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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略
21/999

2-15 馬車

―1―


 宿に戻ってきました。今日は何もする気が起きません。

「あら、おかえり。食事にするかい?」

『女将さん、すまぬ。今日はすぐに休ませて欲しい』

「あら、そうかい」

 女将さんから鍵を受け取り部屋に戻る。今日の戦利品で大きくなった背負い袋を置く。どさりと良い音がする。明日の換金が楽しみです。

 さあ、今日は寝ようか。にしても、ホント疲れたなぁ。ボスを倒したと思ったらボスじゃ無かった展開とか、もうね。真ボス登場って感じで気分はもうゲームクリアですよ。


 夜、寝たのが早かったからかまだ日が昇る前に目が覚めた。まずは朝ご飯ですね。


 本日のメニュー。『ふわふわのパンみたいなもの』と『何かの肉の真っ赤なスープ』でした。スープ類多いなぁ。こちらだとご飯みたいな扱いなんでしょうか。何かの肉は鶏肉みたいな味でした。ホーンドラットの肉ほど固くなく、以前食べた串焼きと同じ味がした。コレ、何の肉なんだろうね。やはり、鳥か!?


 ま、とりあえず冒険者ギルドに行きますか。


 冒険者ギルドは繁盛していた。うーん、朝が主戦場というのは本当らしい。掲示板の前に並んで難しい顔をしている冒険者達。美味しいクエストが無いか探しているんだろうね。


 それを無視してカウンターに。

「虫、今日は早い」

 居たのはちびっ娘だ。

『うむ。今日は昨日受けたクエストの完了報告に来た』

 そう言ってカウンターに森ゴブリンの魔石を置く。

 ちびっ娘はいつものように何かのプレートを魔石の上にかざす。

「昨日のクエスト……。森ゴブリン程度に丸一日かかったのか?」

 違うんです! ホント、違うんです。森ゴブリンは楽勝だったんです。その後が大変だったんですぅ!

「まあいい。完了札持って行く」

 ちびっ娘が完了札をカウンターの上に置く。完了札を受け取り、換金所へ。


 さあ、お待ちかねの換金タイムだ。




―2―


『クエストを完了したので換金に来たのだが』

 完了札を受付のお姉さんに渡す。

「はい、では奥へどうぞ」

 今回も奥の作業場に案内される。あら、魔石とかだからカウンターでも良いかなっと思ったんだけど、何かあるのかな?

『何故、奥に?』

「いえ、換金出来そうな物をどっさりと持ってこられたのでは? と思いまして」

 なるほど。


 俺は今回のクエストで入手した物をテーブルの上に置いていく。

 さあ、お楽しみの換金です。



 クエスト報酬:640円

 ゴブリンシャーマンの魔石:40960円

 ホブゴブリンの魔石:2560円

 森ゴブリンの魔石:4個×640円=2560

 ゴブリンの鉄剣:5120円

 ゴブリンの杖:10240円

 子鬼の仮面:2560円

 錆びた銅剣:17本×640円=10880円

 クリーン代:▲640円


 合計:74880円


 小金貨1枚と銀貨6枚に銅貨5枚です。ゴブリンシャーマンの魔石が小金貨1枚と美味しすぎです。俺的にはホブゴブリンの方がボスだと勝手に思い込んでいたんですが、もしかしてシャーマンの方がかなり格上だったのか!? シャーマン一匹で小金貨1枚に銀貨2枚、銅貨4枚だもんなぁ。積極的に狩りたいレベルです。コレが定期的に狩れるようなら、冒険者ってすぐにお金持ちになれるんじゃね?


 両替をして貰った後の手持ち金は、小金貨7枚、銀貨1枚、銅貨6枚、潰銭3枚になりました。円換算だと295704円……うーん。ちょっと小金持ちになった気分です。

 あー、でもゴブリンシャーマンの魔石がこれだけ高く売れるなら、森ゴブリンの魔石を砕いても良かったような……早く飛翔系のスキルツリーを進めたいしね。浮かぶだけでは、浮かぶだけではッ! 超知覚ってスキルもすっごい気になるんですよ!


 うーん、お金の使い道に悩む。宿代を追加する? 武器と服を……いや、まずはランタンが必須かな。あー、まずは猫馬車の料金を確認しないと!

 お金も手に入ったし馬車の停留所、行ってみますかー。




―3―


 受付のお姉さんに猫馬車の停留所の場所を聞くと快く教えて貰えた。人情が温かいです。


 門番のお兄さんに挨拶して里の外へ。

 苔むした石畳を歩いて行く。猫馬車の停留所は石畳を歩いてくだけと迷うこと無く簡単に到着です。里から30分ってとこかな。ホント近くにあったんだね。


 ちょっと大きめの小屋に人よりも大きな猫がつながれていた。茶虎に……三毛もいるじゃないか。うは、すっごいメルヘンな光景だ。小屋はどうも待合室みたいだね。

 待合室の中に入る。

「もしかして噂の星獣様?」

 中には禿げた痩せぎすの中年のおっさんがいた。森人族では無い……って、またおっさんですか。

『ここの方かな?』

「そうだよ。いやぁ、それにしても本当にスキルで喋ってくるんだねー。ねえ、触っても良いかい? 噛みついたりしないよね?」

 おっさんが近寄ってくる。や、やめろー、おっさんに触られても嬉しくないんだ。

『触るのは遠慮して貰いたい』

 おっさんが舌打ちする。いやいや、この世界のおっさんはどうなっているんだ!

『しかし、猫なんだな……』

「大陸の人からすると珍しいらしいね。大陸だと馬や竜が主流だからねー」

 あ、ちゃんと馬も居るのね。というか竜ですと!? やはり居たかドラゴン。

「ここは森ばかりだから馬が上手く走れないからねぇ。猫をテイムして馬車代わりにしているんだよぅ」

 おっさんの喋りがキモい。なんだかナヨナヨした喋りだ。

『な、なるほど。ところでフウロウの里までだと幾らくらいになるのだろうか?』

「次の便はまだ先だけど、40960円だねぇ」

 うお、小金貨1枚とか意外と高い。ここから猫馬車で二日だったかな、思っていたよりも遠いのか?

「ああ、でもでも、乗客の頭数割になるから、その時に乗る人が多ければそれだけ安くなるのよ」

 なるほどなー。フウロウの里に行く人が多いときに乗せて貰えばそれだけ負担は減るってワケか。

 ま、今回は懐も温かいし次の便でフウロウの里に行くとしよう。その時に人が多ければラッキーくらいで、ね。たしかウーラさんが1週間後くらいって言っていたから、後6日後か……。

6月2日修正

誤字修正

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