レポート43:討伐の後。それと後日談。
「...スター!マスター!」
「っ...モノリスか。」
目を覚ますとそこには地に付したドラゴンの亡骸と溶岩と洪水の残る荒野。支えられながら立ち上がると、ドラゴンの亡骸にフレイドが駆け寄る。
「父上...!」
声をかける。しかしもはや父親は答えない。
ドラゴンの鱗...あの耐久性は十分素材著して使えるだろうかなどと考えていると、気が付く。
「モノリス!右20度!」
「【アクア・ギア】!」
指定の方向にモノリスが水流を放つが魔法陣に阻まれる。
「ほう。その満身創痍の状態で我が隠密に気が付くか。」
「黒い...ローブの男!」
「...っ!技術顧問...!」
「...やっぱり、あやしい技術顧問が犯人だったか。」
「犯人...まあ、そうだな。今回の事変のきっかけを作ったのは我だ。」
「...っ【バースト】!!」
握りしめた拳、火竜相手ならば5分程度のチャージは必要だが、通常の存在であれば十秒程度のチャージでも十分。
だと、おもっていたのだが。その拳は展開された魔法陣により、たやすく防がれる。
「【アクア・ギア】」
「【ウィンディーネ】」
発生させた水を槍上に変形させ射出。しかし、魔法陣は破られない。
「モノリス・ギア。神々の作ったエレメントの源流。生命体に直接埋め込むことでここまでの効果を発揮するとは思わなかった。」
「...なんでそれを知ってる。」
「さあ。なぜだろうな?まあ、いい。次に行かねばならないからな。ここいらでお暇させてもらうとしよう。」
ローブの男の周囲の地面に複雑な幾何学模様の陣が展開。
攻撃を仕掛けるも魔法陣に防がれ届かない。
「またいずれ相まみえよう。創造のデバイス。そのユーザーよ。」
一瞬の閃光の後、ローブの男は忽然とその姿をくらませた。
その後の帰路に関しては、かなり気まずい空気が流れていたことは想像に難くない。ドラゴンの盗伐という喜ぶべき成果。しかしそれは国王の死を意味することでもあり...完全に解決したと言おうにもローブの男がひっかかかる。
国王の死に関しては、一般には伏せることとなった。
ドラゴンについては、焼こうにもその巨体と死して尚持つ火炎体制により処理が難しかったために、討伐の報酬としてもらう事になった。
フレイドは「それを父上だとは思えん。」と言っていた。おそらくつよがりだろうが、素材として有能なため、ありがたく貰い受けることにした。
、まあ、それでも国王の死去について何事もないというわけにもいかず、フレイドは、王城に帰った。
「...やっぱ片腕だと、作業もしづらいな。」
負傷と疲労の回復のために、継続して滞在。
一週間程度たち、疲労はほぼ回復。幸い、他の三人には後を引くような負傷もなく済んだ。
「カキュウくん。起きてるかーい。」
「マスター。買い物から戻りました。」
「ああ、お帰り。」
買い物に行っていた二人から、荷物を受け取り中身を見ると各種装備や消耗品の補充などが主。
「倉庫にこれ頼むよ。」
「二人にもちゃんと分散保管はしたか?」
「持ちろんです。しかし、何かあった時になんやかんやしぶといのはマスターなので、マスター荷物は多めにしています。」
「もっと言い方があるだろう...?」
「良いよ別に。事実だしな。まあ、今回片腕失くしたこと考えるとしぶとさにも疑問が出て来るけどな。」
「笑いずらいよそれ。」
「...いるかー」
「ああ。フレイドか。いいのか?城の方はほおっておいて。」
「まあ、父上が失踪してからトップがなしても回るように改善してたからな。それ故に、俺さまも居なくても何とかはなるさ。今は、政治よりも先にやることもあるしな。」
何処か、覚悟を決めたような眼と、明らかなサバイバル用の重装備。
「...貴殿らには、ドラゴンの討伐への多大な尽力感謝している。
おこがましいとは思うが。一つ、さらに頼みがある。」
片膝をつき、反対の拳を地面に付ける。サラマンダー族の最上の敬礼。
「父上の仇を取るため、貴様らの旅に同行させては貰えないか。」
「マスター。どうしますか?」
「カキュウ君?」
「なんで俺に振るんだよ。」
「私はマスターの意向に従うまでですので。」
「まあ、この度の主導は君みたいなものだし....」
「はあ...責任の押し付けを感じるが。おいフレイド。」
「...」
最敬礼のままのフレイドに近寄るとかがみこみ....結構強めに見事な、アッパーカットをぶちかました。
「何をする!?」
「面倒だからそれやめろ。」
「面倒といったか今!?仮にも王族の最敬礼に対して!?」
「別について着たいならついてくればいいが...はっきり言うが、身分の差とか面倒なもの考慮しないからな。」
「ほう...願ったりだ。」
「ならよし。んじゃ...よろしく頼むそ?蜥蜴。」
「誰が蜥蜴だ!腕無し!」
「ドラゴンの性だろうがよ!!!」
互いに無礼の極みのような言い争いを続ける男二人。
呆れた女性人に物理的に頭を冷やされるのは余談として余白にでも書いておこう。




