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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
5  名も無き王の墳墓攻略
427/999

5-122 名も無き王の墳墓3階層

―1―


――《魔法糸》――


 暗闇の中、《魔法糸》を下へと飛ばす。うん、下に到達した感触。さ、2人に上がってきて貰いますか。まぁ、暗くて見えにくいけどさ、大丈夫でしょう。

「にゃ」

 と、そこで光り輝く羽猫が戻ってきた。そして、そのまま俺の頭の上に上がる。これで周囲が見回せるな。にしても、ホント、お前、逃げ足だけは速いよなぁ。


『上がってきてくれ』

 俺は天啓を下へと飛ばし、そのまま待つ。あ、その間に、この死骸の山を片付けるか? いやぁ、この数ですよ。2人が上がってきてから協力して貰った方がいいか? いやいや、待っている間の時間潰しになるか。


 よし、頑張ろう。


 羽猫が俺の頭の上から降り、周囲を照らしてくれる。そんな光の中で、俺は解体作業を始める。シルバーロアのお腹を真銀の槍で切り裂き、中から魔石を取り出す。おお! 大きいな。

 そこで何故か、サイドアーム・アマラに持たせていた真紅妃が震える。いや、あの、食べさせろって言ってるんですか? いやいや、ちょっと、待ってくれよ。貴重な魔石ぽいんだから、これはお預けで、ね、ね?


 さてとシルバーロアの体は結構、高く売れそうだからな、いや、良い装備品にもなりそうだしね、持って帰りますか。シルバーロアの死骸を魔法のウェストポーチXLに仕舞う。シルバーウルフも結構良い素材になったよな?


 こちらもパパッと魔石を取り出して、魔法のウェストポーチXLに入れますか。いやぁ、結構、袋が一杯になってきたな。これは真銀の槍を魔法のウェストポーチXLの中に仕舞うのは無理か。仕方ない、迷宮だと邪魔になるか、と魔法のウェストポーチXLに仕舞ってきたけどさ、真紅妃を外に出している時点で今更だしな。普通に持ち歩きますか。


 俺がシルバーウルフを解体して魔石を取り出し、魔法のウェストポーチXLに仕舞っている所で2人が上ってきた。シトリさんは本当に、高い所の上り下りが苦手なんだな。


「んんー。星獣様、これは?」

 ランタンを手に持ったクロアさんが、周囲に散らばっている血の跡を指差す。

「あの巨大な狼が居ないでス!」

 ああ、シルバーロアのことね。


『ああ、シルバーロアなら倒した』

 どう、凄いでしょ。俺ってば凄いよね。ホント、強くなったよなぁ。

「この階層の徘徊する魔獣を倒したのですか。んんー。さすがは星獣様ですねー」

 む。な、何だか、その言い方だと星獣様だから凄いって感じに聞こえるよね。いやいや、俺の実力ですからね、ですからねー。


「あら。んんー。星獣様、レベルが上がっているようですねー。おめでとうございます」

「おめでとうでス」


 え? あ、本当だ。レベル上がってるじゃん。下水で地道に戦っていたからなぁ。それプラス、シルバーロアか。最近、余り確認していなかったから、何の経験値が多かったのかよく分からないな。ま、いいか。


【レベルアップです】


 さすがになかなかレベルアップしなくなってきたなぁ、と思ったんだけどさ、まだまだ上がるね。


【ボーナスポイント8】


 筋力補正:10(3)

 体力補正:7 (3)

 敏捷補正:78(6)+8

 器用補正:10(12)

 精神補正:5 (0)


 ま、振り分けなんて決まってるけどさ。


 筋力補正:10(3)

 体力補正:7 (3)

 敏捷補正:86(6)+8

 器用補正:10(12)

 精神補正:5 (0)


 敏捷補正100到達! ついに100ですよ。100!


 さあ、どれだけ素早くなったか試してみよう。しゅたたっとな。


 ……。


 あれ? 何だか、全然変わった気がしない。元々が充分過ぎるくらいに早いからか、余り変わった気がしない。うーん、一定以上は数値を増やしても変わらないのかなぁ。まぁ、筋力補正をどんどん増やしたらムキムキになるのかっていうと、そういうワケでも無いだろうし――あくまで補正だもんな。やっぱり補正よりも元々の能力の方が重要ってコトか。


 ちょっとがっかりである。


 いや、待てよ。どうだろう? これからは俺も筋肉を増やすためにトレーニングを開始するというのはいい考えじゃないか? 基礎の地力を上げるッ!


 ……。


 芋虫って筋肉が増えるんですかねぇ。というか、だ。まず筋肉があるのかが分からない。このぶにょぶにょした体の中に筋肉が詰まっているんだろうか? う、うーん。




―2―


「んんー。では、帰るなら今の内ですねー。この階の徘徊する魔獣が倒れた、今なら、魔獣も襲いかかって来ることが無いですからねー」

「はいでス。地上に戻るでス」

 へぇ。徘徊する魔獣を倒すと他の魔獣が現れにくくなるのか。って、2階層の時、普通に現れた気がするんだけどなぁ。部屋の中だから別扱いなんだろうか?


 ま、まぁ、冒険者救出って目的は達したワケだし、俺も一緒に戻るか。それに、もしかすると、もしかするとだけどさ、2階層で手に入った熊の置物や蛙の置物があったじゃん。あれさ、7階層への直通通路を通して貰う許可証になるんじゃないかなぁ。兵士さんは、6階層で手に入る『ある』物って言っていたけどさ、コレが代わりになりそうじゃないか? だってさ、あの兵士さんの周囲にあった石像と同じような感じだもん。これは陶器製だけどさ、何とかなるんじゃね?


 よし、駄目元で聞いてみよう!


 となるとサクサク戻らないとな。こっち側のルートは、全然、分からないからさ、2人の後を歩くだけだぜ!


 クロアさんが先頭を歩き、シトリさんを守るように俺が殿をつとめる。うん、シトリさんは、ホント、駆け出しって感じだからな、気をつけないとな。


 クロアさんがスイスイと石壁の迷路を進んでいく。うーん、道を覚えているのかなぁ。しばらく歩くとのぼり階段が見えてきた。おー、早い早い。まぁ、1日で6階層まで行ける、往復できる距離ってコトだから、こんなものか。いや、でも、迷ったら1日では済まないよな? とくにこの上の階層なんて、よく分からないけど、スタート地点に戻されてさ、あれ、永遠に彷徨っていたら、と思ったらゾッとするぞ。


 3人で階段を上がる。


 さ、3階層に戻ってきたぞ。

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