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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
5  名も無き王の墳墓攻略
401/999

5-97  交易の再開

―1―


――《転移》――


 《転移》スキルを使い自宅へと戻る。お、さすがにこの時間だと人が居ないな。ま、迷宮都市とかと違って、うちは酒場はやりませんからね。絶対にやりませんからね!


 ま、せっかくだから今日も食堂の裏から入りますか。


 14型とともに食堂の裏から専用の部屋へと入る。

「あら、ランさま、お帰りですわぁ」

 そこには、すでにご飯を食べているフルールが居た。フルールか。ちょうどいいな。


『フルール、このインゴットを見てくれ』

 魔法のリュックから究極の暗夜石を4個取り出す。

「これは、すんごいですわぁ」

 すんごいんだ。ま、まぁ、期待したリアクションとは違うけど、これはこれでいいか。で、ですよ。何が作れるかが重要なんだからね。


『ちなみに、この暗夜石からは何が作れそうだ?』

 食事を止めたフルールが暗夜石をなぞり、軽く叩き、夢中になって何かを確かめている。あ、食事中にごめんね。と、フルールが見ている間に俺も食事をしよう。

「では、マスター、こちらの席へ」

 14型が俺専用の椅子を引いてくれる。おー、ありがとう。

「では、私は食事の方を持ってまいるのです」

 はいはい、14型さん、今日は持ってきてね。


「これなら、首飾りなどのアクセサリー系が良さそうですわぁ」

 ふむ。首飾りねぇ。武器や鎧には向かないのか。そう言えば、小迷宮『異界の呼び声』に出てきた、この騎士鎧、凄い脆かったもんな。壊すのは容易く、再生速度が脅威だったって感じだもんな。って、コトは武器にも向かないか。でも、首飾りかぁ。うーん。あ、そうだ!

『フルール、これでサークレットやコロネットを作るのはどうだろうか?』

「冠に環……確かに良さそうですわぁ。後は仮面なんていうのも」

 仮面? いや、仮面はいいよ、仮面は。芋虫仮面とかになっても……うん、無いな。無いんですよ。


「オーナー、飯、持ってきたぜ」

 おー、ポンちゃん、待ってたぜ。持ってきた料理は、と。おや?


『ポン殿、これは?』

 これ、魚の干物を焼いたモノだよね。魚、だと? 14型がよく買っていた、ここら辺で取れる泥臭い、余りうまくない魚と種類が違うみたいだし、どういうことだ?


「どうにもよ、音信不通だった海洋国家ホーシアとの交易が再開したらしいのよ。で、何故か、うちの商会が優先的に仕入れさせて貰えるってことでよ、さっそく料理したのよ」

 おー、もう来たのか! 待ってたぜ!


 今日は魚の干物を焼いたモノにコーンサラダか。後は魚介だしが効いてそうなスープだね。


 では、さっそくいただきますか!


 もしゃもしゃ。


 あー、この魚の干物、すでに味が付いているのか。う、うーん、微妙な味。

『ポン殿、この干物の味付けはポン殿が?』

「おうよ。とりあえず帝都の泥臭い魚と同じように濃いめの味付けをしたんだが、どうよ?」

 ポンちゃん、自分で味見をしてみておかしいと思っていたのか、ちょっと自信無い感じだな。うん、なるほど。泥魚向けの味を誤魔化す調理をしちゃった感じか。俺的にはそのまま焼いて、後でこちらの魚醤を使って食べるって感じにしたかったなぁ。ま、今日は仕方ないか。


『ポン殿、自分の分の魚はそのまま焼いて欲しい。後で、この魚醤を付けて食べるので、な』

 ポンちゃんに魚醤を見せる。

「なるほど。わーったぜ。明日は任せてくれよ」

 ポンちゃんが片手を上げて調理場へと戻っていく。おうよ、頼んだぜ!


 もしゃもしゃ。


「はっ! ランさま、なんですの? それ、なんですの? それ、ポンちゃん、フルールには出してくれてませんわぁ」

 あー、新しい食材だから、真っ先に俺からって感じなのか。これ、俺がお偉いさんだから、優先してくれたって感じなんだろうけどさ、考えようによっては人柱だよね。俺で、実験された!


 もしゃもしゃ。


「ずるいですわぁ」

 はいはい、相変わらずフルールは面倒な性格をしているよね、うん。

『後はフルールが食べるといい』

 魚の干物をフルールに渡す。いや、まぁ、ちょっと微妙だったからね。ぶっちゃけて言うと余り美味しく無かったからね。フルールさん、片付け、お願いしまーす。


 さあて、と食事も終わったし、今日はもう寝ますか。

『フルール、装備品の作成を頼む』

「頼まれましたわぁ」




―2―


――[アクアポンド]――


 ちょっと狭くなった裏庭に池を作る。今日も今日とて水を生み出すのさ。


「マスター、今日もお出掛けですか?」

 おー、14型さん。今日も迷宮都市ですよ。

『ああ。14型は家のことを頼む』

「ま、マスター?」

 14型の顔が引きつる。いや、14型が役に立たないから連れて行かないって訳じゃないからね。今日は下水探索になるだろうから、14型さんは不要かなぁっと。ま、まぁ、下水に入ってみて、一人では苦労しそうだ、ってなったら呼ぶからさ。と言うことで!

『今回は14型の力が必要になるほどの場所ではない。その力を我が家の為に使って欲しい』

「なるほどです。それならば仕方がないのです」

 14型が優雅にお辞儀をする。モノは言いようだッ! まぁ、14型には俺の商会の運営をメインでお願いしたいからな、うん、仕方ない。


 では、迷宮都市に行きますかッ!


――《転移》――


 今日も今日とて試練の迷宮前に着地っと。ここってさ、ホント、人気が無い場所だよなぁ。まぁ、試験の時以外は、ここに来る意味なんて無いだろうし、当然か。


 さ、今日は下水のクエストを受けて、アシッドスライムをガンガン狩りますか!


 スライム、スライム、美味しいスライム退治ー。……スライムって、結構な強敵だよな。ま、まぁ、今の俺なら楽勝だよな、うん。


 さあ、行くぞー。と、まずは冒険者ギルドでクエストを受けないと……、それに下水の場所も聞かないと駄目だな!

2021年5月4日修正

アッシュスライムを → アシッドスライムを

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