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青空の下に  作者: bluewind
8/13

08:幼い夏

 式は全て滞り無く終りました。

 焼香で、礼をして、摘んで入れて、手を合わせて……全てが空々しくて、奇妙でした。もうお兄ちゃんはどこにもいないのに、形ばかり、教えられたとおりに動かして。気付いてみればあっという間にお開きに。

                                         

 帰りの車の中。ユウの目にはもう涙はありませんでした。不思議と苦しみもありませんでした。ただ、少し胸の辺りに隙間が出来て、心が妙に軽いのです。それは勿論、軽やかな心地良さとは正反対です。妙に空疎で空しく、まるでカラッポの宝箱のようです。

                                       

                                     

                                          

 小さく付けられたラジオが、静かに時節を伝えています。

                                        

「もうお盆を過ぎましたが、皆さんは海に遊びに行きましたでしょーか!? 私はまだなんですよ〜早く遊びに行きたい〜。この頃になると海にはクラゲが沢山出るようになりますので、泳ぐ時は十分気をつけましょうね。昔、フトモモに沢山刺されてひどい目にあったんですよ〜」

                                       

 夏は、まだ続いています。

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