レポート3:使命について
目が覚めたら裸の女性に膝枕をされていた。
「…!?」
急いで飛び起きるとその女性は顔色ひとつ変えずにこちらを見つめる。
「おはようございます。」
「え…と。おはようございます…?じゃなくて君は…」
その容姿にみ覚えがある。たしか…そう。気絶する前、立方体の中にいた人型の…
「私はモノリスといいます。」
「あ、どうも…」
「マスター。お名前を」
「ます…?あー…名前ね。カキュウ…
過去を求めると書いて過求だよ。」
「過求様……マスター登録完了。
現時点を持ってcode:モノリスはmaster:カキュウに帰属します。末永くお願い致します。」
「ごめん、少し待って?」
三指ついて礼をするアンドロイドレディ…モノリスを静止する。
「はい?」
「全く状況が飲み込めないんだけど。」
「どこからですか?」
「全部説明してくれ……」
「分かりました」
どこからか取り出した板に何かを書き始めるモノリス。長くしなやかな指、サラサラとした銀の髪。
青く澄んだ瞳に、なんだか変態チックな言い回しになるが大きすぎず小さ過ぎない胸。クールビューティとはこのことを言うのだろうと思わせる整った顔立ち。
神が手作りしたのかと思うほどに完璧な容姿。
「出来ました。」
から繰り出されるあまりにも残念な画力。
見せられたボードに書かれているのは…なんだろうか。人型の何かが複数…うん。分からん。
考古学云々じゃない。もうこれは探偵に任せる他ない。
「…うん。口頭でお願いしていいかな?その方がまだノイズが少ない。」
「かしこまりました。」
ボードを床に置き語り始める。
「神々がこの世界を作った頃。全ての世界を作り終えた神々は、私を作りました。
もし、なにかあった時に人類が手動で世界を再起動できるようにするための端末。ギアボックス-code:モノリス。それが私です。」
まさかほんとに神が作ったとは予想外だった。
「なら、肉災……この世界を終わらせた肉塊について何か知ってる?」
「知りません」
「…え?」
「知りません。はっきり言ってイレギュラーです。
私が起動したということは…少なくともこの世界が終わっているということしか分かりません。」
「予想外の答えだな。なんかこう…世界の全てとか知ってそうな感じが。」
「私はあくまで端末ですので。世界創世時に定められたこと以外の…歴史によって変化したことなどは欠片も存じておりません。」
「なるほど…再起動って言うのは?」
「はい。この世界を1度0にし、新たな世界を作り直します。」
まるで魔王かなにかのような事を言っているが1度置いておこう。
「今すぐ可能…って訳じゃないよね。できるなら僕が寝てる間にやってそうな物だし。」
「その通りです。素晴らしいです。新世界を構築するためにはこの世界に存在する『モノリス・ギア』と呼ばれる…言わば、世界の材料のようなものが必要です。」
「…それはどんな?」
「火、水、風、木、土、光、闇の合計6属性のギアが存在し、それぞれ対応したエレメントを無限に生成することが出来ます。それらを私にセットし、行使することで新世界が作成されます。」
あまりにも突拍子のない話、しかしそれ以上に不思議な事がある。
「何故、僕がマスター?」
「貴方が適合したからです。」
「適合?」
「はい。私の封印解除。及び起動は適合したもの以外不可能です。」
「その基準は?」
「不明です。私が封印された後のことなので」
「マジかよ。」
「しいて言うのならば世界を再構築するのに必要な人材としか。」
「もしかして結構神々って適当?」
「否定はしません。」
モノリスを見つめるが一切のぶれもなくただ見つめて来る。状況証拠もそろっており、空想妄想の類と片付けるのにはあまりにも現実味がありすぎた。
「つまり僕はこの世界のどこかにあるモノリスギアとやらを集めて世界を再構築する手伝いをする必要があると。」
「強制力はありません。マスターの意向次第になります。」
「もし僕が断ったら?」
「世界は緩やかに、しかしながらそれほど遠くない未来に滅亡し終了します。まあどちらにせよ私は既にマスターに帰属しているのでついていきますが。」
「迷惑とかインプットされてないのかな?」
「私の容姿はマスターの好みに合わせてリメイクされています。いやな気はしないでしょう?」
「否定できないのが悲しいことよな。まあ答えをどうするかはおいておいて…ここに置いていくのも心苦しいし、とりあえずうちに来るかい?」
「お持ち帰りですね。」
「あってるけど人聞きが悪い。」
「マスターがどんな異常性癖を持っていても受け入れますよ。」
「黙ってろい、このオンボロイド。」
こうして一人居候が増えたのである。
アンドロイドって何食べるんだ。
キャラ紹介
【モノリス】
種族:アンドロイド
身長:165cm
体重:可変式
概要:神代に生み出されたリセット用端末。世界を再起動し新世界を構築する任を受けている。
本人としては別にどちらでもいい模様。




