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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
54/999

2-47 世界樹下層

-1-


 世界樹の転送装置から上層前に転送する。うーむ、やっぱり便利だな。


 緩やかな上り坂を登ると、またも大きく開けた部屋に出た。下層と同じように壁沿いに螺旋を描いた坂があり、中央は吹き抜けになっていた。そしてその吹き抜け部分には天井が見えないような上空から大きな蜂の巣が伸びてぶら下がっていた。


 大きな蜂の巣の前には1メートルサイズの杖を持った巨大な蜂が居り、それを護衛するようにその半分くらいのサイズの槍や剣を持った複数の蜂が居た。2、30は居る……いきなりハードルが高いなぁ。


 手前のが『ソルジャー・ビー』に『エリート・ビー』で奥に居る偉そうなのが『クィーン・ビー』か。にしても武器を持つとか卑怯だろ。


 蜂どもがこちらに気付いたのか、こちらへと飛んでくる。更に女王は杖掲げ、杖から緑の光線を飛ばしてくる。光線は距離があることもあり余裕で回避することが出来た。速度はそこそこだが、なぎ払ったり連続で出したりは出来ないようだ。距離を取れば楽勝で勝てそうだな。

 が、緑の光線を回避している内に大量の蜂に襲われる。近寄られる前に、と放った鉄の矢はエリートが手に持った剣にあっさりと弾かれた。ちょ、これは無理無理。


 俺は一時撤退を決める。このままだと数の暴力で殺されてしまう。


 俺が後退すると何匹かの『ソルジャー・ビー』が追ってきた。移動速度はこちらの方が若干速い。俺がどんどん後退していると追ってくる『ソルジャー・ビー』の数は減り、ついに2匹までに減った。余りにも下がりすぎたからか、後方にはアッヒルデという線が見えていた。これ以上後退し続けるとアッヒルデに襲われかねないか……よし、覚悟を決めよう。

 俺は右手に鉄の槍を、そしてサイドアーム・ナラカにも鉄の槍を持たせ構える。


 ソルジャー・ビーの一匹が手に持った槍をこちらに突き刺してくる。


――<払い突き>――


 突き出された槍を打ち払いそのまま一回転、鉄の槍が目の前のソルジャー・ビーに刺さる。

 そこを狙ったかのようにもう一匹のソルジャー・ビーが突きを繰り出してくる。それをサイドアーム・ナラカに持たせた鉄の槍で打ち払う。さすがにスキルは連続で使用出来ないか。使ったばかりの<払い突き>はリキャスト中。


――<スパイラルチャージ>――


 払い突きを喰らいふらついていたソルジャー・ビーに螺旋を描く槍が突き刺さる。そのままソルジャー・ビーを抉り殺す。よし、一匹。


――[ウォーター・ボール]――


 俺はそのまま水の球を浮かべもう一匹にぶつける。水の球をぶつけられたソルジャー・ビーがぼとりと地面に落ちる。この水の球、動きは余り速くないが若干の誘導性能があるのか、非常に命中精度が高い。

 よし、キャリア・ビーの時にもしやと思ったけど予想通り。こいつら、水が当たると羽が濡れて、一瞬だが飛べなくなるようだ。ダメージを与えている様子もないし、一瞬地面に落とすくらいだが、それで充分ッ!

 落ちたソルジャー・ビーを鉄の槍で突き刺す。飛び上がって逃げようとしたところを突き刺し落とす。何度か繰り返すとソルジャー・ビーは動かなくなった。なんだろう、モグラ叩きでもやっている気分だな。

 とりあえず魔石を取り出して――俺は切断のナイフの上質な切れ味に感動する。すいすい切れるッ! 前回は結局、その切れ味を試せなかったもんなぁ。

 ソルジャー・ビーの持っていた小さな槍は矢として流用出来そうだった。よし、これチャージアロー用の使い捨ての矢として持っていこう。


 上層に戻り、弓を構える。ソルジャー・ビーの槍を矢として番えスキルを発動させる。


――<チャージアロー>――


 力を溜める。どんどん光が矢に溜まっていく。が、こちらに気付いたクィーン・ビー達が攻撃を仕掛けてくる。緑の光線を回避し(溜めながら動けるか不安だったが、ゆっくりとした動作なら可能だった)溜め続ける。まだソルジャー達との距離はある。


 最大限まで溜めて矢を放つ。矢がソルジャー達を貫通する。が、クィーンの前を飛ぶエリートの剣によって弾き返された。うーむ、何匹かの体を貫通しているというのにソルジャーは一匹も倒せていなかった。

 そのまま先程と同じように後退する。追ってきた蜂のみを倒し、槍を手に入れ、溜めては放ちを繰り返す。地道に数を減らすしかない。


 そして大量に居た蜂はクィーンとそれを守るエリートの三匹のみになった。エリートはクィーンを守るように浮かび、その場から動かない。ふむ……近寄らなければ攻撃されないか。となるとクィーンの光線だけが脅威ってことか。そしてクィーンの光線を回避するのはそれほど難しくはない。これは勝ったかな。


 俺は鉄の矢を取り出し、クィーンへと放つ。鉄の矢はエリートの持った剣によって弾き飛ばされた。むぅ。

 次に火の矢を取り出し番える。


――<チャージアロー>――


 火の矢が紫色に輝いていく。クィーンの緑の光線を回避しながら最大まで溜める。そして放つ。

 先程と同じようにエリートが立ちふさがるが、エリートはチャージされた火の矢を防ぎきることが出来ず、剣を弾かれ、大きく紫色に輝く矢に体を貫かれた。そのまま後ろのクィーンも貫き、蜂の巣に刺さる。この一撃でエリートの一匹を倒すことが出来、更にクィーンも苦しそうに呻いている、が、まだまだ死にそうにはない。うーん、さすがにクィーンだけあって固いか。


 次は鉄の矢で試してみるか。緑の光線から逃げ回り、スキルが使えるようになるのを待つ。

 よし、行けそうだ。


――<チャージアロー>――


 最大限まで溜めて矢を放つ。残った2匹の内、一匹が先程と同じようにクィーンの前面に立ち、手に持った剣で矢を弾こうとする。しかし光り輝く矢の威力を殺しきれず剣を弾かれ体に矢を受ける。貫通はしないか。

 剣を弾かれふらついているエリートを見て、このまま接近して攻撃をしたくなる――が、我慢する。行けそうだって思っての接近戦って死亡フラグだよなぁ。矢で安全に狩れそうなんだ、無理をすることは無い。時間をかけても誰かに怒られることはない。これは現実なんだ、焦ったり、時間短縮や効率を求めたりして死んでしまったら元も子もない。まだ鉄の矢は残っているんだ。つまらなかろうが安全確実に狩ろう。


――<チャージアロー>――


 先程防いだエリートがしびれから立ち直ったのか、同じように剣で矢を防ごうとする。が、同じように剣を弾かれその身に矢を受ける。そして、そのまま地面に落ちた。良し、エリートは後1匹。

 後は同じ事を繰り返すだけだ。チャージアローが再使用出来るようになるまで頑張って光線を回避し、使えるようになったら溜めて放つだけ。

 最後のエリートを倒した後は早かった。溜めた矢を6本放ったところでクィーンも力尽きた。ソルジャーもエリートも体力が少なめで良かったぁ。更にソルジャーの槍が矢として使えたのも助かったな。矢切れで近接戦闘を選んでいたら……どうだったんだろうなぁ。意外と接近戦に弱かったって可能性もあるけど、危険は犯すべきじゃ無いな。これで矢は後2本。鉄の矢1本に火の矢1本である。


 うーん、一度戻って補充したいところだなぁ。勝つためとはいえ鉄の矢を贅沢に使い捨ててしまった。これで元が取れなかったら……蜂の素材が高く売れることを祈るしか無いな。


 さあ、螺旋の坂を登っていきますか。後の魔獣はジャイアントクロウラーとウッドゴーレムか。

3月19日修正


鉢→蜂


3月20日修正


はあっさり手に持った剣→はエリートが手に持った剣にあっさりと


未だ<払い突き>は→使ったばかりの<払い突き>は

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