表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
4  空舞う聖院攻略
291/999

4-48 空舞う聖院上層区画

―1―


 階段を降りていくと少しだけ広い通路に出た。何だろう、ちょっと近未来的だよね。


 薄暗い通路を歩いて行く。うーん、ここの辺りにも明かりが灯っていないな。こう、歩く度に灯りがついていくとか、そういうギミックは無いのかな? 


 通路を歩いていると目の前の床が小さく円形に開き、中から小さな丸い球体が浮かんできた。何だ、何だ?


 小さな球体からバチバチと火花があがり電撃を纏う。薄暗い中だと眩しいね。って、もしかして、コレ、敵か?


『キョウ殿!』

 俺の天啓に先頭を歩いていたキョウのおっちゃんが頷く。


 小さな球体から電撃が走る。それをキョウのおっちゃんが悠々と回避する。で、どうしよう、とりあえず矢で攻撃してみようかな。


 14型からコンポジットボウを受け取り硬木の矢を番え放ってみる。硬木の矢は小さな球体に当たり、そのまま跳ね返った。うお、跳ね返されるのか。しかも矢が折れてるじゃん。むぅ、仕方ない、どうせ矢を失うことになるのならチャージアローだ。


――《チャージアロー》――


 硬木の矢に光が集まっていく。その間にも放出され続ける電撃を、キョウのおっちゃんが回避する。む、まだジョアンやミカンが手を出さないんだな。まあ、球体がバチバチと何やら電撃ぽいモノを纏っているからさ、下手に攻撃したら逆に感電しそうだもんな。


 最大まで光を溜めて放つ。


 光に包まれた硬木の矢が電撃球体に突き刺さる。矢が貫通した球体が浮力を失いコロンと落ちる。ふむ、地面に落ちてもバチバチやってるね。ふ、ふむ。これで終わりか。強くは無いけどバチバチしてて直接的な攻撃が危険って感じか。うーん、面倒な敵だな。沢山出てくると厄介って感じだね。


 と、ここでステータスプレート(金)を見てみる。しかし経験値も、MSPも増えていなかった。えーっと、これ、倒す価値が全くないパターンじゃん!




―2―


 さらに通路を歩いていると、またも通路に小さな穴が開き、球体が現れる。またか。


 さらに小さな穴が開き球体が現れる。


 さらに小さな穴が開き球体が現れる。


 さらに小さな穴が開き球体が現れる。


 いやいや、現れすぎでしょ。どんどん、現れるんですけど。いやいや、数が多くない? 多いよね、コレ、危険だよね!


――《疾風陣》――


 ミカンから疾風が巻き起こる。そのまま、ミカンが球体の集団へと飛び込む。ミカンが周囲の球体から次々と放たれる電撃を回避する。って、今の間に数を減らさないと! いや、でも確か《疾風陣》って物理攻撃力が落ちるんだよな。えーっと、魔法魔法。そうだ!


――[ウォーターカッター]――


 鋭い水が迸る。俺の手先から伸びた水が電撃球体を切断する。お、いけるじゃん。


――[ウォーターカッター]――


 水の刃が電撃球体を真っ二つにしていく。キョウのおっちゃんもダガーを投げつける。あ、それ、最後のダガーだよね。しかし、ダガーは球体に跳ね返された。あー、ってことは俺が全部倒さないと駄目なのか。


――[ウォーターカッター]――


 水の刃が電撃球体を切断していく。よし、3個は巻き込んだか。一度に何個か巻き込まないとMPが勿体ないからね。

 俺の考えに気付いたのか電撃を回避していたミカンが動きを変え、出来る限り周囲の球体が重なるように方向を誘導させる。ナイスだぜ、ミカンちゃん。


――[ウォーターカッター]――


 水の刃が複数の球体を切断する。これで残りは3体か。うん、最大MPが増えてて良かったよ。


――[ウォーターカッター]――


 残り3個がまとまったのを狙い水の刃で切断する。ふぅ、倒しきったか。サンキューなミカン。ウォーターカッターの一撃で倒せて良かったよ。

 キョウのおっちゃんが落ちた自分のダガーの状態を確認している。そのまま肩をすくめて投げ捨てた。あ、駄目になっているのね。しかしまぁ、せっかく回復したMPがボロボロじゃん。というかだね、ジョアンが戦闘に参加していないんですが、どったの?

「す、すまない、ラン」

 俺の視線に気付いたのかジョアンが、そんなことを言う。いや、マジでどったの?


「おいおい、小僧、無理をするんじゃないんだぜ。盾が持てないほどキツいなら後ろに下がっているといいんだぜ」

「で、でも!」

 あー、まだ回復していないのか。ヒールレインしとく?

「いいから下がっとくんだぜ。いざって時にお前が戦えないと俺らは困るんだから、下がって回復に努めておくんだぜ」

 そう言ってキョウのおっちゃんが懐から小さな小瓶を取り出しジョアンに渡す。

「治療のポーションなんだぜ。飲んでおくんだぜ」

 ジョアンが頷き、ポーションを受け取り、そのまま隊列の後ろに下がる。ポーションって結構高くて貴重なんだよな。キョウのおっちゃん、太っ腹じゃん。


 にしても、これでまともに戦えるのは俺とミカンだけか。キョウのおっちゃんは近接が得意じゃないぽいし、遠距離で攻撃できる武器も無くなったみたいだしさ、後は14型とファット様しかいないもんな。うーむ、戦力的にキツいなぁ。


 でもさ、それでも進むしか無いよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ