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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
5  名も無き王の墳墓攻略
446/999

5-140 名も無き王の墳墓8階層

―1―


 砕き、貫き、打ち砕く。


――《W百花繚乱》――


 真紅妃と真銀の槍から穂先も見えぬほどの高速の突きが放たれる。2つの槍が周囲の石人形を砕いていく。石が砕け、石華を散らしていく。しかし倒した側から次々と人型の石が地面から生まれていく。き、キリが無い?


「マスター、飛びます」

 14型が、高速の連続突きを放っていた俺を後ろから持ち上げる。そして、そのまま飛び上がる。目の前の石人形を蹴り飛ばし、そのまま大きく奥へと飛ぶ。いやいや、びっくりするんだけど。


 14型が、そのまま迷宮を駆けていく。は、はやい。ホント、何なのこの子、忍者みたいだ。


 しばらく駆けていると細い通路が見えてきた。墓地の終わりか。と、そこで14型が急に足を止める。そして、抱えていた俺を下ろす。

「マスター、来ます」


 狭い通路の、そのすぐ前から巨大な石の手が生まれる。そのまま巨大な手を伸ばし、墓石のような巨大な剣を手に石の巨人が生まれていく。通路が塞がれた形か。さあ、どうする、どうする。


 よしッ!


『14型、デカブツは任せた』

「お任せを」

 14型がスカートの裾を摘まみ優雅にお辞儀をし、そのまま篭手を胸元に構え、巨大な石人形に向き直る。

 俺は、14型と背中合わせに、迫る無数の石人形たちへ向き直る。さあ、14型が巨大な石人形を倒すまで、俺が防衛しないとな。14型の戦闘能力と俺の持ち技を考えたら、こういう配分になるよなぁ。


――[アイスウォール]――

――[アイスウォール]――

――[アイスウォール]――


 迫る石人形たちの前に氷の壁を張る。石人形たちが氷の壁に阻まれ、動きを止める。そのまま氷の壁を叩き始める。更に氷の壁の隙間を縫って石人形が現れる。狙い撃ちだぜ!


――[アイスランス]――


 俺の手から尖った木の枝のような氷の槍が生まれ、石人形を吹き飛ばす。ああ、俺の後ろでガキンガキンとよく分からない音が響いているな。14型、大丈夫かよ。


――[アイスランス]――


 更に氷の壁の隙間を縫って現れた石人形を吹き飛ばす。ま、俺の仕事は時間稼ぎだからな、このまま続けるぜ。


――[アイスランス]――


 もう一度、石人形を吹き飛ばす。と、そこで氷の壁が打ち砕かれた。氷の壁が煌めく粉となって霧散していく。そこから現れるのは武器を持った石人形たち。


――[ウォーターカッター]――


 俺の手から高圧縮された水のレーザーがほとばしる。このまま切断してやるぜ。


 しかし、1体の石盾を持った石人形が前に出て、俺の水のレーザーを防ぐ。へ? 簡単に防がれたんですけど……。って、惚けている場合か。


――《スパイラルチャージ》――


 俺は駆け、目の前の石人形に赤と紫の螺旋を纏った真紅妃を突き刺し、そのまま捻りえぐり取る。と、そこで右から赤い線が走る。俺はとっさに真紅妃を引き抜き、縦に構え、横から迫っていた石の剣を防ぐ。はん、俺の真紅妃の方が強いぜ。


 と、俺の横を石人形が抜けようとする。行かせるかよ。サイドアーム・ナラカに持たせた氷に覆われた真銀の槍を振り回し、石人形を吹き飛ばす。脆いぜッ!


 そのまま真紅妃を地面に突き刺し、その反動で高く飛び上がる。行くぜッ!


――《Wスピアバースト》――


 空中にて一回転、氷に覆われた真銀の槍と赤い真紅妃を下へと向ける。落下する、その勢いのまま2本の槍を地面に突き刺す。走る衝撃波。赤と青と紫、3色の衝撃波が周囲の石人形を吹き飛ばしていく。


――[アイスウォール]――

――[アイスウォール]――

――[アイスウォール]――


 再度、氷の壁を張る。さあ、コレで最初に戻る、だぜ。


 吹き飛ばされた石人形たちが、またも氷の壁を崩そうと攻撃を始める。うーん、こいつら余り賢くないのかな? それに、1体1体はそれほど強くないな。無限沸きぽいのと数が居るのがキツいくらいか。ま、どれだけ来ようと、ここから先は通さないぜーってね。


 と、そこで俺の背後で大きな破壊音が響き渡った。

「マスター、お待たせしました」

 14型の声とともに、目の前で氷の壁を壊そうと頑張っていた石人形たちの音が止まる。


 俺が振り返ると、胸元に大穴を開けた石巨人が石の剣を落とし、膝から崩れ落ちて行く所だった。無傷の14型がこちらへと優雅に歩いてくる。


「マスター、魔石です」

 14型から黒く輝く中サイズの魔石を受け取る。なるほど、魔石を抜き取って勝ったのか。って、あの巨大なサイズから、硬そうな体から、魔石を抜き取ったのか? ホント、どうやったんだよ。


 氷の壁が消え去ると、そこには何も無かった。ああ、あの石巨人が他の石人形を操っていたのかな? まぁ、何にせよ、これで進めるか。


 とりあえず、この目の前の狭い通路を進むか。ここからは、いかにも迷宮って感じだな。


 しばらく狭い通路を進んでいると道幅が広くなり、さらに左と右への分かれ道になっていた。まだまだ、この階は続きそうだ。

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