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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
6  空中庭園攻略
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さんだいめのおはなし

「行くのか?」

 2人は親友だった。


「俺は、俺たちは、お前の考えにはついて行けない」

 仲間だった。


「しかし、これしか、これしかもう方法は残されていない」

 助けて欲しかった。


「人を止めてまで、アイツと同じになってまで、そこまでして、どうする!」

 理解して欲しかった。


「先代が紡いできた思いを終わらせるわけにはいかない」

 犠牲になるのは自分だけのつもりだった。


「確かに、あの人形たちが、あの悪魔の作った人モドキが、俺たち人の代わりとして生きていくような世の中は見たくない」

 だから一緒に歩んで欲しかった。


「僕はもう決めたんだ」

 引き返すことは出来なかった。


「分かった、俺は、もう止めないからな」

 それでも賛同して残ってくれた人たちが居た。


「ああ。僕たちの国を――いや、人の世界を終わらせるわけにはいかない」

 繰り返される実験。


「そうだな」

 消えていく命。


「僕は、僕のやり方で、あの悪魔を止める。お前は、お前たちは人として生き延びてくれ」

 人としての生。


「分かった。ここで道は別れた」

 化け物としての生。


「ああ」

 終わりなき戦いの始まり。


「俺は俺たちのやり方で、人として、人のままで抵抗を続ける」

 力なき者は淘汰されていく。



「そう、これはそんな物語なんだよ。お涙頂戴だよね。哀しいよね。でもね、糞虫がどれだけ頑張っても届かない。全てが無駄に終わる物語なんだよ。うん、物語はいいね、最高だよ。まぁ、それでも頑張れるだけ、頑張って、無駄を無駄と知って、絶望して、嘆きながら後悔していけばいいよ。そう私は殺さない。人は殺さない。人は全て、永遠に生かす。でもね、私に逆らった罰は必要だよね。ああ、早くここまで来ないかな。楽しみで、楽しくて、楽しみで、それだけで心が溢れそうだ。こぼれ落ちそうだよ。全てが思い通りに、私が中心の世界で、私のみが世界の法則で、逆らう者が居ない世界で、そんな中で私に届きそうな者達。それでも決して届かない者達。何時までも、何時までも同じところを回り続けて、理解出来なくて、絶望して、ああ、楽しみだよ。沢山、準備をしたからね、簡単には終わらせないからね。さあ、未来が変わらないことを嘆くといいよ」

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