東京の様子を見に行きたい
ダンジョン地下20階までクリアしたところで、
ふと思った。
東京が核攻撃を受けたと聞いたのは、転生してからすぐ、あの謎の老紳士、案内人からだった。
東京の様子がどうなっているのか、気にはなっていたが、様子を見に行くための手段などあるはずも無く、今の今まで先延ばしにしていた。
そこで、いったん回復の泉で体力を回復し、あの老紳士を呼び出した。
案内人「ここに私を呼び出したのは、何用かな?」
ガーラント「実は俺は、こっちの世界とは違う世界から転生してきた、転生者なんです。
あっちの世界の、東京という所に行かせてもらえませんか?」
案内人「わかりました。すぐに手配しましょう。」
すぐに手配できるという。それにしても、
至れり尽くせりだな。
案内人「セーブポイントでのセーブを済ませてあるなら、セーブしたところから再スタートできます。」
案内人が呪文を唱えると、現実世界への入口だという、旅の扉が開いた。
この旅の扉は、この呪文を唱えると、いつでも開くことができるという。
ガーラント「いざ!東京へ!」
しかし、俺はともかく、このゲーム内世界で生まれた、リリー、アニー、ダイアナにとって、現実世界の東京へ行くのは初めてだ。
覚悟を決め、旅の扉へ飛び込んだ!
しばらくして、東京に到着。
しかしそこは、俺らの普通に知っている東京では無くなっていた。
やはり、核戦争によって破壊し尽くされていた。人間どころか、魔物の気配すら無い。
「ここ、東京だよな…。」
たどり着いたのは、破壊されて荒れ果てた東京だった。高層ビル群が瓦礫と化し、魔物が人間を圧倒する世界。
そんな中で、特徴的なツインタワーを見つけた。東京都庁だ。どうやらこのあたりは、新宿副都心のビル群のようだ。
新宿副都心から、北に行くと、サンシャイン60のある池袋。何もさえぎるものが無くなったから、ここからでも見える。
南に行くと、原宿や、渋谷だ。
渋谷には、ハチ公像とか、渋谷ヒカリエなどがある。
インターネットで調べることはあったが、実際に行ってみたのが、まさか核戦争の大破壊後になるとはな…。
そうだ、『ダンジョン攻略で東京を復興させよう計画』というのはどうかと、思い付いた。
つまり、俺らがダンジョンの攻略を進めていくごとに、東京が復興していく、ということになる。
復興後の東京なんて、いったいどんな町になっていくのか、想像もつかないな。
その一方で、俺のかつて通っていた中学校と高校にも行ってみた。
こちらは、俺らがいじめを告発したせいで、廃校にまで追い込まれていた。
さらに、核攻撃で校舎も何も、跡形も無く消し飛んでいた。
こちらは復興させることも無いな。
全く別の施設として活用するか。
しかし、人間はもとより、魔物の気配すらしないとなると、何か別のものが出てきそうな気がする。
たとえば、アレとか…。
この被害状況を、直接この目で見てみて、
あらためて核攻撃の恐ろしさを思い知る。
どこかの国の、馬鹿な指導者たちがしでかした武力行使がきっかけで、ついには核戦争という名のバケモノに姿を変えた。
どこかの国の、バカヤローが思い描いた、世界の破滅の妄想。それが、現実のものになった。
誰彼構わず、誹謗中傷を繰り返していた
ネット民たちも、核攻撃で皆殺し。
相手の意向などお構いなしに、しつこく取材を行っていたマスゴミ連中も、核攻撃で全員死亡。
もう、人間は生き残っていないのか…。
と思っていたら、暴走バイクに乗った連中が現れた!
爆音を鳴らしながら、我が物顔で走り回る暴走バイクの連中。
しかし、次の瞬間、
ババババババ!
機関銃を撃つような音がした。暴走バイクの連中は、撃たれてそのままバイクから転落、即死した。
次に現れたのは、マッドサイエンティストが、
魔物を討伐するために製造したという戦闘用AI
ロボット。
もはや、誰と誰が、何のために殺し合っているのかもわからないような、カオスの状況になっていた。
そこで、空間のひずみが生じる。俺たちはそのまま、空間のひずみに飲み込まれる。
キュイーン!
次に気がついた時には、そこは最初に訪れたギルドの建物内だった。




