表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
4  空舞う聖院攻略
290/999

4-47 空舞う聖院上層区画

―1―


 さてと、みんなが集まってきたしもう一度ヒールレインを使っておこうかな。


――[ヒールレイン]――


 癒やしの雨が降り注ぐ。はぁ、MPがキツいな。前回と同じなら『空舞う聖院』の中は魔素が少ないだろうから、ここで回復しないと、だよね。


『すまないMPが回復するまで待って貰えないだろうか?』

 天啓を授けながらも魔素を吸い込んでMPを回復させる。うん?


 俺の天啓に皆が不思議そうな顔でこちらを見ている。ど、どうしたの?

「だ、旦那? MPを回復させるって何を言っているんだぜ?」

 え? いやいや、魔素を吸収してMPを回復させているんだけど、って、あれ? コレって普通の人は知らない俺だけが気付いている情報だったか? えーっと、キョウのおっちゃんには話したこと無かったかな? うーん、話したことがある気もするんだけどなぁ、俺の勘違いか。うーむ、うろ覚えだ。そういえば魔素を吸収したらMPが回復するっていつ気付いたんだったかな。ま、気にしてもしょうが無い、俺はMPを回復させる作業を続けよう。


 俺がMPを回復している間に何故か14型が食事の用意を始める。えーっと、14型さん、現状が分かっていますか? これから乗り込むぞーって場面ですよ?

「せっかく貴重な塩が沢山精製されたのに、全て風で飛んでしまったのは残念です」

 いや、塩って……うん? おいおい、まさか、アレか、さっきのか。お、お前、元は人だったモノを塩として俺に食わせるつもりなのかよ、おっそろしいなぁ。


「ま、旦那、休憩には良いタイミングなんだぜ」

 う、うーむ。キョウのおっちゃんがそう言うなら仕方ないな。


 14型が、取り出した鍋にいつ購入したのか分からない魚のような生物を入れている。

「あ、マスター、水をお願いするのです」

 いや、あのね、14型さん、俺が、今何をやっているのか、分かっているのかな? 今、俺はね、MPを回復させているんだよ、その待ち時間で休憩になっているんだよ! それで何でMPを使うことをしないと駄目なワケ? おかしいよね、おかしいよね。絶対、おかしいよね!


――[アクアポンド]――


 かなり大きく作れるようになった水溜まりを作成する。これ、そのうち池が作れそうだよね。しかもさ、これ、普通に飲める水になるんだよな。最初は微妙な魔法だと思っていたけど意外と便利だよね。魔法で作るから純水みたいなやばいのかと思ったら何だか謎の成分入りの水なんだよな。ホント、魔法って不思議ですね。


【[クリーン]の魔法が発現しました】


 へ? いやいや、何でここで? いや、まぁ、嬉しいけど、何で、このタイミング? う、うーん。ま、まぁ、これでもう少し快適に旅が出来るね、うん。本当は、欲を言えば、もっと戦闘向きの魔法が欲しかったなぁ。今更だよ、ね……。




―2―


 もしゃもしゃ。


 謎の魚スープを食べ終え、出発準備を整える。


 さてと、まずは、目の前にある、如何にも、な神殿からだな。この神殿が聖院の由来なのかな?

「旦那、まずは俺が先行するんだぜ」

 はーい、お願いします。


 キョウのおっちゃんが神殿の入り口を調べる。ふむ、キョウのおっちゃんが入り口の扉の前から動かないな。どったの?

「開かないんだぜ」

 ちょ、いきなりですか? キョウのおっちゃんが役に立たないんだぜ。


 と、そこでファットが前に出てきた。どうしたの、後ろで隠れてなくても大丈夫なのかい?

「俺様に任せて欲しいぜ」

 ファットが扉に触れる。その瞬間、扉に光が走り、内側へと開いていく。お、おおー、そう言えばファットってネウシス号を海の中の迷宮から見つけたって言っていたよな。おいおい、それって、ここのコトじゃないか? だよね、だよね。

 そうか、ファットはこの迷宮を開けることが出来る力を持っているのか? うん? ということはファットも王族なのか? うーん、それは無いか。何かのスキルかもしれないな。


 ま、これで中に入れるよね。


 キョウのおっちゃんが壁にくっつき、顔だけ動かして中の様子を探る。


 中を覗いていたキョウのおっちゃんがこちらを向き、手で合図をする。あ、大丈夫って感じなのね。それを扉の前でぼーっとファットさんが見ている。

「俺様は一度入ったことがあるけどよ、中は安全だと思うんだよ」

 ですよねー。

「ああ、俺もそう思っているんだぜ。けどな、あのコラスってヤツが、この中をそのままにしているとも限らないんだぜ」

 なるほどな、用心に用心を重ねても困ることは無いからね。


 とりあえず安全の確認が出来た神殿の中へ。


 神殿の中は狭く、薄暗かった。あれ? 明かりが灯ってないんだな。『空舞う聖院』が起動した時に明かりがついた気がしたんだけどなぁ。まぁ、前回は制御区画だったからね、この入り口部分にまでは電力ぽいモノが来ていないのかな。


――《ライト》――


 はーい、羽猫さんきゅーな。


 狭い神殿内の中央には下へと降りる階段があった。階段、階段、階段かぁ。階段は世界の壁の時に、嫌ってほど上り下りしたからなぁ、見るだけでお腹一杯になりそうです。ま、でもさ、ここしか道が無いからね、仕方ない。


 さ、では階段を降りていきますかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ