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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
39/999

2-32 情報

-1-


 冒険者ギルドへ。ちびっ娘、今帰ったぞー。

「虫、早いな」

 まあね。他の冒険者が居て狩りにならなかったからなぁ。

『完了札を貰いたい』

「わかった、ステータスプレートを確認する」

 俺はステータスプレート(銅)をちびっ娘に渡す。いつものように、ちびっ娘がステータスプレート(銅)にかざした手の平の下には金属の板が見える。ホント、これ何やっているんだろうなぁ。

 ステータスプレートでOKな時もあれば、素材が必要な時もあって、違いが良くわかりません。うーむ、謎です。

「受け取る」

 ちびっ娘がカウンター下から完了札を取り出す。さあ、楽しい換金です。チマチマとお金が増えていくのはホント楽しいです。


 換金所へ。

『完了札の確認を頼む』

 今日も森人族のお姉さんが完了札を受け取ってくれる。うーん、毎日同じ人の気がするんですが、もしかして休み無しなんでしょうか。とてもブラックです。

「はい、確かに確認しました。換金するものはございますか?」

 俺はジャイアントスパイダーの素材である糸をショルダーバッグから取り出す。後、今回は魔石も売ることにする。



 クエスト報酬:640円+2560円=3200円

 巨大蜘蛛の糸:3本×1280円=3840円

 ジャイアントスパイダーの魔石:3個×640円=1920円


 GP:+4(総計30)


 合計:8960円


 銀貨1枚と銅貨6枚です。やっぱり蜘蛛は美味しいよなぁ。美味しいからこそ、人が来て、美味しくなくなるという、なんというか、なんというか。

 更にお姉さんが銀貨1枚を多く出してくれた。

『これは?』

「なんでも以前のクエストで支払いミスがあったとの事で、その補填になります」

 へ? そんなことがあったのか。これが全財産が無くなる前ならお役所仕事乙とか思っていたかも知れないけど、今の無くなった状態だとGJと言わざるをえない。貯金があった感じですね。

 これで銀貨2枚に(クエスト保証金が戻ってきた銅貨1枚を足して)銅貨7枚、潰銭76枚です。これが銀貨3枚になるようなら鉄の槍を買っても良かったんだけどなぁ。


 とりあえず冒険者ギルドに戻ろう。




―2―


「虫、どした?」

 うむ、物知りなちびっ娘に用があってきた。

『世界樹の迷宮の魔獣などについて、情報料を払うので教えて貰えるだろうか?』

 ちびっ娘は頷く。

「銀貨1枚」

 俺はなけなしの銀貨を1枚取り出し、ちびっ娘に渡す。

「確かに」

 ちびっ娘が銀貨を受け取る。周りには俺以外に冒険者は居ない。まだ早い時間なのでクエストから戻ってきていないのだろう。

「今の虫が世界樹に行くのはオススメしない」

 銀貨を受け取った第一声がこれとか、もうね。

「まずレベルが足りない。最低3、クラスレベルも1は上げた方が良いと思う」

 うーん、ウーラさんも3にしろって言っていたもんなぁ。ボーナスポイント8で結構変わるんだろうか。

「次にGPが勿体ない。世界樹に生息する魔獣の殆どがEランクやFランクの討伐対象。今のEやFのクエストを受けられない状態で行ってもGPを損するだけ」

 うーん、確かにその話を聞くとFランクまで上げてからの方が効率がいいよなぁ。それは分かるんだが、後70もGPを稼ぐのはなぁ。

 せめて蜘蛛が効率的に回せるなら良かったんだけど。日に3回くらいはクエストを回して効率的に稼ぐんだけどなぁ。そうそう、パーティが組めるなら、2人以上にして蜘蛛を狩りまくるってのも有りなんだよなぁ。(割れなかった分のMSPはGPに換算されるってことだし)

「それでも行ってみるのか?」

 俺は頷く。まぁ、お試しというか、確認程度だけどね。

「わかった」

 そう言って、ちびっ娘は世界樹の迷宮の情報を教えてくれた。なんだかんだで、このちびっ娘は物知りだ。さすがはギルドの職員? ってとこか。

「まず、世界樹の迷宮は一本道なので迷うことはない。通路も広いし、明かりもある」

 あら? 俺の居た場所と随分イメージが違うな。トラップだらけだったし、薄暗かったし……。

「すでに散々踏破された迷宮なので、めぼしい財宝は余り出てこない」

『出てくる?』

 どういうことだ。

「迷宮では財宝を手に入れても暫くすると何時の間にか復活している。復活しない固定の物もある。そういった固定の物は良い物が多い。けど世界樹にはもう残っていない」

 復活……するのか。なんだか、ますますゲーム的だな。どういう感じなのか実際に見てみたいな。

「次に魔獣」

 うん、その情報は重要だ。

「下層で出現するのはFランクの『マイコニド』キノコ人間で、ヤツの胞子を吸ってしまうと体調を崩す。素材は魔石近くにある金色の粘液。弱点は火属性、だけど焼くと素材が手に入らない」

 ふむふむ、詳しい話が聞けるのは助かるな。情報があるのと無いのでは大違いだからなぁ。

「次がFランクの『ポイズンワーム』虫、そっくりな姿にとげとげ。毒を持っているから絶対に噛みつかれないこと。素材は体。一応食用。不味い、売っても殆どお金にならない」

 俺そっくりとか酷い言いぐさだな。わたし、ディアクロウラー様ですからッ!

「Gランクの『ヴァイン』草、絡みつきと縛り付けがやっかい。素材は種子。食用になる。種子は焼くとふかふかして腹の足しにはなる。火属性に弱い」

 もしかしてふかふかの栗みたいな味のするパンってこれか!?

「最後にEランクの『ブルーバット』遭遇したら逃げる」

 む。もしかしてアレかな、最初の時に遭遇した大きな青い蝙蝠。それほど危険な感じはしなかったけどなぁ。

「俊敏な動き、空に居るので攻撃手段が限られる。牙での噛みつきがやっかい。大きな音が弱点。だけど難しい。素材は牙と体。体は食用」

 なるほど。参考になるな。

『中層は?』

 下層があるなら中層もってね。もしかすると次は一気に上層なのかもしれないけど。

「中層、上層は――まずはそこまで行ける実力を付けてから」

 なるほど、そこまではまだ教えてくれないって訳か。

「後、助言。世界樹で手に入った葉や枝は換金せずにギルドに持ってきたらGPと交換出来る。ランクを上げたいなら持ってくる」

 嬉しい助言だけど……これは金額次第かなぁ。売値が高いなら考えるよね。手製の世界樹の矢の売値が銅貨4枚だったから、それと同じくらいな気がするけどさ。

『ありがとう、助かった』

 まずは情報を入手。俺はこういったマメな事が抜けている気がする。


 さあ、後は帰りに鉄の矢を買って宿屋に向かいますか。


 明日は世界樹に行ってみよう。

2020年12月13日誤字修正

GJと言わざる終えない → GJと言わざるをえない

お腹になる → 腹の足しにはなる

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