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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
7  二つの塔攻略
608/999

7-41 競売の目録です

―1―


「こちらが本日の競売に出品される品の目録になりーます」

 翌日になり、ハルマが目録を持ってきてくれる。


 ファリンがハルマから目録を受け取る。

「昨日もお話しましたよーに、3点しか購入できませんから、よーく考えてお願いしーます」

 あ、目録って全部ではなく、本日分だけなのか。えーっと、ちょっと、困ったなぁ。となると今日、出品されたものが魅力的だなぁっと思って3点全て買ってしまうと、後で妖精の鐘やエリクサーが出品された時に買えなくなる、と。


 むむむ、困った。


 まぁ、目録を見てから考えるか。


 並んでいる目録を見ていく。結構、数があるな。30品目くらいか? まぁ、一日かけて競売するんだもんな。


 えーっと、何々。


「ノアルジー商会として出品した魔断の斧も本日並ぶようですね」

 何だよ、斧なんて作っていたのかよ。

「フルールの自信作ですわぁ」

「でも、帝都では、誰も使う人、買い手がつかなかったのですよね」

 胸をはって自信満々なフルールにファリンが突っ込んでいた。そりゃあ、斧だもんな。どこぞの斧好きなクランでもなければ、買い手なんてつかないと思うぞ。


 魔断の斧は金貨6枚からスタートなんだ。えーっと、これ、200万円近いのか? ちょっとびっくりなんですけど。


 ん?


 そういえば、目録には、商品名とその商品の簡単な紹介、それにスタートの枚数は書いてあるけどさ、どこの商会の出品とかは載ってないんだな。


『どこが出品しているかは載せていないのだな?』

「ええ、特別な場合を除き、分からないようにしているのーです」

 ハルマが答えてくれる。何でだろう? 裏で談合とかしないようにするためか? それとも終わった後にいちゃもんを付けられないように、か? うーむ、色々な理由が考えられるが、よく分からないな。


 まぁ、そういうものだと思っておこう。


「ラン殿、これは……!?」

 フルールの後ろから目録を覗いていたミカンが大きな声を上げる。どうしたのミカンちゃん。


 ミカンが見ているのは……何々?


 (ほむら)の陣羽織? 金貨32枚スタート? 1,000万円もするじゃん! しかも、それ、スタート金額が、だよな? 他に欲しい人がいれば、どんどん金額は跳ね上がるよな?


 ミカンは物欲しそうに俺を見ている。いやいや、ミカンちゃん、まさか、俺に買ってくれって言わないよな?


『ミカン、これが欲しいのか?』

 俺の天啓にミカンが頷こうとして、それをぎりぎり止める。

「い、いや、気にしないで欲しい」

 まぁ、凄い欲しいんだろうな。

『ちなみにどういった物なのだ?』

「刃を通さなぬ強護な防護性能、そして何よりも火属性をほぼ無効化する侍憧れの羽織りなのだ。しかも着た者の攻撃を研ぎ澄ませてくれるらしいのだ」

 ほうほう。ゲーム的に言えば斬撃無効、火属性無効、攻撃強化って感じか。確かにそりゃあ、凄いな。異世界ならではの装備だ。金額がべらぼうに高いのも納得出来る一品だな。


 まぁ、でもさ、ミカンには悪いけど、今回は目的があって競売に来ているからな。それにミカンの手持ちでは買えないんだろう? ミカンの様子を見れば分かるもんな。


 まぁ、ここは我慢してくれ。


 さてと、改めて目録を見ていくか。


 ん?


『ハルマ殿、よろしいか?』

「はい、どうぞー」

 ハルマが俺の方を向く。


『この一品目なのだが』

「それは競売の定例行事といいますかー、出品しているのは私たちの国なのーです。買い手がつかないのがお約束なんでーすよ」

 買い手がつかないのがお約束か。


 一品目に書かれていたのは、


 『古代の鐘』


 という品だった。金額のスタートは3,200枚。つまり金額にして約10億。そりゃあ、誰も買うわけがない。


『これはどういった物なのだ?』

「よくわからないのーです。鑑定が出来ないのでよく分からないのーです。無異(ユニーク)品なのは間違いないので、そのお値段なのーです」

 なるほど。


 ……。


 これは来たんじゃないか。いきなり当たりを引いたんじゃないか? もしかして、もしかすると妖精の鐘なんじゃないか? しかし、10億か。10億円かぁ。ちょっと高すぎるよな。


 ここは怪盗みたいに盗みに入るか!? なーんてな。とりあえずファリンに聞いてみるか。

『ファリン、用意した金貨の枚数はどれくらいだろうか?』

「ランさま、ユエさまから預かっているのは800枚ほどになります」

 ふぁ!?


 ちょっと待て、ちょっと待て。今、何て言った? 800枚!? 何処にそんだけの枚数を持っているんだよ! そうか、魔法の袋か。それを財布代わりにしているんだな。にしても800枚か。金額としては大きいけど、全然、足りないな。


「ランさま、もしかして、それが必要な品だったのでしょうか?」

 必要な品かどうかは分からないけど、その可能性はあるんだよなぁ。

「申し訳ありません。まさか金貨しか使えないとは思わず白金貨を多めに持ってきてしまいました」

 大柄なファリンが頭を下げて謝っている。うん? ちょっと待って。今、何て言った? 白金貨を多めに? 白金貨って金貨8枚で1枚だよな? 金貨800枚よりもそれの8倍の価値がある白金貨を多く持ってきている、と。おいおい、どんだけお金を持ってきているんだよッ!


 えーっと、俺、知らなかったんだけど、ノアルジー商会って凄い儲かっているのか? いつの間にか凄い資産になっているのか……?


 落札されないお約束品ということは、多分、3,200枚――その枚数で即決出来るって事だよな?


『ハルマ殿、白金貨の両替は出来ないだろうか?』

 俺の天啓にハルマは首を横に振る。

「無理ーです」

 くそ、目の前に見えているかもしれないのに、何てことだ。


「ですが……」

 ですが?

「他の商会と交渉すれば、手数料は取られても出来るーかもです」

 その手があったかッ!


『ファリン』

 俺の天啓にファリンが頷いた。よし、これで、もしかしたら、もしかして、一発目でお目当ての品が手に入るかもしれないぞッ!

申し訳ありません。手が腫れてしまい、文章を書くのが難しい状況です。

出来る限り頑張りますが、もしかすると文章量が減るかもしれません。

よろしくお願いします。

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