているけどさ。どういうことだ? 環境って、外の吹雪のこと? システムをリセットって言われてもさ、これをどうしたら良いのか、分からないなぁ。


 無数に並んでいる四角いボタンが怪しいってのは分かるけどさ、下手に触って大変なことが起きたらって思うと……。でも、このまま、ここに閉じ込められたままってのも考え物だしさ。


 うーむ。


 とりあえず、他の場所を探索して、どうしようもなくなったら、このボタン類を適当に押してみるか!


 よし、まずは探索だな。


 で、これ、どうやって上の部屋に戻るんでしょうか?

2021年5月10日修正

その置くに巨大な → その奥に巨大な

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