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レポート30:カエルを突いて

「馬鹿なのかい君は!!馬鹿なんだね君は!!」

腹を貫いた、カエルのモンスターは今。

大暴れしていた。

足から吸い込んだ溶岩を腹部に貯めることも出来ず、やたら滅多ら。狙いも関係なしにひたすらに噴射し続ける始末。

「はてさて…どうしようねえ。あの穴あき水風船。」

「しばらく待てば…絶命しないでしょうか?」

「あれだけ元気なんだ。どのくらいかかることやら……」

隠れている岩にも溶岩の奔流が直撃し、跳ねた溶岩が義手にかかる。

「あっ…つくはないな。」

「どうするんだい。手のつけようがないよ?」

「腹ぶち抜いてもダメってことは…恐らく、弱点は頭なんだろうな。生物なら当たり前のことだが。」

「となると、頭を潰さなくては止まらないと?」

「おそらくは。別に潰すこと自体はハンドバンカーを使えば余裕なんだが…どう接近するか…だな。」

「私のギアを使用して水を出して相殺するのはどうでしょうか。」

「あんな不規則軌道の放出を?」

「…仕方がない。私がサポートしよう。」

「どうやってだ。正直今できることはあまりないように思えるが…」

「私の固有能力を使う。」

「…そういえば見てなかったな。どんなの?」

「【水辺の女王(ウィンディーネ)】効果は単純で、液体ならばなんでも操れる。まあ性質を変えるとまでは行かなくて、形状変化と進路操作くらいなんだが……」

「…それであれを相殺すると?」

「その通り。」

のたうち回る蛇のように放出され続けるマグマを見てなお、自信満々に頷くウィーネ。

「…まあ、失敗しても何とかなるか。

分かった。モノリスは、操る水の生成。ウィーネは操作でマグマを相殺。僕は、あれの頭をつぶす。」

奔流が、隠れていた岩場から離れた瞬間、そこを飛び出す。着地から地面に杭の無くなったハンドバンカーの衝撃をぶつけて加速。

こちらに気がついたのか無理やりふんばり曲げられた軌道の溶岩が襲い来るが気にしない。

ただ、前へ。

「【アクア・ギア】」

「【水辺の女王】」

生み出された水をウィーネが操り、マグマの蛇と水の蛇がぶつかり合い、凝固する。

それによる変化は、2つ。

1に、拮抗の衝撃により水を産んでいたモノリスと、マグマを放っていたカエルが転倒。

2に……それによりマグマが空に向けられた。

降り注ぐマグマ。倒れたカエル。

さて問題。仰け反ることで、見えなくなったもの。

なーんだ。答えは…額。

「くそ…狙いが。」

前述の通り、カエルはマグマ溜りの中で吸い上げて放っていた。それが仰向けに転べば、足から吸い込めなくてマグマは止まる。

しかし、打ち上げられたマグマを対処しつつ、

マグマ溜まりの中で転倒しているカエルの脳天を狙わなければならない事になる。

倉庫(ストレージ)から石材を出そうか。

否。落ちてきてカエル共々ぺちゃんこになる。

ならカエルだけ潰そうか。

否。カエルを倒すことが目的ではなく、その素材を手に入れることが目的。マグマの中に沈んでは元も子もない。ならば、どうすると考えているうちにマグマ溜りの前。

「後は野となれ山となれ…!」

そして、踏み切った。マグマ溜りに飛び出し、狙うのは着地点のカエルの額。

「ハンド…バンカー!」

放たれた杭は寸分違わずカエルの額に突き刺さり、跳躍の勢いを失った体は、水泡に飛び込んだ。

「っ…ガボボバ」

「えっ…あえ!?と…とりあえず岸に!!」

水泡で過求を陸地へ運ぶと、中から取りだした時にはぐったりしている。

「な…なぜ。」

「知らないのですか?マスターは泳げませんよ。」

「そうなのかい…?とりあえず安静に…あとは倒したカエルの回収を。」

「ですね。とりあえず目標の1/3は達成…と見ていいでしょうか。」

「そうだね。ひとまずは…あとは亀と…石だったかな?」

「はい。残りのふたつはスムーズに済むといいのですが…」



tips:ヒューマン族は水中で3~5分程度活動出来る。

なお、過求は息を止めて30~60秒が限界。

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