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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
46/999

2-39 世界樹下層

-1-


 翌日。朝一からの出発です。


 とりあえず露店から皮の背負い袋を銀貨2枚で購入。ついでにグリーンヴァイパーの素焼きをお弁当代わりに購入。何か良くわからない葉っぱに包んで貰う。2個で銅貨1枚です。

 そのまま服飾店により麻のベストを受け取る。


 ――これで全てを失う前に近づいたんじゃないだろうか。


 ショルダーバッグ、皮の背負い袋、魔法のポーチS(1)、鉄の槍、麻のベスト、麻のマント、コンポジットボウ、鉄の矢筒、鉄の矢16本、竹筒8個……か。


 さあ、準備も出来たし世界樹に向かいますか。


 里の外に出た後は木々を魔法糸で飛び回りサクサクッと世界樹へ。うーん、この移動方法は便利ですな。ホント、某蜘蛛の人になった気分が味わえます。


 さあ、世界樹だ。


 樹の中を歩いて行くとすぐに見えてくるヴァインという線。はいはい雑魚雑魚。

 コンポジットボウに矢をつがえ放つ。勢いよく放たれた矢がヴァインの中央、キャベツの塊を貫く。キャベツはそのまま萎れる。楽勝楽勝。

 サクサクッと魔石と種子を取り出す。


 さあ、がんがん進もう。


 数匹のヴァインを狩りながら坂を登っていくと開けた場所に出る。そのまま壁伝いにある大きな螺旋状の坂を登っていく。

 ここまでが前回の到達点ですな。


 吹き抜けの坂を登っていくと前回と同じように上からキノコが降ってくる。苦悶を浮かべた表情からは胞子の粉が吹き出ていた。


 ……前回、矢の数が足りなくて苦戦したので、今回は槍で戦ってみる。久方ぶりの槍です。


――<スパイラルチャージ>――


 槍がうなりをあげ螺旋を描き、マイコニドの顔(にみえる部分)を貫く。その衝撃を受け、大量に吹き出す胞子の粉。槍で貫くために接近していた俺は吹き出した胞子の粉を浴びてしまう。


 げほ、げほ。何だコレ。


 視界が定まらなくなる。左3個の視界がおかしい。ぐるぐる回っている。叡智のモノクルが装着された右側の視界は正常なままである。

 足下もふらつく。まっすぐ歩けない。……って、この距離はヤバイ。

 ふらつく足を押さえ、ゆっくりと後退する。それに合わせてマイコニドもゆっくりだが前進する。

 少し離れているが、更にもう一匹のマイコニドが降ってくる。う、この状況で2体目か。


――<魔法糸>――


 俺は後方に魔法糸を飛ばし、そのまま跳躍。マイコニドから大きく距離を取る。


 すぐにコンポジットボウに矢をつがえ放つ。動きの鈍いマイコニドは矢を回避することも出来ず、そのまま突き刺さる。矢が刺さったマイコニドはぐらつき、頭を振る。それに合わせ沢山の胞子の粉が吹き出す。……この距離なら胞子を浴びる心配もない。


 もう一射。矢が刺さる。「ぐぼう」というマイコニドの叫び。更にもう一射。命中。矢の勢いに押され、そのまま後ろに倒れ込む。

 最初のマイコニドは動きを止めた。よし、後1匹。


 2匹目との距離はまだまだ充分にある。矢を放つ。


 1発目……、2発目……、3、4、5発目……ついにマイコニドが倒れ込む。


 うーん、コンポジットボウと鉄の矢だと5発ってとこか。最初が3発で倒せたので、スパイラルチャージの威力が鉄の矢2本分ってとこか。


 鉄の矢を回収する。その頃には足のふらつきも視界の異常も治っていた。


 にしても、動きの鈍いマイコニドは鉄の槍で戦った方が楽勝かと思ったんですが、胞子が危険過ぎる。近接殺しだなぁ。こいつこそ、矢で戦うべき相手だな。次からケチらずに鉄の矢で狩猟することにしよう。

 忘れずに魔石と金色の粘液の採取を行わないとな。


 予想していたとおり、金色の粘液を入れた竹筒と空っぽの竹筒は別アイテム扱いだった。魔法のポーチの中に一緒には入らない。仕方ないので空っぽの竹筒をショルダーバッグに移す。魔法のポーチは金色の粘液が入った竹筒専用です。


 そして少し早いが、このままご飯にすることにした。ショルダーバッグから葉っぱに包まれたグリーンヴァイパーの素焼きを取り出す。さあ、食べよう。もしゃもしゃ、うまうま。これで調味料関係が充実していたら最高なんだけどなぁ。今後、その辺を俺の現代知識を動員し、醤油や味噌や色々な調味料を開発して――チートをしないとなッ! 異世界チートの幕開けだぜー。なんて夢を妄想しながらもしゃもしゃとお肉を食べます。


 ……うーん、喉渇いた。うは、水袋がない。買ってなかったッ! ばっかじゃないの、俺、ばっかじゃないの。

 そうだ、今こそ、魔法だ! 今なら出来そうな気がする。いや、出来るはずだ。きっと出来る、やれば出来る。そう、こうやって追い込むためにわざと水袋を忘れたんだ。きっとそうだ。


 水、水、……水。イメージ、イメージ。空中に何かが圧縮していくような感覚。これは来たんじゃね。


――[ウォーターボール]――


 空中に水の球が浮かび上がる。……違うそうじゃない。

 とりあえず浮かんでいる水の球を飛ばしてみた。凄い勢いで飛んでいき、外壁に当たってはじけ飛んだ。……違うそうじゃない。

 これ、アイスボールの水版か……。見た感じだけはシロネさんの作った[サモンアクア]にそっくりだけどさ、どうみても攻撃魔法だよな、コレ。


――[ウォーターボール]――


 もう一度水の球を浮かべる。俺は浮かんだ水の球に顔を突っ込んでみた。


 水の球が弾け飛び、顔面に炸裂する。い、痛ぇ、超痛ぇ。ステータスプレート(銅)を確認してみる。SPが0に、HPが10も減っていた。ははは、笑えない。俺ってば、何やってんだ。

 いやまぁ、顔を突っ込んで水分補給が出来るんじゃないかなと思ったんだけどさ。


 て、あ……。


――[アクアポンド]――


 地面に水たまりを作る。よし、木の上だから発動しないかと思ったが、ちゃんと発動したな。水たまりの水をサイドアームナラカですくい口に含む。……うん、普通に飲める。って、最初からこうすれば良かったんだよなぁ。


 はぁ……そろそろ進むか。

 まだ天井は見えない。


 先は長そうだ。

3月13日修正


これ、アイスボールの水版か……。→の次に以下の文章を追加

見た感じだけはシロネさんの作った[サモンアクア]にそっくりだけどさ、


3月14日修正

どうでみても攻撃魔法だよな→どうみても攻撃魔法だよな

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