らすとえんぷれす1
「長旅で疲れたでしょう。湯浴みをして疲れを落として下さい」
「彼は……」
しかし、全てを言い終える前に、物言わぬ機械人形に着ていた服を剥ぎ取られ、湯の中へと沈められる。
「ええ、ええ。気になりますでしょうね。ふふふ」
機械人形に体を洗われ、そのまま見たこともない素材の服を着せられる。
「ふふふ、さすがにナンバーズには劣りますが、ここに残った人形達も中々のものでしょう?」
「ナンバーズ? それよりも……」
「ふふふ、私たちは、約束は守ります。さすがは姫さまが認められた方ですね、まさか依り代が壊されるとは思いませんでしたよ」
「それでは……」
「あそこには厄介な魔女が居ましたからね、かなりの数の戦力を陽動に使ったのに、あんな伏兵がいるなんてね、ふふふ。ええ、ええ。もちろん無事でしょうね」
「わかりました……」
「ふふふ、それでは、どうぞ、こちらへ。あなたを皆に紹介しないとダメですからね」
通された先はバルコニーになっていた。そして、その下には蠢く無数の異形達。
「さあ、姫さまの姿を皆が待っています」
半分だけ人の姿を残した者、殻に覆われた腕を持つ者、体中から尻尾を生やし地に伏せ蠢く者、者、者、者……全てが異質だった。
「皆、姫さまの姿を見るために動けぬ体を押して集まっているのですよ」
「これは、まるで魔獣……」
「ふふふ、驚きましたか。姫さまと一緒に居た人モドキの方が余程人らしい姿をしているのですからね」
「でも、あなたの姿は……?」
「この姿は人形を核として作った物ですからね。ふふふ、本当の私は、もっと醜く、恐ろしい姿ですよ」
「どうして……?」
「悪魔と対抗するために、その悪魔と同じ力を手にした者、悪魔によっていじられ、姿を変えられた者、その子孫が私たちですよ」
「悪魔……?」
「ええ。ふふふ、姫さまには、これから真実の歴史を知って貰いますよ」
「真実……?」
「ふふふ」




