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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
61/999

2-53 凱旋

-1-


 スイロウの里に戻ってきた。

 俺たちはそのまま冒険者ギルドへ。

「おいおい、まさか」

 眼帯のおっさんが俺たちを見て驚いている。そうだぜ、討伐完了だぜ。

「うむ。ジジジ、彼らへの報酬を用意したい」

 ソード・アハトさんと眼帯のおっさんが会話している。その間にグレイさんのパーティが冒険者ギルドのカウンターに盗品を並べていく。


 うん、俺、何も手伝うことが無い。


 まぁ、のんびりと待ちますか。


 ソード・アハトさんとの会話が終わった眼帯のおっさんが俺たちを呼ぶ。

「まずは今回の報酬だ、ステータスプレートを出しな」

 グレイさんのパーティが先に、その後が俺の番だ。ステータスプレート(銅)を眼帯のおっさんに渡す。眼帯のおっさんが手の平をステータスプレート(銅)の上にかざす。

「よし出来たぜ。それと、これも受け取りな」

 そう言って眼帯のおっさんはカウンターに金貨を置いていく……そのまま金貨を置くとか不用心だよなぁ。


 今回の報酬は、俺が655360円(金貨2枚)、グレイさん達が983040円(金貨3枚)だった。……実に大金である。更にステータスプレート(銅)を見るとGPが400も増えていた。

 これ、ランクアップ出来るじゃん。この数なら一気に二つくらいあげられるんじゃね?

「後、持ってきた盗品等だがな、鑑定に2日貰うからな。2日後にきな」

 俺たちは頷く。

「ジジジ、では他の冒険者にも報酬を頼むぞ」

 眼帯のおっさんがソード・アハトさんのその言葉に手を上げて応える。

「うむ。では、ラン、グレイ達、また縁があれば会おうぞ」

『いずれ大陸に行く予定だ。その時はよろしく頼む』

 俺も手を上げて答える。

「うむ」

 そう言ってソード・アハトさん達は帰って行った。大陸かぁ、必ず行かないとな。


「俺たちもモクロウの里に帰るな。まだあっちのクエストも途中だったしなぁ。おっちゃん、報酬はギルドで預かっといてくれ」

「ああ、必ず受け取りに来い」

「じゃあ、俺たちも行くよ。ランさん、またなー」

 グレイさん達のパーティも帰って行った。にしても、あの仮面はなんだったんだ。中二病ですかね。グレイさん、二十歳過ぎて中二病すか?


 さてとそれじゃあ、どうすっかなー。


 俺がどうするか悩んでいると眼帯のおっさんが話しかけてきた。

「ランよ、ランクアップ試験は受けねぇのか?」

 うん? 試験? ポイントが貯まったら勝手にランクが上がるわけじゃ無いのか。そういえば確かに数値は490/100になっているな。

『ふむ。どんな試験なのだ?』

「Fランク承認試験はネズミの巣のボス討伐だな。基本はパーティでこなす試験だが、今のお前ならソロでも大丈夫だろ」

 所詮Fランク承認試験だしなぁ。EやFの魔獣とも世界樹の迷宮で戦っているし、余裕そうだなぁ。

「推奨はレベル5の冒険者4人のパーティってとこだがな」

 うん? 今の俺のレベルより高いぞ。しかも、それが4人?

『ちなみに場所は?』

「ああ、ここから北西に行くと入り江にぶち当たるから、そのまま入り江沿いに北に行くと奴らの巣が見えてくるぜ」

 入り江ってことは海があるのか。いやまぁ、さすがに異世界でも海くらいはあるだろうけどさ。

「そこにいるボスの名前はミーティアラット、角無しで片耳が丸いから、すぐに分かるはずだぜ」

 ふむふむ。というか、こっちだとネズミは角有りが普通なのか。

『分かった。試験を受けよう』

「じゃあ、ステータスプレートを出しな」

 俺は眼帯のおっさんにステータスプレート(銅)を渡す。眼帯のおっさんがステータスプレート(銅)に手をかざす。これ、手の下にある金属プレートから何かを読み込ませているんだろうなぁ。

「確かに受領した。期間は明日から一週間だ。期間を過ぎても達成出来なかったときはまたGPを100貰うからな」

 うん? 俺は自分のステータスプレート(銅)を見る。GPが390/100に減っていた。うお、100って試験を受けるのに必要なポイントなのかよ。試験に落ちたら、また100消費されるってか。これは必ず一発合格したいな……。

『分かった。では』


 さ、今日はもう帰って寝るか。今日はもう夜も遅いし、お店とかは明日だな。




―2―


 翌日。


 俺は朝一でホワイトさんの鍛冶屋に来ていた。

『来たぞ』

「はえぇよ、……いらっしゃいませー」

 少し眠そうな犬頭のホワイトさんである。

「で、こんな朝からどうしたよぉ」

『うむ。鉄の槍が壊れたのだ。後は作成依頼をしている槍の残金の支払いに、な』

 俺の言葉にホワイトさんは口を大きく開け、何かを言いかけ止めた。牙が見えてますよ。

「……はぁ。まぁ、お前については何も言わねえよ。槍の方はもう少しで完成だ。後、二日ってとこだな」

 うーん、まだかかるのか。本当に、真面目に作ってる? ま、とりあえず残金の金貨1枚を渡す。

「まいど。で、普通の槍は買うのか?」

『ああ、一本だけ貰おう』

 矢筒に7本分ほど余裕が出来たが、鉄の矢は買わないことにする。とりあえず火の矢を4本買う予定だ。


 その後、クノエさんの魔法具店で予定の通り火の矢を4本購入。まぁ、クノエ魔法具店は今日も座敷童のような干物お婆ちゃんしか最初は居なかったわけですが。おばあちゃんの相手を適当にしながら待っているとクノエさんが帰ってきてくれたので助かった。

 

 これで鉄の矢23本、爆裂の矢2本、火の矢4本の計29本である。


 残金は銅貨3枚と潰銭76枚の2528円である。一気に貧乏だ。お金があればあるだけ使ってしまうのは悪い癖だと思うんだが、なかなか治せない物だな。


 そのまま里の中をぶらぶらとしていた。冒険にも出ず、ゆっくりしたのは久しぶりである。

 いやね、たまには里の中も探索しようと思ったわけですよ。どうしても里の中の行く場所が限られているから他に何があるか分からないしね。


 で、今回の里の探索で発見したのは……食堂である。


 あるじゃん、飲食店ッ!! 残金が乏しかったので今回、食事はしなかったのだがレパートリーの少ない宿よりはかなり美味しそうだった。ログハウス風の建物の中はなかなかにお洒落な感じで夜は酒場にもなるそうだ。へぇ、へぇ、へぇ。次からご飯はここにしよう。もうね、正直、スープは飽きたんだ。


 そして、そんなことをしている内に二日経ち、まずはホワイトさんの鍛冶屋に向かった。


 そこには完成された一本の赤い槍があった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 結局弱体化したまま一章終了、引き伸ばしかぁ 魔法全然使わない(使えない)から、 ☓ 氷嵐の主 ○ 氷嵐の主(笑) になってて名前詐欺状態だね
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