レポート48:地下遺跡=丁度いい案山子の住処
「次から次へと…鬱陶しいことこの上ないな。」
地下遺跡墜落後から数時間。移籍内部をすすめど進めど先は見えず。粘土のように床から生えるゴーレムゴーレム。
「こやつら自体はあまり固くないのが楽ではあるがな!!」
チャージ1秒のフレイドの拳でもバラバラに爆散する様な脆さ。やはり、神代のゴーレムとは比べ物にならない程度の物でしかない。だが…酷く面白い。
「なるほど…土塊を整形、その過程で内部に術式を彫り込んでるのか…!ならこれを事前に刻み込めば…なるほどなるほど」
「マスター。先に行きますよ。」
「もうちょっと待って!」
「…いつになくカキュウくんのテンション上がってないかい?」
「マスターは考古学者…とは名乗ってますが、神代の技術マニアとも言えますから。」
「魔術については?」
「魔術はそんなに惹かれないんだよなぁ。むしろ少し忌避感があるというか。」
素材を加工する術式は少し考えたことはあったが、結局リソースの無駄と一蹴した。そもそも僕には魔術は使えない。素材の変形は本体に直接溝を掘ったりする以上、魔術の方に適性がある。それ故に、術式オンリーでの形成はロスが大きい。だが…術式を刻めるなら話は別。
「もしそれが可能なら…」
「カキュウくん!次来てるよ!!」
「っ…!いい所だったのに!!」
今度は生えてくるのでは無く、道の奥から歩いてきたゴーレム。
「やっと土都に着いたか。」
「まだそう判断するには早いだろう!!
門番のゴーレムを倒さねば!」
「概ね力量は分かった。門番として特別製としても…3倍。多く見積っても5倍程度の能力値だろうな。」
「あまり油断してはいけないよ?もしかしたらドラゴンくらい強いかもしれない。」
「冗談がすぎるよ。」
【倉庫解放】
倉庫から足元に石材を出力。存在が被ることによる弾き出しの現象を利用して超加速。刹那にて距離を詰め、そのボディに触れる。
「思いつきのテストといこうか。【倉庫解放】」
生命体には使用不可の倉庫能力。だが相手が生体ではなくゴーレムならば……
空間に術式が走り円を形成。ゴーレムの腕を異空間に収納し門を閉じれば、はい。
「右腕欠けたゴーレムの出来上がり…机上の空論でもなんとかなる物だな。」
「マスター、今のは。」
「対非生命体用の…有効札とでも言うかな?
倉庫に物質を収納、途中で閉じて切断。硬度無視の攻撃として転用できないかと思ってやって見たが…案外便利だな。」
今度は左腕の大ぶり。倉庫解放からの閉鎖左腕も切断。
あとは簡単。地面に倉庫を開いて落として閉めれば
「見事にバラバラですね…マスター。私に使わないでくださいよ。」
「やらねえよ。そもそもお前みたいに少しでも有機物が入ってるとこれ使えないんだわ。」
「剣などの防御にも転用できそうな…まあいいとしよう。とりあえずこれで…ようやく目的地かな?」
「うむ!たーのもー!!!」
壁をどんどんと叩くフレイド。ひらく扉。
大量のゴーレム兵と向けられた武器。
「……」
「なるほど?」
「…マスター。これは」
「よし……」
とりあえず両手を上げてみてから捕縛されるまではすぐでしたとさ。




