レポート37:覚悟について
火山弾になって落下したが幸い私にもカキュウくんにもさしたる怪我や不調もなく、無事に噴出したわけで、現在私たちは、
「ドラゴンはお前のオヤジだった。何か知ってるか?」
過求くんのノンデリを舐めてたことを後悔しています。
「マスター!?」
「ガラス片どんだけ砕いても鋭いまんまなんだ。単刀直入に行った方が受け入れられるだろ。」
「だがせめてこうもっと言い方というものを考えなよ!?」
「…よい。俺様は…その事実を知っていて黙っていたのだから。」
「…今、なんと。」
「ドラゴンが父上であるのは、前から知っていた。そう、言ったのだ。」
「…そうだったのですか。」
「なるほどな?通りでヤケに協力的だったわけだ。合点がいった。」
「…ウィーネ。今度マスターに社交術を教えてください。」
「ああ、そうしよう…1日椅子に括り付けてでも教えよう。」
応接間で机に肘をつき笑う過求に2人揃って頭を抑えるが、王子フレードは少し困ったような笑みを浮かべ笑う。
「逆にそこまでズケズケ来られると怒る気も失せる所か俺様が悪い気がしてくるな。」
「国家機密扱いの情報だったんだろうがこっちも事情があるからな。腫れ物に触る所か掴んで握りつぶす勢いで行かせてもらう。」
「…あれは、丁度君お前達来る少し前だったか。
肉災が火に弱いことに父上が気がついたのは。」
火とはいっても松明程度ではダメだったらしくてな?
鍛治用の炉のような、高火力。それに触れた肉塊は黒焦げになって力を失ったらしい。
それに気がついた父上は何とか国周辺の肉塊だけでも消せないか。あわよくば世界時の肉塊を消せないかと考えていたのだ…が、ダメだった。
無力化できるだけの火力を出すにはなんだか色々制約があったみたいでな!
…でも俺様も父上も諦めが悪くてなあ。
1回行けそうと思うと諦めきれんのだ。
「…それで、ドラゴンになった……と?」
うむ。最初の方はブレスだけ強くなったのだが、時間が経つにつれて体まで変化して今ではあの有様だ。
「…火のギアは……あの胸の歯車を利用する考えに行き着いた理由は。」
…父上がドラゴンに至る前、城で妙な人物を見るようになってな?常に黒いローブをしていたから顔を見たことはなかったが……父上いわく参謀だとか。
だが俺様はどーにも気に食わんと言うか…胡散臭いやつだったな。そいつが、火竜の心臓……あの歯車を利用するように言ったらしい。
「…カキュウくん」
「ああ。」
思い出されるは、洞窟の光景。
火都国王の成れの果てドラゴンのそばに居た、黒いローブの男。
「推定黒幕…黒いローブ来てたから本当に黒幕だな?」
「ごめん、ちょとわかんないね。」
「なんでわかんねえんだよ。」
「マスター。お話の途中ですよ。」
「あ、すまん。続けてくれ。」
「仲がいいのだなお前らは…とは、言っても俺様が知ってることはこのくらいだ。口ぶりから察するにお前らも黒いローブの参謀に覚えがあるのか?」
「ああ。火山の谷底にあった洞窟で…恐らくそいつの思われる奴がドラゴン…あ~」
「よい。ドラゴンで。あれを父上と認めたくないからな!」
「おう言い切ったな…まあドラゴンと一緒に居るのを見かけはした。」
「…やはり…そうか。」
「まあここまでの話を踏まえた上で、どうする?」
「…何をだ?」
「父親を殺すか、リスクは上がるがフレイムギア…えーっと、火竜の心臓…だったか?それを取り出して元に戻る希望にかけるか。」
「……」
フレードのしっぽが揺れる。こちらに向き合うと確かな目で手を差し出してきた。
「本音を言えば、希望にかけたい。が…それで俺様たちが死んだら元も子もないからな。
やろう、ドラゴンの…討伐を。」
「…そうか。なら…こっちも手を貸すよ。」
握手。文明が滅びかけても残る交友の証。
…痛い。いや力強…鱗かった…
「あの…そろそろはな…はなせ…いてぇって!」
「はっはっはっ!!すまんすまん!!
無礼な物言いの軽い仕返しと思え!」
「はー…いってー…サラマンダー族ってのはみんなこんな手なのか?」
「いや、オスは手の平まで鱗があるが、メスは手のひらの鱗がない。尻尾の裏側も同様だな。」
「はーん…そんな見分けがあるのか。」
「あとは胸だな!いちばん分かりやすい!」
「あ~……まあ否定はしないな。そのせいで俺ウィーネの性別分からんかったし。」
突如頭に衝撃。後ろを振り向くと剣の曲りを確認するウィーネ。
「はっはっはっ!レディの前でそういったジョークはやめておくことだな!」
「肝に銘じるよ…」




