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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
5  名も無き王の墳墓攻略
339/999

5-36  色々と準備

―1―


 とりあえず、かつて墓場だった広場で魔法の練習を行う。うーん、水の魔法は使えないし、暑さ対策が出来ていなかったからなぁ。今回、反省点は多いよね。寒さ用の装備はあっても暑さ用の装備がないもんなぁ。お腹が焼けるかと思ったぜ。この辺もフルールに頼んでみよう。


 日が落ちてきたので食堂へ。食堂も改装され、以前の大きなテーブルと椅子があるだけの状態から、カウンターと丸テーブルの置いてある小さな酒場のようになっていた。我が家がどんどんお店になっていく……。


 奥に備え付けられたちょっと大き目のテーブル席に座る。ここには『何故か』俺用に座り易く作られた特殊な形状の椅子が用意されているからね。ありがたいけどさ、誰が作ったんだろう。


 俺が座るとポンさんが料理を持ってきた。片方の足には金属で作られた棒のような義足が付いていた。おー、これで片足よりは歩きやすいよね。うん、フルールちゃんと仕事してる――もしかしたらフエさんが作ったのかもしれないけどね。


 今日の晩ご飯はトウモロコシもどきを茹でたモノ、焼いた肉、肉と野菜が浮いたスープだね。


 もしゃもしゃ。


 味は悪くないんだよなぁ。さすがはポンさんって感じだよね。でもさ、バリエーションが少ない気がする。もしかすると食材の種類が少ないのかな。帝都って言うくらいだから帝国の中心なんだろうけどさ、食事が凄い質素なんだよなぁ。外に植えているトウモロコシや謎の肉が中心だったり、泥臭い魚ばかりだったり、余り食事に力を入れていないのかなぁ。もっと食材のバリエーションがあれば、ポンさんの料理がもっと豪華になるだろうになぁ、勿体ない。


 もしゃもしゃ。


 俺が食事をしているとフルールとユエもやって来た。フエさんはまだ鍛冶場かな。


 当たり前のように2人が席に着き食事を始める。仕事上がりにタダで食事が出来るのはいいよね。


『フルール、矢が欲しいのだが良い物があるだろうか?』


 もしゃもしゃ。


「オススメの矢なら黒金の矢がありますわぁ」


 あら? 俺が渡した魔鋼の矢は売れちゃったのか。あれも買おうと思っていたんだけどなぁ。


「黒金の矢は硬く折れにくいですわぁ」

 あ、そうなんだ。では、さっそく買っておきますか。

『では、それを31本貰おう』

「まいどありですわぁ」

 お金は14型さんに請求してください。1本お幾らかは分からないけど、多分、大丈夫でしょう。

 矢筒の矢を全部入れ替えて黒金の矢にしておきますかねぇ。あ、もちろん魔法の真銀の矢だけは残すけどね。


「あ! そうですわ。ラン様、頼まれていた鎧出来てますわぁ」

 あ、そうなんだ。早いね。ではでは、それも後で貰っておきますかね。と言うことで《換装》スキルも上げておこうかな。


『後、今日取れた魔獣の素材があるのだが、これはフルールに渡せば良いのか?』

 そうそう、冒険者ギルドでクエストを受けているワケでも無いから素材を冒険者ギルドに持っていく必要が無いからね。フルールに素材を渡しておけば何かに使ってくれるのかな?

「いやいや、ラン様、何を言ってますのん。何でもかんでも渡されても困りますわぁ」

「ラン様、素材があるのですか!」

 嫌がるフルールと何故か食いついてくるユエ。今回はゴミみたいな蠍モドキの甲殻だけどね。

『ああ、今出すことも出来るが……』

「おいおい、食堂で出して欲しくないじゃん」

 何故かポンさんが話しに加わってきた。いや、まぁ、確かにそうだよね。


「そうですね……。魔獣の解体も出来ると便利なので、明日私が相談に行ってきます」

 ユエさんが尻尾をぱたぱたと振りながらそんなことを言っている。え? も、もしかしてうちに換金所を作るの? 出来るの? 確かにうちにそういった施設があれば冒険者ギルドに素材を預けに行く必要がなくなるからね。俺的には楽になるよね。でもさ、どんどん我が家が魔改造されている気がするんですけど。えーっと、これ俺の家だよね。


 ……だよね。だったよね?




―3―


 翌日、フルールから黒金の矢31本と火竜の鱗から作られた鎧を受け取る。


 さっそく両方鑑定してみますか。


【黒金の矢】

【黒く輝く黒金から作られた金属性の矢】


 あ、これ属性矢なんだ。てっきり普通に金属の矢かと思ったら違うのか……。何だろう、やはり不思議素材から作られているんだろうな。でも黒い色って確か闇属性だと思ったんだけどなぁ。金属性は黄色だよね。


【赤竜の鱗衣】

【赤竜の鱗から作られた衣。風の属性を持ち矢などの飛び道具を無効化する】


 おー、強い。間違いなく強い鎧だ。でも、鎧ではなく衣なのか。胴部分は赤い鱗で作られ、そこからスカートのような布が伸びているな。何だか、上位の騎士とか偉い貴族様とかが装備してそうなデザインだな。今は装備出来ないから、これは魔法のウェストポーチXLに入れておきますかね。


 とりあえず邪魔になる蠍モドキの甲殻素材を墓場跡の広場に重ねておこう。

『14型、素材を頼む』

「任せてくださいませ、マスター」

 うむ。これだけ見ると14型が有能に見える。こう、少し離れた距離で見れば14型もまともに働いてくれるのかもしれないな。さあ、準備完了だね。


 しばらく待っているとジョアンがやって来た。


 よし、では今日も砂漠横断、行きますか!


 ……。


 と、その前に水がいるよね、水が。何が準備完了だ、これが一番重要じゃん。


――[アクアポンド]――


 広場に池を造り、その水を皮の水袋に入れる。懐かしの水袋だぜ。アクアポンドが使えると分かってから使わなくなったからなぁ。まさか、また出番があるとは思わなかったよ。


 さあ、砂漠を攻略するぞ!

12月26日誤字修正

食道 → 食堂

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― 新着の感想 ―
[一言] 話し合いをしろって言われたばかりなのにね。主人公完全に舐められてますね。事前に報告も無いですし。
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