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プロローグ〜出会い〜

少しだけ楽しんでいただければ満足です。他にも書き途中のあるけど、そっちはいきあたりばったりでどこまで行けるかの挑戦。この作品は構成への挑戦。ということで、少しはしっかりしてるの作ってくつもりなんで、よろしくお願いします。

目の前に浮かぶ信じられない光景。血の海。その中に俯せに倒れている『自分死体』。そして、自分の死体の正面に立つ化け物の姿。鬼のような角に大きく釣り上がった目。大きく裂けた口。体は人間のものの様に見えるが手足の長さが異様に長い。

その光景を見つめている少女は、あまりに突然奪われた自分の生を、その現実を受け入れられずにいた。いや、受け入れられるはずがなかった。

都内の高校に通う彼女は、いつもの様に部活を終え、いつもの道を家に向かって急いでいる最中だった。見たいテレビがあった。帰ればお母さんが用意してくれた夕飯が待っている―今日は彼女の大好物のカレーのはずだった。そのカレーを食べながらテレビを見るはずだった。

この道が心霊スポットだとは知っていた。しかし、私には霊感もないし、そういうのは信じていない。

そう、たまたま彼女は今日ここを通った。カレーとテレビ。この二つの誘惑が、たかが2分程度の時間短縮のために彼女をこの道に誘いこんだ。 そして、今、目の前に立つ化け物に出会い、殺された。

彼女―『佐倉奈緒』の人生はここで幕を閉じた。


目の前の化け物と自分の死体を見つめ、奈緒はやっと、今自分がどういう状況にあるかを把握した。そして、その顔を一瞬にして歪ませると―…

「あ………い、いやぁぁぁぁぁぁっ!!」

と叫ぶと同時に、その場に崩れ落ちた。

化け物は死んで霊となった奈緒を凝視していた。そして、奈緒が泣き崩れ、その絶望がピークに達したとき、その口をゆっくりと開き、奈緒に近づいてきた。そして、泣き崩れる奈緒を上から覗き込むようにすると、一気に口を全開にした―…と、その時であった。

周囲に轟音が響き渡ると共に、化け物の体が宙に浮いた。

「?」

化け物が訳がわからないといった様子で目を丸くした。と、その時目の前に一人の少年が出現した。

単髪、黒髪。目付きは厳しいがどこか虚げ。そして、上半身には服を着ておらず、その代わりに赤い包帯のような物が指の先までぐるぐる巻いてある。

「ガァァァ!」

『食事』を邪魔された化け物は怒り、目の前の少年に腕を伸ばした。

しかし、少年は化け物の腕を楽に払いのけると、蹴りを一発化け物の腹にかました。化け物は吹き飛び、10メートルほど先の地面にめり込んだ。 奈緒の前に着地した少年は、奈緒に向かってこう言った。

「よぉ、お前を助けてやろうか?」

奈緒は涙を浮かべる目で少年を見上げた。

「え………?」

少し驚いたように呟いた。すると少年は奈緒に向かい、もう一度言った。

「お前を助けてやると言ったんだよ。生き返りたいだろ?」

「そんなこと………できるの?私、生き返ることができるの?」


半信半疑で奈緒は少年に聞き返した。すると、少年は奈緒を見て、少し不気味な笑顔を見せた。

「ただし、交換条件だ。」

少年は奈緒の耳元で何かを囁いた。すると、奈緒は少し迷ったようなそぶりを見せ、決心したように呟いた。

「………分かった。でも、ちゃんと生き返らせてよね………」

少年は満足げな笑顔を浮かべると、既に立ち上がり、少年のすぐ後ろまで迫っていた化け物の方に向き直る。

「お前こそ、この約束を絶対に忘れるな。」


そこで奈緒の記憶は途切れた。血の海に浮かぶ自分の死体。化け物。謎の少年。少年と交わした約束。

目覚めると自分のベットの中だった。

(あれは…夢?)

奈緒はベットで眠っていた。夕べは確かにカレーを食べながら楽しみにしていたテレビを見た。その記憶は確かにある。しかし、その記憶とは裏腹に、夢にしてはリアルな感触が、今も体に残っていた。死の実感、恐怖、絶望。そして、少年が囁いた言葉と吐息の感触が、確かに耳に残っていた。

(…気にしても仕方ないか。今、何時だろ。)

奈緒は枕元に置いてある時計を手に取ると、ありえないぐらいの大声をあげ、ベットから跳び起きた。


何気ない木曜日。8時20分。今日の1限目は『鬼の酒井』こと酒井先生の国語のテストであった。天気は快晴。物語を始めるにはまさにピッタリの日和である。

プロローグだから、1000文字くらいで抑えたかったけど、1600文字くらいになり、ちょい失敗です。次回から2000文字くらいずつ書かなきゃなんなくなったなぁ…ということで、今後ともよろしくお願いします。

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