レポート47:遺跡について。
落ちた先の地下遺跡。
流石神代の移籍と言うべきか崩落に動じることもなく通路は侵入者…というか墜落者にも平等に開かれている。
「これは…壁画か。」
壁に描かれている物。
全体を上段中段下段に分割して見た時、上段には人と獣の合の子の様な存在が。
中段には火山、海、大地、森、そして風の意匠。
恐らくこれは基礎の5元素について表しているものと考えられる。
最後に下段。
「なんだこれ…」
「ミミズ…でしょうか?」
「いやでも人のようなものも…」
ひたすらに分からない。何かでこぼこしたものと、人型の何か。所々に見えるのは魔法陣か。
ただひとつ言える事といえば…
「これは明確な悪意をもって書かれてることだけはわかるな。」
「何を書きたいのか分かりずらいな!神々はもっとこう…絵心をほしいものなのだ。」
「それはそれで風情がない気もしないかい?」
「たしかに。」
とりあえずここの目的は伝承、記録であることを理解しつつ、そのまま先を進む…が。いやはや。人がいる、群れるというのはいい事ばかりではないようで。
完全に気が抜けていた。
地面から生えたのは石の腕。
「っ守護人形か!」
「【水辺の女王】!」
「【アクア・ギア】」
もはやテンプレート化したコンボにより放たれた水の槍が腕を打ち砕く。
「…脆いな。」
かつて相対したゴーレムはもっと硬かったような。等と思っている間に腕を起点に肩が、胴体がと順繰りに生えていく。
全長推定3mと少し。素材は石材。
「…なんか、違うな。」
漠然とした違和感。何か…神代のゴーレムに近しいものはあるが…何かが決定的に違う。
「折角なのでマスター。フレイムギアの試運転をさせてもらいます。」
「ん…まあ丁度いいか。やってみろ。」
「【フレイム・ギア:回転:形成:効果追加:ボム:形状:アロー:実行】」
いつもより少しばかり長い詠唱。というよりは順番の指令書の読み上げのような詠唱により放たれた火の矢が胸部にめり込み…爆散。
ゴーレムはバラバラの石材となり辺りに散らばった。
「ド派手にやったな…」
「命令に時間はかかりますが、応用は利くかと。」
散らばった石材のひとつを拾い上げて解析。
【解析結果:素材-石材。術式用途-ゴーレムの自立操作。】
解析ができた。その時点で神代のものではないことは確定。では…何か。刻印タイプの術式に知見が深く、それを実用レベルに使用できる種族。そして地下にある遺跡。ここまで来れば、馬鹿でもわかる。
「この先に、土都がある。」
図らずして、目的地のひとつに着いたわけだ。
幸運と思うべきか…それとも。
「上手く行き過ぎだな。」
敵の罠か。




