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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
27/999

2-21 帰還

―1―


 ふう……。


 俺は倒したレッドアイに寄りかかり、そのままずるずると座り込む。いやまぁ、芋虫なんで、正確には座ったって形ではなく、L字型に寄りかかってます、だね。

 強かった。ホント、そう思います。勝てたのが奇跡のようだ。

 今回はスキルと魔法も閃けたのでホクホクです。やはり強い敵の方が閃きやすいのは全世界共通ですね。

 払い突きは、カウンター技としてこれからも活躍しそう。だがアクアポンドの方は……やっと憶えた水魔法がコレというのは。今回はたまたま役に立ったけど、泥沼とかならまだしも水たまりを作って何が出来るんだ? うーむ。まぁ、クリーンまでの繋ぎだと思っておくべきか。


 ステータスプレート(黒)を確認してみる。HPは70になっていた。死にそうだったのに意外と減っていない。が、SPは0になっていた。こ、怖えぇ。MPは700ほどまで減っている。この数値の変動を見るに、MPが一定まで減るとSPの回復には使われないのかな。

 経験値は762/2000まで増えていた。えーっとレッドアイの前に蜘蛛を2匹ほど狩っていたからヤツの経験値は576かな。普通の蜘蛛の16倍か。

 MSPは92になっていた。ほ、へ、は? 80も増えているのか。あ、転移の習得出来るじゃん。転移って、多分……アレだよね。指定の街へ移動みたいな。さっそく習得しておこう。


【《転移》スキルを獲得しました】

【《転移》スキル:チェックした箇所への転移が可能】

【最大チェック数1 最大転移人数1】


 次までは160になっていた。次のレベルだとチェック数2、転移人数2になるのかな。しかしまぁ、うん、これは予想通りのスキルです。ホント、便利なスキルになりそうだ。現状を考えるとチェックするのはスイロウの里ですな。


 後は魔石の回収か……。鉄のナイフが折れてしまったので、レッドアイの牙を使い、切り出していく。取り出した魔石は真っ赤だった。透き通って真っ赤な宝石のような魔石。こいつはレアな魔石だね、わかります。


 さあて、帰りますか……。俺は魔法糸を吐き出しレッドアイの胴体に結びつける。何処が売れる素材か分からないし、全部、持って帰るのだッ! ということで引っ張って帰ります。お、重い。ちまちまと死骸に浮遊をかけながら運んでいく。死んだ後、死骸なら浮遊をかけることも出来るのである。


 やがて里の入り口が見えてくる。と、里の外で転移のためにチェックを入れておこう。


――《転移チェック1》――


 よし、これでオッケーかな。




―2―


「お、おい、そいつは……」

 門番の人が声をかけてくる。

『ああ、外で倒したので換金所へ、な』

「あんた、なかなかすげぇな」


 そのまま冒険者ギルドへ。

 冒険者ギルドの外にレッドアイの死骸を置いて中へ入る。死骸は中に持って入れるほどのサイズじゃないしね。

 カウンターへ。

「外のはお前がやったのか?」

 居たのは眼帯のおっさんだ。

『うむ』

「やるじゃねえかっ!」

 眼帯のおっさんがカウンター越しにこちらの肩を叩いてくる。バシバシと遠慮の無い叩き方だ。

「そういえば名前、何つったかな」

 名前、憶えてくれていなかったのかよ……。

『うむ。氷嵐の主と言う』

「そうか、ランよ。あいつを倒すなんてな。こうなったら認めるしかないな。お前は、もういっぱしの冒険者だぜ」

 おっさんのデレである。誰得って感じだけど認められるのは嬉しいなぁ。

『とりあえず完了札を貰いたいのだが』

「そうだな、ステータスプレートを出しな」

 俺はカウンターにステータスプレートを置く。おっさんはその上に金属の板のようなものをかざす。

「いいぜ、持って行きな」

 眼帯のおっさんから完了札を受け取る。

「これからもこの調子で頑張れよっ!」

 おっさんからの激励、この変化である。


 さあ、次はお待ちかねの換金だ。




―3―


 換金所の中へ。

『すまない、完了札を持ってきたのだが。後、外のアレを換金して貰いたい』

 受付のお姉さんが頷く。

「はい、承りました。あの大きいのは人を呼んできて運ばせますね。あのサイズなら、次回からは里の外に置いたままで良いですよ。少しの時間なら門番の方が見張ってくれます。その間に私どもを呼びに来てくだされば受け取りに行きます」

 へえ、引き取りサービスもやってくれるのね。

『ちなみにアレからだと、どういった素材が取れるのだろうか?』

「ほぼ全身が素材ですね。固い甲殻や牙は武器や防具の素材に使えますし、取れる銀糸は魔法付与をしやすいので重宝されていますね。今回はタイラントスパイダーの中でも非常に大きなサイズですので査定は奮発しますよー」

 銀糸ってレッドアイから取れるのか。いや、違う。今回倒したのはタイラントスパイダー種の名前付き(ネームドモンスター )というのが正解なのか。それでも素材は名無しと同じ扱いになるのね。


 クエスト報酬:2560円

 レッドアイ1匹丸ごと:332800円

 巨大蜘蛛の糸:2本×1280円=2560円

 解体代:▲5120円


 獲得GP:+4(総計13)


 合計:332800円


 渡されたのは小金貨よりも大きな金貨1枚と銀貨1枚だった。うおおお、新しい硬貨です。これが一番大きな硬貨かな。327680円で金貨1枚の計算ですね。にしても解体代金が銀貨1枚か……まぁ、サイズがサイズだし仕方ない、か。

 アレの解体なんて俺には出来そうにないしね。

 今回、レッドアイの残した牙だけは、ここで売らないことにした。


 次は鍛冶屋か……。

4月23日修正


チェックするのはフウロウの里ですな。 → チェックするのはスイロウの里ですな。

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