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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
2  世界樹攻略

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12/999

2-6  森茸

―1―


 里の外へ。

「森の食用キノコは、この先に沢山生えてますよ。里の子供なんかがお小遣い稼ぎに取りに来るくらいですからね」

 報酬の金額が金額でしたもんね。そりゃそうか。


 森の中を少し進むと、木の根元にキノコが生えているのが見える。視界の右中にキノコから白い線が延びている。白い線の先には『森の特選キノコ』って書いてある。これ間違えようがないね。


 キノコ一本目、ゲットだぜ。


 と周りを見回すと、あるある、右中の視界一杯にキノコの線が延びてます。中には『森の厳選キノコ』って単語が……それ以上いけない。


「そういえばランさんはクラスを持っていますか?」

『いや、残念ながらまだ持っていない』

「経験値が手に入ると、種族レベルとは別にクラスレベルも上がるので、出来れば早めに手に入れた方が良いと思います」

『なるほど』

「ここから一番近いのだと、フウロウの里で『弓士』のクラスが取得できますね。後はかなり南のフウキョウの里で『侍』、結構北に行ったフウユウの里で『農士』が取得出来ます」

 ちょっと待ったー。侍、あるのか侍。ということは刀もあるのか……浪漫だねぇ。後は『農士』か。農業をやっている武士だったかな? それとも士道を持った農夫だったかな? なんというか戦う農夫って感じなんだろうか? うろ覚えです。というか、さっきから思ったんだけど里の名前もそうだけど、凄く和風な感じがする。翻訳の性能だろうか? 

「特に『弓士』から派生の『狩人』は便利なスキルが多いので、取得する人が多いですね」

 あー、この辺の説明はシロネさんと同じだね。とりあえず『弓士』の取得を目指すのが良いのかなぁ。

 と、そこで気付いたんですが、少し離れたところに野兎って線が延びている。

『聞いても良いだろうか? あそこに野兎が居るみたいなんだが狩っても良いのだろうか?』

「野兎ですか? それは是非狩りましょう」

 特に狩猟規制とかあるワケじゃないのね。


――《糸を吐く》――


 俺は糸を吐き、野兎の動きを止め、持っていた鉄の槍を一突き。野兎は動きを止めた。

こっそりステータスプレート(黒)を見てみたが、前回更新で増えていたEXPという項目の数値は増えていなかった。コレ、視認出来るようになったけれど、どうやったら増えるんだ? 未だに0なんですが……。




―2―


 里に戻ってきました。

 そのまま、冒険者ギルドへ向かう。

「虫、戻ってきた」

 はいはい、芋虫野郎が戻ってきましたよっと。

 俺は皮の背負い袋からキノコを三個取り出しカウンターに置く。

「キノコ」

『クエストの完了報告に来た』

 ちびっ娘は頷く。そしてキノコの上に手をかざす。手の下には金属のプレートのような物が見える。

「確認した。この札を持って換金所に行く。もし他にキノコあるなら、そこで出す」

 ちびっ娘がカウンター下から、新たに取り出した札を受け取る。

「ランさん、後は換金所に持って行くだけですね。換金後、GPも増えているはずですよ。それじゃあ、僕はこれで帰ります。また明日、今日と同じ時間にここで」

 そう言ってウーラさんは手を振って帰って行った。

 それでは換金所に行きますか、っと、そこでちびっ娘が「待て」と引き留めてきた。

「キノコ持って行け」

 なるほど。冒険者ギルドはあくまで受注と報告だけなのね。報酬や換金、納品は換金所ってワケか。だから、冒険者ギルドの目の前に建っているワケね。三個のキノコを背負い袋に入れ直し、換金所へ。


『クエストを完了したので換金に来たのだが』

 換金所のカウンター、受付のお姉さんに話しかける。

「はい、完了札はお持ちですか?」

 先程、受け取った完了札? を受付のお姉さんに渡す。

「はい、確かに確認いたしました。こちらへどうぞ」

 そう言って奥の部屋に案内される。奥の部屋は竜でも解体出来そうなくらいに広い部屋だった。実際、奥の方では人と同じくらいのサイズのトカゲのような物が解体されていた。

 俺は部屋にあるテーブルの上に背負い袋の中の物を置いた。

『こちらを頼む』

「はい、では鑑定しますのでしばらくお待ちください。ただ、全てごちゃ混ぜに入っていたようなので査定金額は少し下がるかも知れません」

 え? そうなの? うーん、目に入っためぼしい物を手当たり次第に袋に入れたのが不味かったか。



 クエスト報酬:640円

 森の食用キノコ:19本×24円=456円

 上質な森の食用キノコ:1本×632円=632円

 レイグラス(光草):2本×1272円=2544円

 野兎(未解体):1匹×2552円-解体代640円=1912円


 合計:6184円


 渡されたのは銀貨1枚、銅貨1枚、潰された鉄のような小さな硬貨が53枚。この初めて見る鉄の硬貨が一枚8円相当か……。これが一番小さい硬貨かな。

『この小さな硬貨は?』

「潰銭ですね。80枚で銅貨一枚と同じ価値がありますよ」

 お、偶然なのか円変換されずに価値が聞けた。しかしまぁ、80枚ってすっごく邪魔になります。解体代金が銅貨1枚取られたのと、査定金額が全て(この潰銭1枚分)マイナスされているのが痛いなぁ。まぁ逆に、状態に気を遣わなくても潰銭1枚分の損失で済むと考えるべきか。


 今日一日頑張って宿泊代1日分にも届かなかった。採取で暮らすのは難しそうだな。


 この日はそのまま宿に帰って食事をして寝た。晩ご飯はキノコと何かの肉の炒め物と何かの肉の入ったスープだった。今日採ったキノコがさっそく晩ご飯とか、もうね。

 まぁ、キノコは濃厚な味で美味しかったんですけどね。なんというか昆布と鰹節を囓っているような味がした。意外と悪くないです。


 明日はホーンドラットの狩猟か……。



【森の特選キノコ】

【風味が強く、歯ごたえがあるので癖の強い肉類と一緒に調理されることが多い】


【森の厳選キノコ】

【余り見つからないが特選キノコよりも洗練された味わいがあり人気がある】


【レイグラス】

【光草。わずかな魔素の光を浴びて育った草。キズの治療に効果があり、ヒールポーションの原料となる】


【野兎】

【野原などに良くいる兎】

4月25日修正


特産 → 特選

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