表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
6  空中庭園攻略
562/999

空中庭園攻略編エピローグ

――エピローグ――



 俺が俺を見ていた。


 ん?


 何だろう、視界だけが空に浮き、転がっている俺の体を見ているようだ。


 幽体離脱?


 神の視点?


 よく分からない。


 周囲を見回す。


 姫さまたちの戦いは終わりそうだ。やはり魔石を暴走させた女神騎士長を真紅妃が押さえ込み、14型が拳で魔石への道をうち貫き、そこを姫さまの光の刃が走る。筋肉は気絶して転がっていた。


 俺は動力室の外へと視界を移す。


 シリアの戦いも終わりそうだ。羽虎と化したエミリオが光のブレスで巨人を押さえ込んでいる。多分、シリアが騎士たちを弱らせていたのだろう。シリアが槍を杖代わりにエミリオに寄り添っていた。


 外では赤騎士と青騎士が剣を片手に背中合わせに座っていた。そして、その周囲には倒れ伏した騎士たちと、それを見て悔しそうに地団駄を踏んでいる第一王子がいた。


 制御室へと視線を動かす。


 制御室では魔族のアオとソフィア、ステラ、シロネが向き合っていた。アオへと手を伸ばし、駆け出そうとしている紫炎の魔女を、シロネとステラの二人が押さえ込んでいた。

 それを見てアオが少し表情をこわばらせながらも無理矢理口の端を上げ、あざ笑っていた。


 制御室の中には、部屋の奥に大きな透明の筒、そして手前に壊れ崩れ落ちているスキルモノリスだったであろうもの、何かが乗っていたと思われる台座があった。あー、そういえば、この迷宮って攻略済みって言われていたな。


 うーむ。まさか、この迷宮の攻略者が紫炎の魔女で、その時に何かのスキルを手に入れたから、あれほどの力を得たとか? いや、無いか。


 シロネとステラが必死にソフィアを押さえ込んでいる中、アオが制御室にある透明な筒まで優雅に歩いて行く。そして、中へと手を入れ、大きな魔石を取り出す。


 そこへ紫炎の魔女が放った巨大な紫の光が炸裂する。


 しかし、その時にはアオは制御室の外へと逃げ出していた。時を止めて逃げたのか?


 にしてもシロネとステラ、何をやっているんだ? 操られているって感じじゃなかったからさ、何かソフィアを止めないと不味いことがあったのか? ソフィアは周りのことを何も考えない節があるからなぁ。


 そのまま俺は視界を迷宮の外へと上げる。


 首都ミストアバンが――浮遊島が浮力を失い、ゆっくりと高度を落としていた。まさか、アオが筒に入っていた大きな魔石を抜いたからか?


 下は海だから、さすがにそこまで酷いことにはならないと思うが、質量が質量だからな。


 浮遊島は海へと着水し、大きな水しぶきを立てる。そして動きを止めた。普通に島になったな。何だろう、もっとこう、うん、なんというか思っていたよりもスムーズな着水だな。何か不思議な力でも働いたのだろうか?


 そこで俺は何者かの視線を感じた。


 俺以外に誰か見ている者が居る?


 誰だ?


 何を見ている?


 そして、俺はそこで完全に意識を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ