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レポート6:貨幣について

「人が多いです。ます...兄様。」

「はぐれるなよ。家までトンボ帰りになりたくない。」

水都ヒューマリンの商業区画。日用品から家具や武器に至るまで、ありとあらゆるものの揃う生活の中心。

それ故に多くの人が集まり、それ故にトラブルも絶えない水都の2番目か3番目くらいには警戒すべき場所。

「マスター。本日はどこに?」

「とりあえずまずは金稼ぎから。高く売れるから考古学者も食いっぱぐれなくて助かるよな。てかマスターはやめろと言ったろ」

外でもお構い無しにマスターと呼びやがり下さりましたせいで僕が変質者を見る目で見られたり騎士団にお話聞かれそうになったりと諸々問題点が多すぎたので外では兄と妹と言うことにしたが…まだ時間がかかりそうだ。

「さて…ついたぞ。」

やってきた所はとても大きな施設。

中に入れば奥にあるカウンターに大きな列ができており、併設された酒場では昼時で賑わっている。

「マスター、ここは」

「モノ。」

「…兄様。ここは?」

「国の役所。ギルドとか言ったかな。

仕事の斡旋。素材の買取。他にも色々とできる万能施設だ。」

何列もある受付の1番右。換金用の列に並ぶと存外直ぐに番が来る。

「素材の買取を頼みたい。」

ポケットから袋に包んだ素材をカウンターに出して渡すと慎重に開封する。

「これは…ロストメタル!?」

「今は神代の金属をそう呼ぶのかい?なんとも横文字の多いことで。」

「失礼致しました。こちら…3万スイでどうでしょう?」

「そんな親指程度のサイズでそんなにするもんかね」

「供給量が非常に少ないもので…」

「まあ僕としては願ったり叶ったりだな。あ、悪いが1枚は千スイに崩してくれ」

「かしこまりました」

六角形のコインを2枚と五角形のコインを10枚受け取りその場を後にすると、待っていたモノリスを連れて外にでる。

「そうやって貨幣を稼ぐのですね。」

「ああ。普通に労働しても稼げるが、僕のようなタイプの人間はこの方が効率がいい。」

「それで何日くらい暮らせるのですか?」

「一人暮らしの平均的な暮らしで月10万スイだから大体10日くらいだな。」

「なるほど。そのスイというのは。」

「水都の通貨だよ。1スイ、10スイ、100スイ、1000スイ、10000スイの四つ硬貨が存在してる。

それぞれ形状が異なり順番に円形、三角形、四角形、五角形、六角形をしている。単位は共通してスイだな。」

「それがないと生活できないとは難儀なものですね。」

「価値の安置って面で一役買ってはいるんだがな。」

「賢い種族ですね。」

「その分弱いがな。」

苦笑しながらモノリスに一万スイ硬貨を握らせる。

「モノリス。初めてのお使いだ。その金で気に入った服や日用品を買ってくること。」

「...かしこまりました。優先順位などは?」

「一任する。ほしい物や必要がと感じたものを買うといいい。」

「分かりました。制限時間と集合場所の指定を。」

「18時に居住区画の門付近で。遅かったらおいて先に帰ってていいぞ。」

「分かりました。」

人ごみに流れていくモノリスを見届けると自分も移動を開始する。

行き先は、王城。目的は、情報収集。

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