利久を設定したその理由・後書きです
126話から一気に更新しました。
「旅路の利久と案じる雪江」の話からどうぞ。
私には霊感とかオーラが見えるとかそんな能力はありません。それでも過去に一度だけ、初めて会った夫となる人にはその光が見えました。全身が白い光に覆われていました。その後、そんな不思議なことは起っていません。
「時をこえて」の第二部が終了しました。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、第一部は割と軽い感じで雪江が江戸の町で暮らしていきます。第二部ではその一人一人の人物像がかなり濃く出ていると思います。
第二部を書くと言っていながら、結婚した雪江の生活を書くだけでは何かが足りないと思っていました。
そんな時、以前に言われていたわたし自身の前世の話を書こうと思いました。その人を「時をこえて」に出演させようと計画したのです。
前世の自分を書くことによって、自分の無念やその生きざまが浮き彫りになり、今の人生に何が必要なのか、見つめられるかもしれないと考えたわけです。ネタ作りにもなるし、自分の前世にまつわる浄化にも繋がると思い、利久を設定しました。
私は不思議な力を持つ人にリーディングを受け、その前世を知りました。わたしにはその記憶は残っていません。でも不思議なくらいキリスト教に係わっているのです。バチカン市国へは何度も足を運びました。ローマ市内を観光するよりもこの世界最小の国にいることが心を落ち着かせてくれました。でも、私は今回、キリスト教を選んではいませんでした。
それにまつわる話も聞くことができたらと思い、リーディングを受けたのです。
出てきた私の前世はキリスト教関係の人ばかりだそうです。黙々と教会の鐘を鳴らすことが生きがいだった孤独な男から、キリスト教の幹部もやったことがあるらしいです。その反面、魔女狩りにもあい、その拷問を受け、今でもトラウマが残っているほどです。
そのリーディングをしてくれる彼女が言いました。
「日本人はあまりやってないみたいだね。あ、いた。隠れキリシタンで斬首」
あまりにも淡々とした口調でそう言われました。それがなんかおかしくて思わず笑ってしまったほど。
その「隠れキリシタンで斬首」という言葉から、利久が生まれたのです。
わたし自身は何も覚えていません。それが男なのか女なのかもわかっていませんでした。でもそのキーワードから想像で利久を作り出し、雪江の物語に結び付けました。
お光は後から付け足しました。女性がいる方が雪江がかかわりやすいと思って。
でも今ならわかります。お光は今の私の夫の前世です。途中からそう思い、それらしく書いています。
私達は何度も一緒に生まれ変わって、夫婦を繰り返しているのだそうです。ある時は私が男で、夫が女だったり。お互いに穏やかな人生が送れるからなのだそうです。
というわけで、今回の利久の斬首はもう最初から決まっていたことでした。これは変えられない宿命でした。
その利久を細かく設定することから始まり、濃くなっていったので、他の人物も段々と濃く書くようになりました。
まあ、書くことに慣れてきたということもあります。
こんな途方もない話なんて信じられないという人もいるでしょう。最初は私も信じられませんでしたが、そう考える方が楽しいし、腑に落ちる何かがありました。輪廻転生を信じる方が楽ですね。人生観が変わりました。
今回私は小説の中に、それらを取り入れ、書き出していくという浄化法を取りました。
長々と書きましたが、これで第二部を終了します。
また、第三部を書く予定でいます。その時はまたよろしくお願いします。
読んでいただきましてどうもありがとうございました。