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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
6  空中庭園攻略
488/999

6-28 砂漠の骨の竜

―1―


――《飛翔》――


 《飛翔》スキルを使い、からっからっの砂漠を飛んでいく。まずはオアシスに向かわないとな。

 今回はジョアンに速度を合わせる必要が無いから、サクッとオアシスに到着しそうだな。と言っても今日中にオアシス入りは無理そうだけどね。オアシスの《転移》チェックを消してなければなぁ。まぁ、あれは迷宮都市に使ったから仕方ない。

 と言うわけで、到着したら《転移チェック7》と《転移チェック8》の出番だぜー。《転移》スキルがチェック出来るのは8ヶ所までだからな。ちゃんと考えて使わないと……。至る所にチェックが出来たら便利だったんだけどなぁ。


 燦々と陽射しが降り注ぎ、からっからっの砂漠を何度か休憩しながら飛び続けると巨大な骨が見えてきた。沈み駆けている太陽に反射して骨がキラキラと輝いている。えーっと、何の骨だ?

 前回は無かったよな?


 この1年の間に作られたんだろうか? それとも前回とルートが違うからか?


 今は急ぐ旅でも無いし、ちょっと調べてみるかな。


 何だろうな、竜とか恐竜とかの骨みたいだな。お? 背中に何か刺さっている。コレが致命傷になったのかな? ちょっと近寄って見てみよう。


 半分ほど砂に埋まった巨大な骨の背骨部分に錆びてボロボロになった刀? のような物が刺さっていた。


 よし、引き抜く前に鑑定だ。


【ブレイブソウル】

【日の力を宿した刀が錆びてボロボロになった姿】


 へぇ、日の力……ねぇ。にしてもさ、刀、か。この世界ってさ、猫人族の里と化しているフウキョウの里もそうだけどさ、何故か和風な物が存在しているよなぁ。俺よりも前にこの世界に来ていた人が居るとか、なのかなぁ。

 ま、錆びているけどゲットしておきますか。後でフルールに頼んで修復してもらうかな。ま、無理そうならインゴットに変えよう。


 背骨に乗っかり、サイドアーム・ナラカで錆びてボロボロの刀を引き抜く。錆びているけど、折れたりはしていないな。磨いてボロボロになっている部分を修復したら何とかなりそうだ。


 と、そこで足下の骨が動き出した。へ? ま、ま、まさか、刀を抜いたから生き返った?


 足下の骨を見ると頭部分から魔獣という線が伸びていた。いやいや、マジで生き返りやがった。これは刀を引き抜くと襲いかかって来るとか、そういうトラップなのか?


 さあ、どうする、どうする?


 ……。


 よし、戦うか。ま、無理そうなら《転移》で逃げればいいからね。気楽、気楽。




―2―


 動き始めた竜の骨から飛び降りる。《軽業》スキルがあるから、これくらい楽勝、楽勝。ぴょーんとな。

 まずは魔法を撃ち込んでみるか。先程、手に入れた刀を魔法のウェストポーチにしまう。


――《スイッチ2》――


 《スイッチ》スキルを使い水天一碧の弓をサイドアーム・ナラカに持たせる。よし、これで氷の魔法も使えるな。


――[アイスランス]――


 俺は枝のように尖った氷の槍を生み出す。と、そこで変化が現れた。俺が生み出した氷の槍を追いかけるように、もう一つの氷の槍が生まれる。へ? 二重で発動した? あ、ああ! これが例の《二重》スキルの効果か。いや、でも、アクアポンドの魔法を使った時は発動しなかったぞ? 攻撃魔法限定とか、そんな感じなのか? いやいや、でもさ、攻撃魔法とそれ以外ってどういうくくりで別けているんだよ。一見、生活に使うように見える魔法でも発想を変えれば攻撃魔法として使える場合もあるかもしれないじゃん。


 ……ま、余り難しく考えず発動するモノとしないモノがあるって覚えておけばいいか。


 氷の槍が巨大な竜の骨を貫き、骨がその巨体を振るわせる。お、効いてる、効いてる。ガンガン連打するか?

 と、そこで視界一杯に赤い線が走った。見ると巨大な竜の骨の口に黒い靄が集まっていた。ま、まさか、ブレス攻撃?

 竜の骨の口から黒い閃光が放出される。


――《飛翔撃》――


 サイドアーム・アマラに持たせた真紅妃とともに空中高くへと飛び上がり、そのままブレスを回避する。そこから、のッ!

 輝く真紅妃とともに骨竜の額へと突っ込む。額に真紅妃を打ち付け、抉り、削り、そして額を蹴って後ろへ跳ぶ。そして、そのまま俺は砂漠の砂に着地する。竜の骨が頭を大きく後方へと仰け反らす。効いてる、効いてる。

 最初は大きくて危険かと思ったけど、楽勝じゃん。


 じゃ、終わりにしますかッ!


――[アイスストーム]――


 二つの氷の嵐がぶつかり合い、竜の骨を斬り刻んでいく。骨が、砕け、粉々になり、氷の嵐と混ざり合っていく。って、見ている場合か。


――《飛翔》――


 《飛翔》スキルを使い、氷の嵐から逃げていく。


 やがて氷の嵐が止み、そこには骨の破片と砕け散った魔石が残っていた。迷宮の中とかだと使う場所が限られるアイスストームの魔法も外なら使い放題だもんね。にしても、ここから再生するとかは無いのか。アンデッドと言ったら再生能力って感じなのにさ。まぁ、魔石が砕けたから、再生しないのかもしれんな。砕けた魔石が残っているのは、俺との距離があるから、俺に吸収されなかった、って感じなのかな。

 って、あれ?


 砕けた魔石や骨の破片と一緒に何か、金属の塊みたいなのが残っているぞ。何だろう?


【千年結晶】

【竜骨が千年の時を経て結晶化した物】


 これも鉱石の一種なのか? にしても、千年の時を経てって、この竜の骨、千年もここにあったのか? うーん。他にも砂漠を横断している人たちはいるだろうに、俺以外の他の誰にも見つけられなかったのか? それとも見つけた人たちは、この竜の骨に殺されたんだろうか? いや、でもさ、凄い弱かったよ、楽勝だったよ。


 も、もしかして、俺は強くなりすぎてしまったのか……。そうか、その可能性もあるな、あるよな。


 まぁ、良くわかんないけど錆びてボロボロの刀と結晶をゲットだね。わぁい、戦利品だ。


 ……。


 今日はもう帰るか。ま、このペースなら明日にはオアシスに到着出来そうだしな。


――《転移チェック7》――


 さあて、転移のチェックもしたし、帰りますか。もうそろそろ砂漠が凍り始めてもおかしくないからな。


――《転移》――

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